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第13週目の見どころ【2020年度シーズン】

第13週目の見どころ【2020年度シーズン】

アメリカでは今週の木曜日がサンクスギビング(感謝祭)の祭日で金曜日がブラックフライデーとなっておりホリデー色の強い週末となります。この週末を12月はもう目前。一気に全てがクリスマス仕様に变化していきます。

通常のカレッジフットボールならばこの週末は「ライバリーウィークエンド」と銘打たれ、各地で多くの宿敵対決が行われるのが通例です。しかし今年は言うまでもなく新型コロナウイルスのパンデミックのためスケジュールが超変則となっており、恒例のライバリーゲームが別の次期に既に行われていたり、またはキャンセルになってしまっていたりと大変寂しいことになってしまっています。

今週注目したいゲーム「The Game of the Week」にはPac-12カンファレンスの無敗同士のマッチアップ、コロラド大vsサザンカリフォルニア大を選びましたが、そのプレビュー記事を書いてしまっていたのにもかかわらず、サザンカリフォルニア大部内で新型コロナ感染者が出てしまったためこの試合がキャンセルに。なにもこんな狙い撃ちにしなくても・・・😭

ただそんな中でも開催されることになっているライバリーゲームでは面白そうなマッチアップも当然ありますし、またその他にもチャンピオンシップレースにおいて重要な試合も散りばめられています。そんな第13週目の主な見どころをご紹介します。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

The Game of The Week

コロラド大 @ サザンカリフォルニア大(18位)

アーバン大(22位)@ アラバマ大(1位)

アイロンボウル(Iron Bowl)」の愛称を持つこのマッチアップはカレッジフットボール界でも随一のライバリーゲーム。アラバマ州にはプロフットボールチームがないため、州民はこの2チームのファンに真っ二つに別れ毎年この対決を楽しみに過ごしています。

今年で85回目を迎えるこの試合、ここまでアラバマ大が46勝37敗1分けとリードしていますが、毎年白熱した試合が展開されてきました。昨年はアラバマ大が勝てば西地区を制してSECチャンピオンシップに出場しCFP進出への可能性が残されていましたが、アーバン大がこれを阻止してアラバマ大の6年連続CFP出場を食い止めたのです。どんなシーズンであってもこの試合だけはどちらも底力を見せるため何がおこっても不思議ではありません。

ただ今季のアラバマ大のオフェンスは全米レベルでも桁違い。ここまで7試合をこなした彼らはミズーリ大戦で38点、テキサスA&M大戦で52点、ミシシッピ大戦で63点、ジョージア大戦で41点、テネシー大山で48点、ミシシッピ州立大戦で41点、ケンタッキー大戦で63点ととんでもない破壊力を持っています。それを支えるのはQBマック・ジョーンズ(Mac Jones)、RBナジー・ハリス(Najee Harris)、WRデヴォンテ・スミス(DeVonta Smith)の面々。またディフェンス陣も試合をこなす中で徐々に調子を上げており、最近3試合の失点数はトータル20点で平均約8失点と万全。CFPランキングでも初回で1位を獲得し他の追随を許しません。

一方のアーバン大はここまで5勝2敗で全米22位。ジョージア大とサウスカロライナ大に敗れたもののここまで3連勝と波に乗っています。ただRBタンク・ビグスビー(Tank Bigsby)が怪我のため欠場が微妙なだけでなくブロダリウス・ハム(Brodarious Hamm)とアレック・ジャクソン(Alec Jackson)の両サイドタックルも怪我で欠場とあり万全な体制とは言えません。

それはガス・マルザーン(Gus Malzahn)監督も認めるところではありますが、アラバマ大はニック・セイバン(Nick Saban)監督が今週新型コロナに感染してしまったためこの試合で指揮を執ることができなくなってしまいました。彼の不在がひょっとしたらアーバン大にはプラスに働くかもしれません。

とはいえラスベガスのオッズメーカーはアーバン大を24ポイントのアンダードッグと定めておりアラバマ大の有利は変わりません。ただライバリーゲームは何が起こるかわからないのが世の定め。果たして85回目の対戦を制するのはどちらでしょうか?


トップ25

ノートルダム大(2位)@ ノースカロライナ大(19位)

ノートルダム大は今年最大の試練となるクレムソン大との決戦を2週間前に乗り越えここまで8勝0敗と無敗を守っています。CFPランキングでも2位につけ2年ぶりのCFP出場に向けて上々の調子をキープしています。しかし今週末のノースカロライナ大戦はクレムソン大戦と負けず劣らず油断大敵なマッチアップです。

数字の上では全米でもトップクラスのノースカロライナ大は怪我で戦線を離れていたWRビュー・コラレス(Beau Corrales)、Cブライアン・アンダーソン(Brian Anderson)、CBストーム・ダック(Storm Duck)らが帰ってきます。攻撃陣はQBサム・ハウウェル(Sam Howell)とRBデュオのジャヴォンテ・ウィリアムス(Javonte Williams)とマイケル・カーター(Michael Carter)といった武器が揃っており、ノートルダム大ディフェンスにとっては新たなる強敵となります。

油断をすれば何が起こるかわからない注目の一戦は今週金曜日開催です。

ルイジアナ州立大 @ テキサスA&M大(5位)

初回CFPランキングで5位と好位置につけたテキサスA&M大はCFPレースに絡むチームではありますが、自力で上位4位に食い込むのは厳しいのが現実。既にアラバマ大に敗れていることが痛手ですがフロリダ大に勝利している点が彼らにとっては有利な面。まずは残りの試合を全て白星で飾ることが絶対条件であり、今週のルイジアナ州立大戦も当然そういった試合の内の一つになります。

彼らはアラバマ大にコテンパンにされた後しっかりとチームを立て直しここまで4連勝中。ただ気がかりなのはテネシー大戦とミシシッピ大が新型コロナの影響で延期になってしまったため最後に試合を行ったのが11月7日と実戦から3週間も空いてしまったこと。ここまで絶好調だった勢いがしぼんでしまっていないか心配です。

一方のルイジアナ州立大は前年度覇者ながらここまで3勝3敗と苦しい展開。戦力ダウンは明らかであり、先週のアーカンソー戦でも辛勝とディフェンディングチャンピオンとしては予想外のシーズンが続きます。先発QBだったマイルズ・ブレナン(Myles Brennan)は肩の怪我で欠場が続き遂に今シーズンこのまま休場させることが発表されました。その代役となるT.J.フィンリー(T.J. Finley)はまだ若干1年生でありここまで先発した3試合で4TDに3INTとルーキーの脆さを露呈。ただアーカンソー大戦では271ヤードに2TD(0INT)と幾分慣れた感じも見せており、テキサスA&M大からアップセットを奪うには彼がシーズン最高のパフォーマンスを見せる必要がありそうです。

アイオワ州立大(13位)@ テキサス大(17位)

現在Big 12カンファレンスで単独首位に立つのがアイオワ州立大。2位のオクラホマ大には直接対決で勝っているため、同じく2敗で2位タイのテキサス大にも勝てばBig 12カンファレンス優勝決定戦出場をほぼ手中に収めることになります。

アイオワ州立大はベテランQBブロック・パーディ(Brock Purdy)に加えここまで1169ヤードに15TDを記録しているRBブリース・ホール(Breece Hall)を擁し破壊力抜群。選手はカンザス州立大相手に45対0と完封勝利を成し遂げました。

テキサス大はテキサスクリスチャン大にまさかの敗戦を喰らいオクラホマ大にも敗れたためしばらく話題に上がってくることはありませんでしたがここまで3連勝でランキングを22位にまで上げてきました。オクラホマ大に敗れているためテキサス大が優勝決定戦に進むためにはこの試合に勝ちさらにどこかでオクラホマ大が3敗目を喫する必要がありかなり他力本願な面が必要になってきます。

攻撃陣に波のあるテキサス大ですが、アイオワ州立大は得点力のあるチームですから彼らと点取合戦を演じるためにはテキサス大オフェンスが今週最高のパフォーマンスを見せる必要があります。経験力抜群のQBサム・エリンガー(Sam Ehlinger)に注目です。

オレゴン大(15位)@ オレゴン州立大

昨年まで「シヴィルウォー(Civil War)」と呼ばれていたこのライバリーは「Black Lives Matter」運動の影響を受けて両校がこの名称を使うことを止めることに同意。よって124回目となる今年はポスト「シヴィルウォー」時代最初のライバリーゲームとして行われることになります

その対戦では過去12回の対戦でオレゴン大が11勝と圧倒的強さを見せつけています。先週発表されたCFPランキングでは15位のオレゴン大がCFP出場への僅かな希望を叶えるためには残りの試合をただ勝つだけでなく、圧倒的な強さを持って相手を蹴散らすくらいの姿をCFP選考委員会に見せつける必要があります。そういった面では先週UCLA戦を僅差で切り抜けたことは少々気がかりです。

一方のオレゴン州立大は先週カリフォルニア大に勝利してようやう今季初白星を飾りましたが、確実に言えることは昨年のオレゴン州立大よりもかなり力が付いているということ。2敗した試合でも十分相手に食らいつく力を持っていましたから、今季3年目となるジョナサン・スミス(Jonathan Smith)体制が形になりつつあることを予感させます。 

その他

ペンシルバニア州立大 @ ミシガン大

0勝5敗のペンシルバニア州立大と2勝3敗のミシガン大の対決は名門ながら双方合わせて2勝8敗というなんとも寂しい2チームの対決。ただミシガン大は先週ラトガース大に勝ち士気はおそらく上がっていることでしょうが、一方のペンシルバニア州立大は先の見えない連敗街道をひた走っており今シーズンに対するモチベーションの低下が懸念されるところ。既に5連敗はスクールワースト記録ですが、これを塗り替える6連敗目となる可能性は高そう。

ミシガン大は先発QBにケイド・マクナマラ(Cade McNamara)を起用する模様。彼は先週途中出場ながら260ヤードに4TDという数字を残してチームの逆転勝利に大きく貢献。ミシガン大はまだ勝ち越しでシーズンを終える可能性を秘めており、マクナマラが起爆剤となっていい流れを作ることが出来るでしょうか。

スタンフォード大 @ カリフォルニア大

Big Game」という愛称で知られるこの試合、今年のマッチアップはなんと史上初となる両チームが無敗同士で対峙するという事態になりました。通常ならば試合数が格段に多いためにこの時期に両チームが勝ち星なしということが起きることはないでしょうからこれも2020年度シーズンならではの現象というわけです。

果たして今季初勝利をゲットするのはどちらのチームでしょうか?

ミシシッピ州立大 @ ミシシッピ大

今季からレーン・キフィン(Lane Kiffin)監督がミシシッピ大に、マイク・リーチ(Mike Leach)監督がミシシッピ州立大の監督を務めることが分かってからこの試合が楽しみで仕方がありませんでした。どちらもオフェンスの鬼才として知られる超攻撃系のチームを旨としており、今年の「エッグボウル(このライバリーの愛称)」はファンたちを楽しませてくれる・・・はず。

ヴァンダービルト大 @ ミズーリ大

ヴァンダービルト大はキッカーが新型コロナの影響で隔離を余儀なくされたことで人手不足に陥り、その補填案としてなんと女子サッカー部のGKであるサラ・フラーさんを今週練習に参加させていました。そしてデレク・メイソン(Derek Mason)監督はこのミズーリ大戦でもフラーさんの起用は場合によってはあり得ると話しています。これまでにも数人の女性キッカーがカレッジフットボールの世界でデビューしましたが、もしフラーさんがミズーリ大に登場することがあればそれは「パワー5」カンファレンスでは初の快挙となります。

2020年度はパンデミックで窮屈な思いばかりしてきましたが、ヴァンダービルト大は未だ未勝利で失うものは何もありませんから、ぜひここはフラーさんが出場を果たし今シーズンに明るい話題を提供してほしいものです。

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