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Helluva Catches!!【2025年度第11週目レビュー】

Helluva Catches!!【2025年度第11週目レビュー】

今季第11週目には数々の試合で試合を決めるとんでもないキャッチを見ることができました。今回のレビュー記事ではそんなスーパーキャッチを中心に主な試合結果をご紹介していきます。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

#2 インディアナ大 27、ペンシルバニア州立大 24

全米2位のインディアナ大ペンシルバニア州立大に乗り込んだこの試合、インディアナ大QBフェルナンド・メンドーサ(Fenrando Mendoza)からWRチャーリー・ベッカー(Charlie Becker)への53ヤードのロングパスでいきなり敵地奥まで攻め込み、そこを起点にメンドーサが18ヤードのスクランブルからのTDランで試合序盤からインディアナ大が流れを掴みます。

さらにインディアナ大はペンステートがレッドゾーンで犯したファンブルをリカバーしそこから追加点を奪います。しかしペンステートもホームチームとしての意地を見せ、RBニック・シングルトン(Nick Singleton)のランTDが決まり、前半を17対7とインディアナ大リードで折り返します。

前半なかなか思うようにボールを動かせずにいたペンステートですが、後半に入ると徐々に調子を取り戻します。前出のシングルトンの今季一番の働きと言えるパフォーマンスでペンステートは後半17点連続で得点。まず第4Q残り時間約13分半というところでシングルトンの59ヤードのロングゲインでゴール前直前までボールを運びそこから彼自身が1ヤードのTDランを決めて3点差に詰め寄ります。

さらにディフェンスがメンドーサからパスインターセプションを奪って再びペンステートの攻撃となると、QBイーサン・グランクマイアー(Ethan Grunkemeyer)からのスクリーンパスを受け取ったシングルトンがスルスルとインディアナ大のディフェンスの網を掻い潜り、試合残り時間約6分半で遂にペンステートが逆転を果たします。

完全にモメンタムがペンステートへと傾き、インディアナ大は残り4分弱でパントを余儀なくされ、いよいよ全米2位チームに黒星が付く瞬間が刻一刻と近づいてきていると多くの人々がそう感じたに違いありません。しかしここでインディアナ大ディフェンスが踏ん張り、タイムアウトは使い果たして1つも残っていないながら残り時間1分51秒でインディアナ大に最後の攻撃のチャンスが回ってきます。

そして、この日いつものようなキレがあまり見られなかったメンドーサがこの土壇場の状態から見せてくれました。自陣20ヤード地点からの攻撃となったインディアナ大はメンドーサの指揮下で小気味よく敵陣へ前進。ここでも再びWRベッカーへの絶妙なパスプレーが決まり、残り1分を切ったところで遂にペンステート陣内レッドゾーンまで辿り着きます。

そして試合残り時間36秒というところで迎えた3rdダウン&ゴール@7ヤードラインというシチュエーション。スナップを受けたメンドーサはブラインドサイドからのラッシュを受けつつもエンドゾーン奥深くへフェードパスをWRオマー・クーパー・Jr(Omar Cooper Jr)へ放ちます。このパスをジャンプ一ばんで補給したクーパー・Jrでしたが、勢い余って着地がエンドゾーンの外側になるかと思われましたが、尋常ではない空間識別能力で片足をギリギリエンドゾーン内に残し、みとごTDを奪い逆転を果たします。

今季ここまでで最高レベルのパスキャッチとすでに呼び声がたかいクーパー・Jrのキャッチ、そしてそこへプレッシャーを受けながら見事にパスを通したメンドーサ。決して望んでいたような勝ち方ではなかったとは思いますが、敵地で追いかけるシチュエーションから逆転できたというこの事実は何事にも変え難い経験値として今後のタイトル獲りへの道で活きてくるはずです。

またハイズマントロフィーを狙うメンドーサにとってみれば、負けている状態で追いついた最後のドライブはいわゆる「ハイズマンモーメント」ともいえ、過去にトロフィーを獲得してきた名選手たちも経験したように、あとで振り返った時にこのシーズンを象徴するようなパフォーマンスとして多くの人たちの記憶に残ることでしょう。

インディアナ大はこの勝利で10勝目一番乗り。昨年も10勝以上を達成しているので、これで2年連続の二桁勝利を確保したことになりますが、これは創部以来初の偉業。またペンステートのホームであるビーバースタジアムにてこの試合まで勝ち星がなかったインディアナ大にとってはこれが初の白星。ペンステートはジェームス・フランクリン(James Franklin)監督が解雇されたり、スターQBドリュー・アラー(Drew Allar)がシーズンエンドの怪我で戦線離脱したりと踏んだり蹴ったりですが、負けたとはいえ立派なファイトを演じてくれました。

#9 オレゴン大 18、 アイオワ大 16

Big Tenカンファレンス内の優勝レースで非常に重要と言われたこの試合、雨の降る中での激戦となりましたが、リードされていたオレゴン大のKアティカス・サッピントン(Atticus Sappington)の39ヤードの逆転FGが試合残り3秒で決まり、オレゴン大がなんとか勝ちを拾いました。この決勝FGをお膳立てしたのがマリク・ベンソン(Malik Benson)のミラクルキャッチでした。

双方のディフェンスがお互いのオフェンスになかなか仕事をさせず僅差の展開が続きましたが、第4Qにアイオワ大のKドリュー・スティーヴィンス(Drew Stevens)がスクールレコードとなる58ヤードのロングFGを決めて点差を縮めると、試合残り時間2分を切ったところでQBマーク・グロノウスキ(Mark Gronowski)のドローからのTDランが見事に決まって遂に土壇場でホームのアイオワ大がリードを奪います。

後のないオレゴン大でしたが、QBダンテ・モアー(Dante Moore)がここから脅威のカムバックドライブを展開。その中でも逆転への望みを繋いだのが彼からベンソンへのパス。マンカバーされているベンソンへモアーがここしかないというロケーションにパスを放り、これを振り向きざまにベンソンが捕球して24ヤードのゲイン。残り時間は30秒をすでに切っており、逆転へのFG圏内まで攻め込むためにこれ以上ないパスプレーが決まったのです。

そしてこのパスプレーを起点にサッピントンが39ヤードのFGを見事にゴールポストの間に貫きオレゴン大が再度リードをゲット。結局これが勝ち越し点となりオレゴン大が逆転勝利を達成してアップセットを逃れました。

インディアナ大にすでに敗れて1敗しているオレゴン大としては、アウェーで非常にやりにくい中で白星を手中に収めることができたのは、CFP選考委員会に向けて立派なアピール材料になりそうです。

#16 ヴァンダービルト大 45、アーバン大 38 (OT)

SECチーム同士の対戦は、先週監督が解雇されたばかりのアーバン大が全米16位のヴァンダービルト大を追い詰める接戦に。そしてこの試合にもとんでもないキャッチが数々飛び出しました。

ハイズマントロフィー候補にも数えられるヴァンダービルト大のQBディエゴ・パヴィア(Diego Pavia)はこの日377ヤードのパスに3TD、ランでも112ヤードに1TDと大暴れ。ただアーバン大のQBアシュトン・ダニエルズ(Ashton Daniels)も負けじと353ヤードのパスに2TD、さらにランでも2つのTDを奪うなどがっぷりよつの対決。試合の流れもお互いが点を取り合いリードを奪い合うシーソーゲームに。

そんな中魅せてくれたのがアーバン大WRキャム・コールマン(Cam Coleman)。まずは第3Q、アーバン大は20対17でリードし、さらに追加点を奪いたいところでしたが、ここでダニエルズからのパスをコールマンがジャンプ一番でキャッチするも相手ディフェンダーにサイドラインへ押し出されてインコンプリートとなった・・・かに見えました。しかし押し出される瞬間にコールマンが片足をフィールドに残しており、ビデオ判定の結果このキャッチが認められます。

さらに第4Q、今度は38対30で追う展開となっていたアーバン大、試合残り時間は6分を切りなんとしてもTDを奪って2ポイントコンバージョンで同点に追いつきたいというシーン。相手陣内23ヤードからダニエルズはエンドゾーン左奥へ走るコールマンへパスを放ちますが、そのパスがターゲットから外れるものの、これを凄まじい身体能力でコールマンがワンハンドキャッチ。その後の2ポイントトライも成功し、アーバン大は土壇場で同点に追いつきます。

結局試合は38対38のままオーバータイムへ突入。先攻のヴァンダービルト大はパヴィアの21ヤードのパスで一気に相手陣内4ヤードまで攻め込み、そしてパヴィアがまさかのジャンプパスを放ちこれをコール・スペンス(Cole Spence)がフリーでキャッチ。これが結局決勝点となり、この激戦をヴァンダービルト大が制したのでした。

この勝利で2敗を守ったヴァンダービルト大。前戦のテキサス大戦に敗れたためにランクを落とし、プレーオフ進出の可能性がガクッと落ちてしまいましたが、今回アーバン大戦でなんとか白星を手に入れたことでプレーオフ進出への道は未だ完全に閉ざされていません。

一方のアーバン大ですが、ヒュー・フリーズ(Hugh Freeze)監督が解雇されてしまい、その影響がこの試合にどう出るか注目が集まっていましたが、ランカーチーム相手に善戦。開幕以来先発を任されいてたQBジャクソン・アーノルド(Jackson Arnold)をベンチに下げて起用されたダニエルズがここまでのパフォーマンスを残せたことを考えれば、フリーズ監督がもっと早くにアーノルドではなくダニエルズで舵を切っていれば事態は変わっていたのかもしれない、と思わされた試合でした。

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