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Championship Weekend!!【2025年度第15週目レビュー】*随時更新中

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いよいよ到来した各カンファレンスの優勝決定戦が行われた週末。9つあるカンファレンスでそれぞれが栄冠を手に取るための熱いバトルが繰り広げられましたが、特にCFP(カレッジフットボールプレーオフ)進出を狙うチームたちにとっては勝てばプレーオフ進出、負ければ脱落と言う、非常に緊張感あふれる試合が盛りだくさんとなりました。

この記事が完結する頃にはCFPのファイナルランキングが発表されてプレーオフ出場の12チームがすでに決まっていることかと思いますが、この週末に行われた試合を主に「パワー4」カンファレンス群の試合を中心に振り返ります。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

#2 インディア大 13、#1 オハイオ州立大 10

Big Tenカンファレンス優勝決定戦

インディアナ州インディアナポリスにあるルーカスオイルスタジアムで行われたBig Tenカンファレンスの優勝決定戦はチャンピオンシップゲームは、カンファレンス史上初となる全米1位(オハイオ州立大)と2位(インディアナ大)の無敗同士の対決となりましたが、ディフェンシブバトルの末にインディアナ大がオハイオ州立大を13対10という接戦の末に破る快挙。この勝利によりインディアナ大は58年ぶりのBig Tenタイトル、そして1945年以来初となる単独のカンファレンス優勝を果たしました。さらに、これでインディアナ大がオハイオ州立大に対して37年間続いた連敗記録に終止符を打つことにもなり、まさに記録ずくめの白星となったのでした。

試合の方は、オハイオ州立大の最初のポゼッションでQBジュリアン・セイイン(Julian Sayin)がパスINTを犯し、それを起点にインディアナ大が29ヤードのFGを決めて3-0と先制。その後、インディアナ大QBフェルナンド・メンドーサ(Fernando Mendoza)もパスINTを許し、オハイオ州立大はショートフィールドからカーネル・テイト(Carnell Tate)への9ヤードのTDパスを決め、7対3とリードを奪います。

第2Q序盤では、Big Ten年間最優秀キッカーのインディアナ大Kのニコラス・ラディチッチ(Nicolas Radicic)が39ヤードのFGを外し、インディアナ大は絶好のスコアリングチャンスを逃します。一方オハイオ州立大はロングドライブの末相手レッドゾーン飛び込むも、インディアナ大ディフェンスの奮闘に遭い、30ヤードのFGを強いられスコアは10対3に。そして前半終盤のインディアナ大のドライブでは7分21秒をかけた61ヤードの攻撃を敢行するも、エンドゾーンまでが遠く結局FGを決めて10対6で後半へ突入します。

第3Qに入りオハイオ州立大をパントに追い込んだインディアナ大は、続く彼らのオフェンスにてテンポを変えるドライブを展開。ここではメンドーサからチャーリー・ベッカー(Charlie Becker)への51ヤードのロングパスで火がつき、最後はイライジャ・サラット(Elijah Sarratt)への17ヤードのTDパスで締めくり、インディアナ大がついに13対10と逆転。これはオハイオ州立大が今季初めて後半にビハインドを負った瞬間でした。

オハイオ州立大はすぐさま反撃し、インディアナ大レッドゾーンへ急襲。そして相手5ヤードラインで4th & 1を迎えますが、ここでライアン・デイ(Ryan Day)監督は4thダウンギャンブルに打って出てます。選んだプレーはセイインのQBスニーク。これが当初ファーストダウンと判定されましたが、ビデオ判定の結果セイインの膝がダウンしていたことが確認され、オハイオ州立大は絶好の得点のチャンスを逸してしまいます。

そして第4Q終盤、追うオハイオ州立大は15プレー81ヤードのロングドライブを展開しましたが、またもインディアナ大の素晴らしいディフェンスに阻まれFGを余儀なくされます。しかしKジェイデン・フィールディング(Jayden Fielding)は27ヤードのチップショットを左に外し、試合を同点にするチャンスを逃してしまいます。

試合残り時間3分を切ったところで再びボールを手に入れたインディアナ大はとにかくできるだけ長く時間を削りながらプレーを継続したかったわけですが、オハイオ州立大もディフェンスの奮闘とタイムアウトを駆使して残り時間2分26秒でインディアナ大陣内24ヤードで3rd&6ヤードという場面を迎えます。ここで見せたのがメンドーサ。彼はこの場面でこここしかないという落とし所にベッカーへ33ヤードの絶妙なパスを通し見事にドライブ継続を成功させます。

このビッグプレーでインディアナ大はさらに2分残り時間を消耗することに成功。オハイオ州立大は残り時間20秒余りで攻撃権を奪い返しますが時すでに遅し。インディアナ大が悲願のBig Tenタイトルを手に入れたのでした。

勝敗の要因

この歴史的なアップセットの背景には、インディアナ大の絶対的な守備的力と、オハイオ州立大のレッドゾーンでの得点力不足がありました。

インディアナ大のディフェンスはダイナミックなオハイオ州立大のオフェンスに対して終始優位に立ち、相手の地上戦力をわずか58ヤードに抑え込みました。またQBセイインに対して5サック、9タックル・フォー・ロス(TFL)を記録し、セイインに容赦ないプレッシャーを与え続け彼にポケット内での猶予を与えなかったのも見事でした。特にLBアイザイア・ジョーンズ(Isaiah Jones)は2.0サック、2.0 TFLを記録し、オハイオ州立大のOL陣は大いに苦戦。そしていわゆる「Bend but not break」のメンタリティーで、相手オフェンスに押し込まれてもフィールドが狭くなると劇的に集中力を高め、レッドゾーンでのオハイオ州立大の攻撃を阻止しました。

オハイオ州立大は、インディアナ大の10ヤード陣内まで4回も攻め込みながら、わずか1TDと1FGしか奪えず、得点機会をみすみす逃したのが大打撃。特に、第3Qの4thダウンギャンブル失敗、そして第4Qの27ヤードFGミスがなければ試合はどうなっていたかわかりませんでした。試合後デイ監督は4thダウントライの決断をしたことを後悔しているかと問われ、「それは難しい質問だけれども、当然失敗すれば後悔はする」としながらも、勝負に出たこと自体は正しい判断だったとしました。

そしてインディアナ大のエースQBメンドーサのスタッツは、パス222ヤード、1TD、1INTと数字的には控えめでしたが、第3Qの逆転TDパス、そしてオハイオ州立大に事実上のトドメを指した、第4Qでのベッカーへ決めた3rdコンバージョンを成功させるなど、ここしかないと言う場面でクラッチプレーを見せ、この試合の結果を決定づけました。これらのメンドーサのパフォーマンスが彼をこの試合のMVPに仕立てましたが、それと同時にセイインとの一騎打ちと見られていたハイズマントロフィーレースで決定的な印象を植え付けた形になったのでした。


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MVPを獲得したメンドーサ

影響

インディアナ大は、この大番狂わせにより正真正銘の全米タイトル候補としての地位を確固たるものにしました。自身創部史上初の無敗の13勝0敗でカンファレンスを制覇した彼らがファイナルCFPランキングで全体第1シードを獲得するのは当確。、守備力、精神的なタフさ、そして僅差の試合で勝利を収める粘り強さを披露し、大舞台という緊張感あふれるステージでも勝てることを証明しました。

一方、オハイオ州立大はCFPのファーストラウンド免除が与えられる上位4チームには残ると予想されますが、この敗戦により2020年以来のカンファレンスタイトル獲得に失敗し、今季初黒星を喫してしまいました。全米タイトル2連覇に向けてまだまだ彼らには道は残されてはいますが、CFPで勝ち進むためにはこの試合で露呈したオハイオ州立大はレッドゾーンでの決定力の低さとQBセイインを相手ディフェンスの激しいプレッシャーに対しどのように死守するかという課題を示した形になりました。

ただ、ここで負けたことはここまで負けられない戦いを強いられてきたオハイオ州立大にしてみると、一度その緊張感をリセットするためのいいチャンスになったとも捉えることができます。何にしてもインディアナ大の予想外の奮闘により、このBig Ten優勝決定戦は試合前の期待度を裏切らない素晴らしい試合になったのでした。

(随時更新します)

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