ミシシッピ大がリクルーティング違反をNCAAに指摘され、自主的にチームに罰則を課した(来季のボウルゲーム不出場など)ニュースを少し前にご紹介しました。同大学は確かに違反と言われたことが起きていたことは認めましたが、大学自体の監督不行き届き、そしてヘッドコーチのヒュー・フリーズ(Hugh Freeze)監督がこれに関わっていたという点は真っ向から否定していました。
ただミシシッピ大が否定するしろしないにしろ、彼らにとってこの事件は大きな汚点となったことは確かです。しかし中にはフリーズ監督を擁護する、かつて彼に従事したコーチたちも存在します。
「私はこれまでのコーチング人生で合計16人のヘッドコーチの下で働いてきました。その16人の中でもし誰が一番NCAAのルールにしたがっていたかをランキング付けするなら、私は迷わずヒュー・フリーズをナンバーワンに推すでしょう。」とは元ミシシッピ大オフェンシブコーディネーターのダン・ウェーナー(Dan Werner、現アラバマ大オフェンシブアナリスト)氏。
「彼はコンプアイアンスを遵守することの大事さをいつでも説いていた人物でした。もしそれを破ればその場にいる家族(=チーム)みんなに害を与える事になり、そのようなリスクは追う価値がないと常日頃話していたのです。」とウェーナー氏はフリーズ氏が自らNCAAのルールを破ることなど考えられないと話しています。
ミシシッピ大はウィーナー氏の指揮下、2015年にSECで1位、2016年には4位というトータルフオフェンスを記録しましたが、チームとしては大暴落。5勝7敗とシーズン前の評判とは裏腹に散々な結果を残してしまいました。そんな中フリーズ氏はオフシーズンにウィーナー氏を解雇。しかし、ウィーナー氏が自分を解雇した張本人であるフリーズ氏を擁護する発言をしているのが興味深いところです。
「フリーズ監督は私を解雇した人物です。だから、彼のことを悪く言おうとすればそれはいとも簡単なことです。しかし私は正しいことのためならば、それが誰のためであろうと真実を語ります。彼はスタッフミーティングで幾度となくNCAAのルールに従順であれと口すっぱく我々に話していました。彼はコンプライアンスの重要さを痛感していたのです。そんな彼がこのように訴えられるなど、私にしてみれば眉唾ものです。」
また元ディフェンシブコーディネーターのデイヴ・ウォマック(Dave Wommack、昨シーズン後にコーチングから引退)も「私たちはコンプライアンスミーティング、並びにリクルーティングミーティングに出席することを常に義務付けられており、ヒュー(ブリーズ監督)はまず最初に「ルールを守ること」といつも言っていました。今回の調査結果で示されているような悪事を彼が水面下で行なっていたなんてことは考えられないことです。」とウィーナー氏と同様のことを証言しています。
ただ、2013年のNCAAルールの改正により、ヘッドコーチが知る知らぬは関係なく、彼のスタッフが起こしたルール違反は全てヘッドコーチに責任があるという風になりました。だから、もし今回起きたリクルーティングの事件にフリーズ監督が直接関わっていなかったとしても、その責任をヘッドコーチである彼が負わなければならないという事になったのでしょう。
だからと言って「フリーズ監督が彼のスタッフを24時間体制で監視などできるはずがない。一体彼はどうしたらよかったというのだ?!」とウィーナー氏も言うように、ここまで徹底してコーチにルールを守るように言っていたフリーズ氏にどれだけの責任を追求すべきなのか・・・。
ミシシッピ大はNCAAに反論する権利がありますが、果たしてこの顛末はいかに?