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アラバマ大vsオクラホマ大レビュー【2025年度CFPファーストラウンド】

アラバマ大vsオクラホマ大レビュー【2025年度CFPファーストラウンド】

#9 アラバマ大 34、#8 オクラホマ大 24

全米8位のオクラホマ大がホームのメモリアルスタジアムに9位のアラバマ大を迎え撃ったこの試合、オクラホマ大にとっては初のプレーオフゲームでの勝利、そしてアラバマ大にとってはケイレン・デボアー(Kalen DeBoer)監督体制となってから初のプレーオフ出場であり、過去に同スタジアムで苦杯をなめた相手へのリベンジマッチとしての側面も持っていました。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

試合経過

立ち上がりからは完全にホームのオクラホマ大が主導権を握ります。

先制したのはオクラホマ大。QBジョン・マテアー(John Mateer)が、自ら8ヤードを走り抜けて先制TDを奪います。さらに、全米最優秀キッカー賞「ルー・グロザ賞」を受賞したテイト・サンデル(Tate Sandell)が、強風を切り裂く51ヤードのFGを成功させ、一気に10対0と突き放します。

この間アラバマ大の攻撃陣は完全に沈黙。第1Qでの獲得ヤードはわずか12ヤードで、ファーストダウンを一度も更新できないという、かつての王者の面影がない立ち上がりで、早くも「ノートルダム大をプレーオフに進出させていればよかった」という声がSNS上でも多く見られていました。

マテアーのスクランブルと正確無比なパスに手こずるアラバマ大を横目にオクラホマ大が再びアラバマ大陣内を強襲。そして、第2Q開始早々にそのマテアーからWRアイゼア・サテニャ・III(Isaiah Sategna III)への7ヤードパスTDが決まり、スコアは17対0に。スタジアムのボルテージは最高潮に達します。

やられっぱなしのアラバマ大はとにかくオフェンスが形を見出せずに大苦戦しますが、返しのドライブでようやくボールを前へ動かすことに成功し出し、特にWR1年生WRロズィアー・ブルックス(Lotzeir Brooks)を多用して進撃。そして最後は敵陣10ヤード地点で迎えた4thダウンプレーでQBタイ・シンプソン(Ty Simpson)からのショートパスを受け取ったブルックスが相手のタックルを蹴散らしてエンドゾーンへ飛び込み、アラバマ大としてはなんとしても欲しかったTDを獲得。点差を10点に縮めます。

その直後のオクラホマ大の攻撃ではパントを強いられますが、Pグレイソン・ミラー(Grayson Miller)がスナップを落とすという痛恨のミスを犯します。これをアラバマのティム・キーナン・III(Tim Keenan III)がリカバーし、絶好の得点機を得たアラバマ大がFGで17対10まで詰め寄ります。

前半終了間際、さらに劇的な瞬間が訪れます。OUのQBマテアーのパスを、アラバマのDBゼビアン・ブラウン(Zabien Brown)がインターセプト。そしてそのまま50ヤードを独走する「ピックシックス」を決め、一気に1同点に追いついて17点差が一気に縮まってしまいます(ブラウンのピックシックスはテネシー大戦に続き今季2つ目)。

後半に入ってもアラバマ大の勢いは止まりません。

第3Q、シンプソンが再びブルックスへ30ヤードのロングパスを通し、ついにアラバマ大が24対17と逆転に成功。一時は17対0と大きく水を開けられていたアラバマ大ですが、このTDの後にFGも決めて27連続得点を記録し、試合のモメンタムを完全に自分たちの元に手繰り寄せました。

立ち上がりの勢いがすっかり消沈し、アラバマ大ディフェンスの猛追を受けてプロダクションが停滞してしまったオクラホマ大。2ポゼッション差をつけられていよいよ焦りが見え始めた第4Q早々、ドロップバックしたマテアーは右サイドから流れてきたデイオン・バークス(Deion Burks)をフィールド中央に見つけ正確なパスを通し、そのバークスがそのままエンドゾーンへ飛び込む37ヤードTDパスプレーを決めて、スコアを27対24と3点差としなんとか試合を繋ぎ止め、スタジアムのファンも目を覚まして大歓声に包まれます。

ただアラバマ大は落ち着きを取り戻したシンプソンの下で再び攻勢に転じ、途中彼からのパスをWRジャーミー・べナード(Germie Bernard)がジャンプ一番でキャッチする荒技を見せてドライブを継続させます。

最後はダニエル・ヒル(Daniel Hill)のTDランでアラバマ大が再びリードを広げます。追い込まれたオクラホマ大は、これまで24本連続でFGを成功させていた「絶対的守護神」のKサンデルに望みを託しますが、彼は36ヤードそしてさらに終了直前の51ヤードと、2度のFGを立て続けに外し、オクラホマ大のシーズンはここで潰えました。

勝敗の要因

アラバマ大は序盤こそ苦戦したものの、試合全体を通してミスを最小限に抑え集中力を維持。流れが完全にオクラホマ大に流れていながら、その流れを断ち切って自分たちの勝利へ導いた忍耐強さと適応力はさすがでした。

特にQBシンプソンが後半にかけてシーズン中の絶好調時に近づくほどのパフォーマンスを見せたのが大きかったです。彼はシーズン前半に冴えまくりハイズマントロフィー最有力候補にまで名を連ねていましたが、シーズン後半に入りそのプロダクションが劇的に低下。しかしこの日の後半には素晴らしい落とし所のパスを随所に見せ勝利に大きく貢献していました。

さらにレギュラーシーズンでTDがなかったアラバマ大の一年生WRブルックスが、キャリア初を含む2つのTDを記録し、チーム最多の79ヤードを獲得する大活躍を見せたのはチームにとって想定外のことだったのかもしれません。今後さらにプレーオフを勝ち抜く上でこの上ない新顔の台頭となってくれそうです。

またそれと同時にディフェンス陣も奮闘。かつての絶対的な強さとまではいきませんが、合計で5個のQBサックを喰らわせるなどしてマテアーにコンスタントにプレッシャーを与えることに成功。それが後半のオクラホマ大オフェンスの失速につながりました。

一方のオクラホマ大は、試合の流れを変えてしまったマテアーの致命的なインターセプトや、スペシャルチームでのミス(パンターのファンブルやキッカーの2つのミスFG)がモメンタムを完全に失わせる要因となりました。

さらに前半50ヤード稼いだランアタックは後半たったの5ヤードに抑え込まれ、またパスでもマテアーからのパスを5度もドロップするなどし、第1Qだけでアラバマ大をヤード数で大きく上回っていた(オクラホマ大118ヤード、アラバマ大12ヤード)にも関わらず後半失速してしまったことが大きな敗因となったのでした。


17点差をつけられるもそこから脅威の逆転劇を演じたアラバマ大。CFPでひっくり返した点差としてはこれが史上最大タイのカムバック記録であり、敵地で絶体絶命なピンチを迎えるもそこから流れを自らの元に引き寄せたアラバマ大の精神的な強さを象徴する勝利となりました。

この試合に勝利したアラバマ大は、1月1日にカリフォルニア州パサデナで行われる準々決勝戦(ローズボウル)で、第1シードのインディアナ大と対戦。攻守ともに強力なインディアナ大を前にどうすればもっとランが出るのかをあと約10日で絞り出さなければなりません。

一方負けたオクラホマ大ですが、2014年に始まったCFPでの通算成績が0勝5敗となり、未だ一度もこの大舞台でプレーオフ初勝利を挙げることはできませんでした。とはいえ、ブレント・ヴェナブルズ監督就任4年目で悲願のプレーオフ進出を果たしたこと、そして10勝を挙げたことは胸を張れる結果です。QBマテアーが来年もまた戻ってくるのかはまだわかりませんが、もしそうなれば彼のパサーとしてのレベルアップが必須となると思われます。

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