2007年から2010年までオクラホマ大でプレーし、卒業後は主にダラスカウボーイズやテネシータイタンズでプレーしたRBデマルコ・マレー(DeMarco Murray)氏がケヴィン・サムリン(Kevin Sumlin)監督率いるアリゾナ大のRBコーチに就任したことが明らかになりました。
大学デビュー戦となった2007年度の開幕戦ノーステキサス大との試合で5TDを奪うという華々しいカレッジキャリアをスタートさせたマレー氏はこの年1年生として15つのTDを獲得。これは同大学出身のスターRBエイドリアン・ピーターソン(Adrian Peterson、現ワシントンレッドスキンズ)が2004年に樹立したレコードに並びました。
オクラホマ大時代のマレー氏
その後もオクラホマ大のメインバックとして活躍し続け、4年間で759キャリー、3685ヤード、50TDを記録。マレー氏は現在でも以下の4つのオクラホマ大スクールレコードを保持しています。
- トータルTD数(65)
- オールパーパスヤード(6718ヤード)
- RBとしてのレシーブヤード(1571ヤード)
- キックオフリターン平均ヤード(27.6)
そんなオクラホマ大を代表するRBとなったマレー氏は2011年のNFLドラフトにて第3巡目にダラスカウボーイズから指名を受けプロ入りを果たしました。プロ生活は7年でしたが、最大のシーズンは2014年。手を骨折するも試合を欠場することなくプレーし続け、結果1845ランヤードを記録し、同チームのレジェンドでもあるエミット・スミス(Emmitt Smith)氏が持っていたシーズンランヤードレコードを塗り替えました。この年はフランチャイズレコードとなる12度の100ヤード超えを果たし、NFLの最優秀選手にも選ばれたほどです。
2015年にはフィラデルフィアイーグルスに移籍。ここで大学時代のチームメートだったQBサム・ブラッドフォード(Sam Bradford)と再びタッグを組む事になります。しかしこの時のイーグルスは元オレゴン大のチップ・ケリー(Chip Kelly、現UCLA)監督が指揮をとっており、カレッジで成功したケリー監督のプロでの成績の伸び悩みが際立っていた頃でした。結局ケリー監督はシーズン終了を待たずに解雇され、マレー氏の起用法に疑問が残ったままこのシーズンは幕を閉じました。
翌シーズンの2016年にはフィラデルフィアからテネシータイタンズにトレードされたマレー氏。タイタンズでは16試合全てに先発として出場し、1287ヤードと1000ヤード超えを達成。翌年はハイズマントロフィー受賞RBデリック・ヘンリー(Derrick Henry、元アラバマ大)とプレー時間を分け合い659ヤードを記録。そしてこのシーズンを後に現役を引退していました。
そんな名RBとして経験豊富なマレー氏がその全てを還元すべくカレッジにコーチとして戻ってきます。今回加入することになったアリゾナ大のサムリン監督はマレー氏が1年生だった2007年にオクラホマ大のオフェンシブコーディネーター(共同)だったこともあり、それが今回の組閣に繋がったのかもしれません。
サムリン監督の初年度となった昨年度、アリゾナ大は5勝7敗と沈みました。チームには同年度1434ヤードを稼いだ2年生RB J.J.テイラー(J.J. Taylor)が健在。全米レベルでみるとアリゾナ大は35位のランアタックを誇っていますので、マレー氏の指導の下でテイラーが全米トップクラスの選手に育てば、来季以降のアリゾナ大は面白くなるかもしれません。