2022年のCFP(カレッジフットボールプレーオフ)2戦目は1位のジョージア大と4位のオハイオ州立大という、強豪チーム同士の非常に見応えのありそうな試合になりそうですよね!
📌 場所:ジョージア州アトランタ市
⏰ 日時:12月31日米東部時間午後8時(日本時間1月1日午前10時)
ここまでの歩み
ジョージア大
昨年度の全米王者であるジョージア大からは多くのタレント、特にディフェンス陣から逸材がNFLへ流出。そのため今季は戦力が落ちて再建の年になるかと思われました。
しかしながら昨年ほどとはいかないまでも今季のディフェンスも天下一品。昨年の勢いを殺すことなくここまで昨年度から数えると25勝1敗という驚異的な数字を残しています。
開幕後は4戦目のミズーリ大との試合で4点差という僅差の試合はありましたが、それ以外は相手を圧倒する展開で連勝街道まっしぐら。9戦目に対戦した当時1位のテネシー大との試合でもジョージア大はスコア(27対13)以上の力の差を見せつけて白星を獲得し首位の座を奪い返し、結局そのまま1位を守り続けています。
彼らのオフェンスはランを基調にしたフィジカルオフェンス。強力なOLをバックボーンにランが効果的に出ることでQBステソン・ベネット(Stetson Bennett)のパスが活きるという、クラシックながら確実にヤードを稼げるオフェンスをモットーにしています。
ベネットはハイズマントロフィーのファイナリストに選ばれはしましたが、今季活躍するQB界隈で見比べると必ずしも個人の才能で超カレッジ級という選手ではありませんが、ジョージア大のこのスキームの中で彼のいいところがもれなく開花したということで、ジョージア大のシステムにハマっているQBといえそうです。
またジョージア大はTEを重用するパスオフェンスを敷いています。というのも彼らにはオールアメリカンのブロック・ボワーズ(Brock Bowers)が健在で今年も去年に続き彼がチームのナンバーワンレシーバーとなっています。また今年はジェットスウィープなどのランプレーにも活用されるなど明らかにボワーズはジョージア大になくてはならない戦力となりました。
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オハイオ州立大
オハイオ州立大は開幕時から常に上位10以内をキープしてきた安定感のあるチームでした。特に昨年ハイズマントロフィーファイナリストに選ばれたQB C.J.ストラウド(C.J. Stroud)という素晴らしいパサーに加え、WRジャクソン・スミス・エンジグバ(Jaxon Smith-Njigba)、マーヴィン・ハリソン・Jr(Marvin Harrison Jr)、エメカ・イブカ(Emeka Egbuka)といった超有能レシーバーが揃い踏み。さらにはトレヴィヨン・ヘンダーソン(TreVeyon Henderson)やマイヤン・ウィリアムス(Miyan Williams)というラシャーもおり、オハイオ州立大のスキルポジションは全米屈指のものと言われていました。
そして開幕後はノートルダム大、ペンシルバニア州立大といったハイランカーたちを倒して無敗街道を突き進みましたが、11月に入るとストラウドの数字が伸びずノースウエスタン大戦(悪天候とはいえ)やメリーランド大では相手を突き放すまでにかなりの時間を擁しました。
そんな中で迎えたミシガン大との「The Game」と呼ばれるライバリーゲーム。オハイオ州立大が2位、ミシガン大が3位でともに無敗というマッチアップがレギュラーシーズン最終戦で行われましたが、オハイオ州立大のホームで行われたにもかかわらず後半ミシガン大のスコアリングを許して45対23と惨敗。プレーオフ進出も危うい状況に陥りましたが、Pac-12カンファレンスのサザンカリフォルニア大がカンファレンス優勝決定戦でユタ大に敗れたためオハイオ州立大が最後の椅子に滑り込むことが出来たのです。
オハイオ州立大の鍵は上記のストラウドが握っていると思われますが、スミス・エンジグバは今季ほぼ全編において怪我によって出場できず、またヘンダーソンも終盤に怪我を負い手負いの布陣となってしまいました。それによりストラウドとハリソンへの期待がさらに高まりますが、パスでアタックしなければならないとはいえある程度のランも出ないときついのは確か。
注目ポイント
ジョージア大はランファーストのフィジカルオフェンスを肝とするオフェンスを持っていますが、これはミシガン大に非常に似たスタイルのオフェンスです。そしてオハイオ州立大はそのミシガン大と対戦し過去2年間で2敗中。このスタイルのフェオンスを苦手とするならばオハイオ州立代にとってジョージア大を攻略するのは簡単なことではありません。しかもおそらくジョージア大のそれはミシガン大のそれよりもさらに上位種と言えるかもしれないからです。
しかも今回の試合会場はジョージア州アトランタ市にあるメルセデスベンツスタジアム。ここはジョージア大のキャンパスから車で1時間半もしないところにあり、多くのジョージア大ファンがスタジアムに詰めかけることが予想されており、オハイオ州立大にとってはこの試合はかなりのアウェーゲーム感を感じることになりそうです。
オハイオ州立大としてはこのジョージア大のディフェンスからスコアを奪うのであれば、弱点とは言えないものの比較的チャンスがありそうなパスアタックに訴えかけていくのはいかがかとお思います。昨年のSECタイトルゲームでのアラバマ大ならびにCFP優勝決定戦でのアラバマ大、さらには今年のSECタイトルゲームでのルイジアナ州立大戦で彼らはジョージア大相手にパスアタックである程度の傷跡を残せています。
そしてそのオフェンスを担うストラウドは全米でもトップレベルのパサーであり、彼がうまいことボールを散らすことが出来ればジョージア大のディフェンスにひびを入れることができるかもしれません。
ジョージア大は攻守ともにトップレベルであることは言うまでもありませんので、自分たちがこれまでやってきたことを確実にこなすことが一番の近道なのかなと思います。ディフェンスにはDLジェイレン・カーター(Jalen Carter)やCBキーリー・リンゴ(Kelee Ringo)といったトップ選手が健在。展開的にはオハイオ州立大がジョージア大守備陣をどう切り崩すか、もしくは切り崩せるのかに最大の焦点が当たりそうです。