今季第5週目のカレッジフットボールではランカーチーム同士のマッチアップが4試合行われ、そのいずれもがアップセットだったという番狂せなウィークエンドとなりました。これを受けて新たに発表される全米ランキングでは順位の変動が必至となり、9月を終えた時点で大分開幕時のランキングの順位とかなり変わってきています。
そんな見どころたくさんだった第5週目に行われた試合の中から主な結果を簡単におさらいします。
目次
#6 オレゴン大 30、#3 ペンシルバニア州立大 24
2度のオーバータイムにもつれ込んだこの激戦は、猛追するペンシルバニア州立大(ペンステート)のQBドリュー・アラー(Drew Allar)のパスをオレゴン大DBディロン・シーネマン(Dillon Thieneman)が一攫千金のインターセプトして劇的な終焉を迎え、スタジアムを真っ白に染める「ホワイトアウト」で敵を迎え撃った10万人のペンステートファンを意気消沈させました。
試合は、期待されたトップ10対決とは裏腹に、極めてディフェンシブな展開で始まりました。前半から両チームのディフェンスが圧倒し、オレゴン大はペンステートのケイトロン・アレン(Kaytron Allen)とニコラス・シングルトン(Nicholas Singleton)の2人のRBを最初の2クォーターでわずか18ヤードのランに抑え込みます。
一方、ペンステートのディフェンスも粘りを見せ、オレゴン大にパント、4thダウントライ失敗、FG失敗を強いるなどし、前半はペンステートのKライアン・バーカー(Ryan Barker)の49ヤードFGと、オレゴン大Kアティカス・サピントン(Atticus Sappington)の42ヤードFGによる、3対3のタイスコアで折り返しました。
しかし後半に入ると、オレゴンが試合の主導権を握り始めます。第3Q、オレゴン大がレッドゾーンに侵入した際、ペンステートのDLチャズ・コールマン(Chaz Coleman)がオレゴン大RBノア・ウィティントン(Noah Whittington)の手からボールを叩き出したように見え、Sザキー・ウィートリー(Zakee Wheatley)がリカバーし、ペンステートに流れが傾くかに見えました。
しかし、レビューの結果、ファンブル前にウィティントンの膝が先に地面に触れていたとしてこの時点でデットプレーと判断され、ファンブルリカバーが取り消されてしまったのです。
This is how close Oregon was to not being down on the overturned fumble call 👀
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📺:NBC pic.twitter.com/62yfJoeORR
ペンステートのスタジアムクルーあともう少し芝を短く刈っていれば、ウィッティントンの膝がダウンしたと判断されず、ペンステートボールになっていたかもしれません(笑)。そしてこの重要なレビューの後、オレゴン大は敵陣8ヤード地点からQBダンテ・モアー(Dante Moore)から放たれたクイックパスをディエール・ヒル・Jr(Dierre Hill Jr)がキャッチしてそのままエンドゾーンへとすり抜け遂に均衡が破れます。
The birthday boy @HillDierre with the first touchdown of the night 🎉#GoDucks pic.twitter.com/bOKM0uAuCd
— Oregon Football (@oregonfootball) September 28, 2025
(ちなみにこの日はヒル・Jrの誕生日だったみたいです。末恐ろしい1年生です)
さらに第4Qに入るとオレゴン大の10プレー75ヤードのドライブが炸裂し、残り時間約12分というところでオレゴン大RBジョーダン・デイヴィソン(Jordan Davison)の8ヤードランTDが決まりスコアが17対3に。真っ白に染まったビーバースタジアムは敗色濃厚な雰囲気が漂います。
しかしようやくここからペンステートのオフェンスが目覚めます。第3Qまでわずか109ヤードしか獲得できていませんでしたが、QBアラーからWRデヴァンテ・ロス(Devonte Ross)への35ヤードのTDパスが見事に決まり、詰めかけたファンたちの歓声に火をつけます。
PENN STATE WITH THE HUGE RESPONSE pic.twitter.com/gx1pg0sTDE
— Mr Matthew CFB (@MrMatthew_CFB) September 28, 2025
さらにディフェンスの奮闘でオレゴン大をパントさせることに成功したペンステートは、アラーに同点への希望を託します。その期待に応えるようにアラーは15プレー62ヤードのドライブの末に試合時間残りわずか30秒でアラーからのトスを受けたロスが抜け出してエンドゾーンへ飛び込み、遂に土壇場で17対17の同点に追いつき、試合をオーバータイムへと持ち込んだのです。
devonte ross touchdown; psu tied vs oregon pic.twitter.com/tLVXbahegE
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第1回目のオーバータイムでは先行のペンステートがアレンの4ヤードTDランを決めますが、オレゴン大もすぐに反撃し、モアーからジャマリ・ジョンソン(Jamari Johnson)への2ヤードのタッチパスTDで24対24の同点とし2回目のオータータイムへ。
今度はオレゴン大の攻撃から始まりましたが、彼らは最初のプレーでモアーからゲイリー・ブライアント・ジュニア(Gary Bryant Jr)への電光石火の25ヤードTDパスを決め、30-24とリードを奪いました(2点コンバージョンは失敗)。
そしてペンステートが再びTDで追いつかなければならない状況で迎えた運命の場面。アラーが投じた最初のパスを、オレゴン大のシーネマンがインターセプトし試合終了。喜び走り回るオレゴン大選手たちと、あっけに取られたペンステートの選手、サイドライン、そして静まり帰った10万人の観衆たちが非常に印象的でした。
DILLON THIENEMAN CALLED GAME🦆pic.twitter.com/4YVCG6fRqx
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オレゴン大のQBモアーは、カレッジキャリアで初めてとなる完全アウェーな雰囲気の中でプレーしましたが、2回目のOTでのTDパスを含めいくつか重要な局面でクラッチスローを成功させ大器の片鱗を見せました。この日トータルで彼は39投中29回成功、248ヤード、3TDを記録。大きなミスもせずに試合をコントロールしていました。
一方ペンステートは第4Qで14点差を覆す粘り強さを見せたものの、アラーの試合終了時の痛恨のインターセプトにより、またもトップ10相手に勝てないという弱さを露呈。というのもジェームズ・フランクリン(James Franklin)監督指揮下でのAPトップ10チームに対する戦績は、この敗戦により4勝21敗となってしまったのです。
say what you will about James Franklin but there's probably never been a coach or player in any sport who's more definitely established *exactly* how good they are/aren't. the German precision engineering of going 10-2 in the most unsatisfying way imaginable. pic.twitter.com/SvPYTkylJb
— Matt Swartz (@MattSwartz723) September 28, 2025
敗戦後フィールドに立ちすくみ想いに耽っているフランクリン監督の姿が見られましたが、なんとも哀愁が漂っていて彼の胸中を考えるとなんとも居た堪れない気持ちになってしまいました・・・。
James Franklin after the game. pic.twitter.com/puCQTzQ0ew https://t.co/5WizgLiNKm
— Robert Raiola, CPA (@SportsTaxMan) September 28, 2025
アラー自身も最終的な成績は14/25成功、137ヤード、2TD、1INTとし、同点に追いつくことに貢献こそすれ、開幕時に抱かれていたような超カレッジ級のQBということを証明してくれるには正直残念なパフォーマンスしか残せましでした。
この勝利により、オレゴン大は現在進行形でのFBS(フットボールボウルサブディビジョン)で最長のレギュラーシーズン連勝記録を23に伸ばし、昨年から加入したばかりのBig Tenカンファレンスでのレギュラーシーズンでの成績を12勝0敗とし、カンファレンス連覇およびプレーオフ進出に向けて彼らの快進撃はまだまだ続きそうです。
#17 アラバマ大 24、#5 ジョージア大 21
オレゴン大対ペンステートの大一番に負けじと劣らず注目を浴びたのがこのSECチームのメガマッチ。過去10年足らずの間ですっかりライバル関係にまで発展したこの2チームの対戦はSECタイトルマッチであったりナショナルタイトルマッチだったりと両チームの意地とプライドをかけた戦いとなるのが常ですが、今回もそれに漏れず素晴らしい激戦となりました。
今年の対戦はジョージア大の本拠地・サンフォードスタジアムでの開催ということ、そしてジョージア大が5位でアラバマ大が17位という立ち位置からもジョージア大有利という声が多かったのですが、試合が始まってみると立ち上がりからアラバマ大が優勢に試合を進めていきます。
驚かされたのはアラバマ大のQBタイ・シンプソン(Ty Simpson)のキレキレのパフォーマンスでした。彼はこの大一番で冷静さと精密なパスプレーでチームを牽引。38回のパス中24回を成功させ、276ヤードを獲得し2つのTDパスに加え、1つのTDランも決めるなど大活躍。アウェーという非常にやりにくい環境にもかかわらず、シンプソンのパフォーマンスは際立っていました。
そんな感じで24対14とアラバマ大リードで前半を終えましたが、ジョージア大は後半で反撃の兆しを見せ、ジョシュ・マクレイ(Josh McCray)のランTDなどで、3点差まで詰め寄ります。ジョージア大のランゲーム自体は非常に強力で、アラバマ大ディフェンスにボディーブローを与え続け、結果合計227ヤードを積み上げ、1キャリーの平均ヤードが6.9ヤードと彼らの本領を発揮。特にチャウンシー・ボウエンズ(Chauncey Bowens)は119ヤード、1TDでランアタックをリードしました。
後半は完全にジョージア大の流れとなり、アラバマ大は後半スコアレスに終わりましたが、彼らの守備陣がそのジョージア大の猛攻に耐え、第4Qではジョージアを無得点に抑えリードを守り切って勝利。ここまでジョージア大が誇っていた、全米最長となるホームゲーム連勝記録を33連勝でストップさせたのでした。
前半立ち上がりから好調だったアラバマ大でしたが、目を見張ったのが3rdダウンコンバージョン率。彼らは合計で19回のサードダウン試行のうち13回を成功させましたが、立ち上がりからはなんと9回連続で3rdダウントライを成功させるという驚異的な勝負強さを発揮しました。これはジョージア大のカービー・スマート(Kriby Smart)監督が率いるジョージア大ディフェンスが許したサードダウン成功率の中で史上最多の数字となったのでした。
実際、試合後にスマート監督は、このサードダウン成功率の差が試合を決したと述べていました。アラバマ大の3rdダウンコンバージョン成功率とは対照的に、ジョージア大は8回中わずか2回しか成功できませんでした。この事実はボール所有時間にも如実に現れており、アラバマ大のポゼッション時間が約35分半だったのに対し、ジョージア大のそれは10分も短い約25分半だったのです。
また今年から攻撃コーディネーターを務めるライアン・グラブ(Ryan Grubb)氏のプレーコーリングも絶妙。ランがそこまで出なかったのは不安材料ではありますが、シンプソンの特徴を限界まで引き出すようなプレーコーリングを連発。また350パウンド強あるOTカイデン・プロクター(Kayden Proctor)にスクリーンパスを放り、その巨漢でジョージア大ディフェンスを蹴散らしゴールラインまで迫るというプレーには驚かされました
359-pounder Kadyn Proctor said GET OUT OF THE WAY #RollTide pic.twitter.com/Hryhw7HfKT
— Alabama Crimson Tide | AL.com (@aldotcomTide) September 28, 2025
そしてジョージア大にトドメを刺した試合終了間際の3rdダウンプレーでの、シンプソンが左にロールアウトすると見せかけて右に舵を切ったミスディレクションからのジャム・ミラー(Jam Miller)へのパスプレーはお見事でした。
ALABAMA ENDS GEORGIA’S 33 HOME GAME WINNING STREAK pic.twitter.com/IqQXBV9LSJ
— Mr Matthew CFB (@MrMatthew_CFB) September 28, 2025
とはいえ後半しっかりとアジャストして試合の流れを自分たちの方へ手繰り寄せたジョージア大には逆転のチャンスはいくつもありました。そんな中で最も注目されたのは、第4Qにおけるスマート監督の4thダウンでの決断でした。
ジョージア大が24-21で追う中、アラバマ大陣内8ヤードラインまで迫るも4thダウン1ヤードの状況を迎えますが、スマート監督ここでは同点に追いつくためのFGを選択せず、ギャンブルに打って出ます。しかし、アラバマ大のLT・オーバーソン(LT Overton)がジョージア大QBガナー・ストックトン(Gunner Stockton)からのハンドオフを受け取ったキャッシュ・ジョーンズ(Cash Jones)のランを2ヤードロスで阻止し、せっかくの得点のチャンスを不意にしてしまったのです。
ALABAMA COMES AWAY WITH A HUGE STOP!!! pic.twitter.com/eoJl1OyBW7
— Mr Matthew CFB (@MrMatthew_CFB) September 28, 2025
またその他にもジョージア大の逃したチャンスが多々あり、例えばネイト・フレイジャー(Nate Frazier)がレッドゾーンでファンブルし、結果的にアラバマ大のフィールドゴールにつながってしまったり、さらにテイリン・テイラー(Talyn Taylor)がワイドオープンな状態でのTDパスを落球したミスなど、これらのプレーだけでジョージアは少なくとも10点を失ったといえ、これらがなければ試合結果は変わっていたかもしれません。
この敗戦により、スマート監督のアラバマ大に対する通算成績は1勝7敗となり、アラバマ大が彼らにとって鬼門であることがあらためて明らかになってしまいました。スマート監督と火花を散らしあった前アラバマ大監督のニック・セイバン(Nick Saban)氏が引退した後も、アラバマ大はジョージア大にとって大きな壁であり続けていることが伺えます。
一方で、アラバマ大のケイレン・デボアー(Kalen DeBoer)監督にとって、この勝利はSECでの優勝レースでその地位を固める大きな一歩となりました。フロリダ州立大との開幕戦で敗れて以来彼らの評価は低下していましたが、その時のチームとは見違えたパフォーマンスを見せ、しかも敵地ジョージア大での厳しい環境で勝利できたのは大きな収穫です。
#13 ミシシッピ大 24、#4 ルイジアナ州立大 19
ミシシッピ大のQBで今季のシンデレラボーイの一角とされるトリニダード・チャンブリス(Trinidad Chambliss)が今季自身3度目となる300ヤード越えのパスを記録し、全米4位のルイジアナ州立大(LSU)を24対19で下す金星獲得の主軸となりました。
先制したのはLSU。QBギャレット・ナスマイアー(Garrett Nussmeier)からWRニック・アンダーソン(Nic Anderson)への7ヤードのパスTDで幸先のいいスタートを切ります。ミシシッピ大はFGを決めて第1Qを7対3のLSUリードで終えますが、第2Qに入るとミシシッピ大は緻密なドライブを展開しRBキーワン・レイシー(Kewan Lacy)の15ヤードのTDランとチャンブリスからWRケイデン・リー(Cayden Lee)へのショートのTDパスを前半終了前に決めてリードをミシシッピ大がに広げました。
CAYDEN. LEE. 🍯#HottyToddy pic.twitter.com/mKlsvxeA8U
— Ole Miss Football (@OleMissFB) September 27, 2025
第3QにはLSUディフェンスがインターセプトからの31ヤードリターンという起死回生のプレーを生み出しました。しかし、このプレーで絶好のフィールドポジションを得たもののTDには至らず結局FGに留まります。
LSUはさらにもう1本FGを決めて17対13とミシシッピ大に肉薄し、勝負はどちらに転ぶかわからないといった展開になります。そして第4Qにミシシッピ大がRBローガン・ディグス(Logan Diggs)によるランTDで追加点を奪いうと、LSUも怒涛の15プレーの80ヤードドライブを敢行しRBハーレム・ベリー(Harlem Berry)のTDランで応え(2ポイントトライは失敗)、24対19というう僅差のまま試合の大詰めを迎えます。
残された時間は5分あまり。LSUはなんとかディフェンスが踏ん張って逆転への攻撃権を手に入れたいところでしたが、ここで光ったのがQBチャンブリス。残り時間2分を切ったところで迎えた重要な4thダウン&3ヤードというシチュエーション、レーン・キフィン(Lane Kiffin)監督はギャンブルのコンバージョントライを遂行。そしてチャンブリスがワイドオープンのデイクアン・ライト (Dae’Quan Wright) にパスを通し1stダウンを確保。この際のキフィン監督の嬉しさを爆発させたリアクションは印象的でした。これでLSUに反撃のチャンスを与えることなく試合終了を迎え、ミシシッピ大が金星をゲットしたのでした。
DAE'QUAN WRIGHT.#HottyToddy pic.twitter.com/paM9AxTR9V
— Ole Miss Football (@OleMissFB) September 27, 2025
この試合でミシシッピ大はトータルオフェンスで約480ヤードを獲得。元々先発QBだったものの怪我で欠場したオースティン・シモンズ(Austin Simmons)の代わりに直近3試合で先発出場しているのがチャンブリスですが、彼はディビジョン2部のフェリス州立大からの転校生。ディビジョン2部のMVPを獲得した後にミシシッピ大へ転校していましたが、現在まで目覚ましいパフォーマンスを見せ続けています。LSU戦ではパス314ヤードに1TD、ランでも71ヤードを記録。これでチャンブリスはSEC史上30年ぶりに3試合連続でパス300ヤード以上かつラッシング50ヤード以上を達成した選手となりました。
一方LSUはミシシッピ大の守備に抑え込まれ、トータルオフェンスはわずか254ヤードに留まりました。特にランゲームが不振で、22回のキャリーでわずか57ヤード(平均2.6ヤード)しか稼げませんでした。またギャレット・ナスマイアーは、34回中21回成功で197ヤード、1TD、1INTと冴えず。さらにターンオーバーやレッドゾーンに入ったにもかかわらずFGに甘んじるなど、TDを奪い切れなかったのが響きました。
その他の主な試合結果
バージニア大 46、#8 フロリダ州立大 38(2OT)
バージニア大はホームに全米8位のフロリダ州立大(FSU)を迎えますが、当初の予想を大幅に覆す奮闘を見せ、46-38という衝撃的なダブルオーバータイム(2OT)でのアップセット勝利を収めました。
バージニア大は序盤からは最高のスタートを切り、第1QでFSUが犯した2つのターンオーバー(インターセプトとファンブル)を見事に得点に結びつけ、早い段階で14-0とリードを奪います。しかし、無敗で乗り込んできたFSUもバージニア大のインターセプト2つに助けられ、FSUは一気に21-14と逆転に成功。バージニア大もハーフタイム直前に同点に追いつき、激戦の様相を呈しました。
後半も点の取り合いが続き、バージニア大は第4Q残り8分5秒でQBチャンドラー・モリス(Chandler Morris)のタッチダウンパスにより35-28と再びリードを奪います。が、土壇場となった試合残り時間30秒で4thダウンという絶体絶命の状況で、FSUのQBトミー・カステラノス(Tommy Castellanos)からランディ・ピットマン・Jr(Randy Pittman Jr.)への11ヤードの起死回生のTDが決まり、スコアを35-35の同点として試合はオーバータイム(OT)へと突入しました。
What a boss. @RandyPittman04 comes up in the CLUTCH ON 4TH DOWN#NoleFamily | #KeepCLIMBing pic.twitter.com/C2OhzAXHIS
— FSU Football (@FSUFootball) September 27, 2025
最初のOTでは両チームともフィールドゴールに終わり、38-38のまま2回目のOTへ。先に攻撃権を得たバージニア大はQBモリスが4ヤードのラッシングTDを決め、さらに必要な2点コンバージョンも成功させ、46-38とリードを広げました。モリスはこれがこの試合で3つ目のラッシングTDでした。
TDを成功させさらに2ポイントコンバージョンも成功させないと後がないという状況に追い込まれたFSUでしたが、4thダウンという絶体絶命のシーンでエンドゾーンへ投げ込まれたカステラノスのパスを、UVAのコーナーバック、ジェイソン・プレバード(Ja`son Orevard)が見事インターセプト。プレバードはこの日2つ目のインターセプトで、劇的な勝利に終止符を打ったのでした。
勝利が決まると同時に、5万人以上が集まり今季最大の観衆となったバージニア大のスコットスタジアムの観客はフィールドになだれ込みましたが、試合終了からストーミングまでのタイムではおそらく新記録なのではないかというくらいの速さでファンがフィールドに詰め掛けたのでした。
VIRGINIA HAS DONE IT!
— SportsCenter (@SportsCenter) September 27, 2025
For just the second time this season, a top-10 team has fallen to an unranked opponent 😮 pic.twitter.com/JQJ275xSaG
ちなみにフィールドストーミングは基本的に禁止されており、今回ファンのこの行為を許したことでバージニア大は5万ドルの罰金を支払うことになりそうですが、このシーンこそがカレッジフットボールの醍醐味と言えますよね。ただ心配だったのはエンドゾーンに取り残されたFSUの選手でしたが、のちに彼の無事を確認できています(笑)。
この勝利は、バージニアにとって2005年に同じくFSUを破って以来となる、ホームでトップ10チームに勝利した快挙。元クレムソン大OCでバージニア大の監督を務めて4年目となるトニー・エリオット(Tony Elliott)監督にとって最大級のシグニチャーウィンとなったのでした。
#23 イリノイ大 34、#21 サザンカリフォルニア大 32
全米23位のイリノイ大と同21位のサザンカリフォルニア大(USC)という、聞き慣れない(笑)Big Tenカンファレンス戦となったこの試合、終始シーソーゲームとなった試合の幕切れは試合終了までわからないという劇的な展開となりました。
この試合の最大の立役者は、イリノイ大のQBルーク・アルトマイアー(Luke Altmyer)でした。彼は、パス、ラン、そしてレシーブの全てでTDを記録するという離れ業をやってのけました。これはイリノイ大のQBとしては1999年以来の快挙です。
まずは第1Q、イリノイ大ディフェンスがUSCのファンブルをリカバーして好機を得るとアルトマイアーのQBキープでランTDを獲得。さらに第2Q、WRハンク・ビーティ(Hank Beatty)から3ヤードのTDをキャッチするという、かの有名な「フィリースペシャル」のダブルリバースのトリックプレーが飛び出します。これはアルトマイヤーにとってキャリア初のレシーブTDです。
The Philly Special‼️
— Big Ten Network (@BigTenNetwork) September 27, 2025
QB Luke Altmyer catches the TD on this sweet @IlliniFootball trick play 👀
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そして彼はパスで328ヤード、2TDを記録し、合計で359ヤード、4TDに絡む鬼神の如し活躍を見せチームを牽引します。さらにOL陣もアルトマイヤーをしっかりとガードし、チームとしてはランで171ヤードを出すなど、前週のインディアナ大戦での大敗(63対10)が嘘のようでした。
試合の方はイリノイ大が第3Qにケイデン・フィーギン(Kaden Feagin)の64ヤードのキャッチ&ランTDで24対10とリードを広げたものの、USCは第4Qに猛烈な追い上げを見せます。QBジェイデン・マイアバ(Jayden Maiava)はトータルで364ヤード、2TD(どちらもマカイ・レモンへ)を投げ、試合残り2分を切ったところで32対31と、この日初めてリードを奪うことに成功しました。
USCにリードを奪われ負う立場となったイリノイ大でしたが、アルトマイヤーはプレッシャーのかかる状況下で見事な冷静さを見せ、ランとパスをバランス良く織り交ぜた8プレー、51ヤードのドライブを指揮。そして、試合終了と同時にKデヴィッド・オラノ(David Olano)の41ヤードのFGが決まり、イリノイ大がこの激戦を制したのでした。
イリノイ大は前述の通り先週末インディアナ大に壊滅的な敗北を喫しており、そこからどう立ち直してくるかに注目が集まっていましたが、USCというビッグネームに臆することなく劇的な勝利を収めたことは、今後襲いかかるタフな試合に向けて大きな自信を与えてくれるでしょう。
一方USCは合計8回のペナルティで69ヤードの罰退を喰らったり(その中にはせっかくのタッチダウンプレーを無効にする痛恨のペナルティも含まれる)、お粗末なタイムマネージメント、そして攻め込むも得点を取り切れない決定力のなさが今回の惜敗に繋がったと言えます。
そして今回の敗戦により、USCは昨年からBig Tenカンファレンスに所属して以来、彼らが所在するカリフォルニア州のタイムゾーンである「パシフィックタイムゾーン(太平洋時間)」の外側でのアウェーゲームで4敗目ということになり、太平洋側から大西洋側まで地理的に異常なまでに広いBig Tenカンファレンスにおいてアウェーで苦戦していることが如実に現れてしまっています。
#1 オハイオ州立大 24、ワシントン大 6
全米1位のオハイオ州立大がワシントン大へ乗り込んだ、彼らにとっては今季初となるアウェーゲームは24対6でオハイオ州立大が快勝。これでワシントン大が誇っていたホームでの22連勝記録を見事にストップさせた、オハイオ州立大が敵地で圧倒的な強さを見せつけました。
今回の試合で主役となったのは、間違いなくオハイオ州立大のディフェンス陣です。彼らはここまで全米で2番目の得点力を誇っていたワシントン大のオフェンスを、わずか6点に抑え込みました。トータルヤードも234ヤードしか許さず、ワシントン大が何度もレッドゾーンに侵入したにもかかわらずTDを許さず、得点をFG2本のみに封じ込めました。
特にワシントンが苦しんだのが3rdダウン。彼らは11回あった3rdダウントライでわずか1回しかコンバートできませんでした。ディフェンスラインは終始ワシントン大QBデモンド・ウィリアムス・Jr(Demond Williams Jr)にプレッシャーをかけ続け、トータルで6サックを記録。中でもDLケイデン・カリー(Caden Curry)はキャリアハイとなる3サック、5タックル・フォー・ロス(TFL)を叩き出すなど大活躍。さらに、ディフェンスは試合序盤に2度のターンオーバーを奪い、味方オフェンスに好機をもたらすなど勝利への流れを引き寄せました。
#9 テキサスA&M大 16、アーバン大 10
全米9位のテキサスA&M大は、ホームのカイルフィールドにアーバン大を迎えましたが、これを見事に16対10で打ちまかし、今シーズン初のSEC戦を白星で飾ることに成功。この勝利により、テキサスA&M大は2016年シーズン以来となる最高のスタートである4勝0敗に記録を伸ばしました。
試合を制したのはテキサスA&M大の鉄壁のディフェンスでした。彼らはアーバン大オフェンスをわずか177ヤードのトータルオフェンスに抑え込みましたが、特に目覚ましかったのは、3rdダウンディフェンス。アーバン大の13回あった3rdダウンコンバージョンをなんと完全に防ぎきり、成功率が0パーセントという偉業を成し遂げました。さらに守備陣は5回のサックと6回のロスタックルを記録しており、終始アーバン大のオフェンスにプレッシャーを与え続けました。
オフェンスではランゲームが勝利の鍵となり、RBレヴェオン・モス(Le`Veon Moss)がキャリアハイとなる139ラッシングヤードを記録し、テキサスA&M大にとって唯一のTDを叩き出しました。また、WR KC・コンセプシオン(K.C. Concepcion)は、7回のキャッチで113ヤードを獲得し得点こそなかったもののチームのオフェンスに大きく貢献しました。
#11 インディアナ大 20、アイオワ大 15
全米11位のインディアナ大とアイオワ大のBig Tenチーム同士の一戦は、緊迫した接戦の末20対10でアウェーのインディアナ大が競り勝つという劇的な結末を迎えました
試合は終始両チームがモメンタムとスコアを取り合う一進一退の攻防に。インディアナ大のオフェンスは、試合序盤からチグハグな攻めに甘んじていたものの、ここぞという最も重要な局面で力を発揮。一方アイオワ大の守備陣は、インディアナ大のハイパワーオフェンスを上手く抑え込むなどし、ロースコアの展開に持ち込むことに成功はしていました。しかし、第4Qにアイオワ大は先発QBマーク・グロノウスキー(Mark Gronowski)が負傷退場。これで流れが変わります。
13対13の対スコアで迎えた第4Q残り時間2分というところで、アイオワ大はリードを奪う絶好のチャンスを得ましたが、42ヤードのフィールドゴールを失敗。これが逆にインディアン大への勝ち越しチャンスを与えることになってしまいます。インディアナ大QBフェルナンド・メンドーサ(Fernando Mendoza)は、試合残りわずか1分28秒という土壇場の場面で、WRイライジャ・サラット(Elijah Sarratt)へ向けて、劇的な49ヤードのTDパスを成功させたのです。
A STUNNER. Indiana's two minute offense comes up BIG. 😳 pic.twitter.com/4TKFdyfMcv
— NBC Sports (@NBCSports) September 27, 2025
インディアナ大は、接戦の中でいくつかのミスを犯しながらも、土壇場でここ一番のパフォーマンスを見せ、アウェーで貴重な白星を掴み取りました。
#15 テネシー大 41、ミシシッピ州立大 34(OT)
テネシー大が3勝1敗、ミシシッピ州立大が4勝無敗で迎えたこの一戦、ミシシッピ州立大のホームゲームであるにも関わらず、熱心で熱狂的なテネシー大ファンがスタジアムを埋め尽くすという異様な光景に包まれながらも、ミシシッピ州立大が予想外の奮闘を見せ、試合は非常に拮抗した展開となりました。それを象徴するかのように、この試合ではお互いがリードを7度も奪い合い、そのことがその激しさを物語っています。それに伴い試合のモメンタムも出入りが激しく、また5つのターンオーバーを含む、時にルーズなプレーも見られましたが、最後まで勝敗の行方が分からない試合となりました。
テネシー大のオフェンスは、序盤にランゲームを局所で上手く繰り出すことに成功したことでパスが成功しやすい状況を作り出します。そしてQBジョーイ・アギュラー(Joey Aguilar)は、オフェンスの要となり、335ヤードのパスを投げTDも1つ記録。特にレギュレーション終了間際、スコアを同点とする6ヤードのTDランを決める起死回生のプレーを決めて試合をOTに持ち込みます。
OTでは先攻のテネシー大が1プレー目でRBデショーン・ビショップ(DeSean Bishop)の25ヤードのTDランが炸裂し先手を打ちます。そして、勝敗を分けたのはテネシー大学の守備でした。後攻となったミシシッピ州立大の攻撃に対して、テネシー大のディフェンスは自陣5ヤードライン内で実に相手の攻撃を4連続ストップ。このディフェンシブスタンドでミシシッピ州立大の追撃を阻止し、なんとか勝利を手に入れたのでした。
この苦闘の末の勝利により、テネシー大は通算成績を4勝1敗とし、SECでの成績を1勝1敗に伸ばしました。一方、ミシシッピ州立大はこれで今季初黒星。しかしジェフ・レヴィー(Jeff Lebby)監督2年目となるミシシッピ州立大にとって、テネシー大という強豪相手にここまでやれたことは今後彼らにとって大きな自信となることでしょう。
(更新終わり)






