インディペンデンスボウル
テンプル大 vs デューク大
テンプル大は長であるジェフ・コリンズ(Geoff Collins)監督がジョージア工科大の次期監督(ポール・ジョンソン監督が引退するため)に就任するためにチームを去り、彼の代わりにエド・フォリー(Ed Foley)氏が臨時監督としてこのインディペンデンスボウルを乗り切ります。
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しかし監督が交代するだけでなくテンプル大は先発QBアンソニー・ルッソ(Anthony Russo)が怪我のためこのボウルゲームに出場できるかどうかは微妙な状況。さらにRBリクエル・アームステッド(Ryquell Armstead)も足に怪我を負っており、この試合までに間に合うかどうかわかっていないようです。コーチ陣の異動、そして主力選手の怪我の具合がこの試合に臨むテンプル大に立ちはだかる大きな壁となりそうです。
デューク大は今シーズンノースウエスタン大戦とベイラー大戦を含む開幕後4連勝を飾り期待は高まるばかりでしたが、その後は8試合中3試合しか勝ち星を拾えませんでした。そんな中NFLスカウトの目を引いたのはQBダニエル・ジョーンズ(Daniel Jones)。今季2251パスヤードに17TD、7INTを記録したジョーンズ、そしてRBディオン・ジャクソン(Deon Jackson)がデューク大オフェンスを引っ張ります。
テンプル大、デュークともバランスの取れたチームですが、一方でとりだてて何か光る絶対的な強さを持っているチームでもありません。おそらく試合の行方はテンプル大のルッソとアームステッドが試合に出場できるかどうかにかかっているのではないでしょうか。
ピンストライプボウル
マイアミ大 vs ウィスコンシン大
なんと今年のピンストライプボウルのマッチアップは昨年のオレンジボウルと同じ顔合わせという奇遇。残念ながら今年の両チームはシーズン前の期待に応えるような結果を残せませんでしたので、今年のマッチアップは昨年のものほどエキサイティングではありませんが、それでも大御所同士の戦いは目を引くには十分です。
今年のプレシーズンランキングではウィスコンシン大は4位、マイアミ大は8位と両チームともプレーオフを目指せるチームだという前評判でしたが、どちらも7勝5敗と惨敗。しかしオフシーズンに入る前に少しでもいい流れでシーズンを終えたい彼らは是非このピンストライプボウルに勝っておきたいところ。
マイアミ大の今季の不調はQBプレーが不安定だったからに他ありません。マリク・ロズィアー(Malik Rosier)とヌコシ・ペリー(N’Kosi Perry)を取っ替え引っ替え起用したマーク・リクト(Mark Richt)監督ですが、どちらも正QBの座を完全に射止めるには不十分でした。それでもペリーがこのピンストライプボウルで先発出場すると言われていましたが、なんと直前になって彼が不適切な動画をソーシャルメディアに投稿していたことが発覚して出場停止処分になるかもしれないという自体に陥っています。そうなればロズィアーが出場することになるでしょうが、チームの風紀の問題としてあまり喜ばしいニュースではありません。
一方のウィスコンシン大も過去3年間先発を張ってきたQBアレックス・ホーニブルック(Alex Hornibrook)がシーズン中に患った脳震とう(Concussion)の影響でこの試合に出場できないことが既に発表されています。昨年のオレンジボウルでマイアミ大相手に4つのTDを奪ってMVPに輝いたホーニブルックが出場できないのは大きな痛手です。が、それを補えるだけの武器をウィスコンシン大は擁しています。全米のリーディングラッシャーであるジョナサン・テイラー(Jonathan Taylor)です。今季2000ヤード近くを足で稼ぎ、最優秀RBに贈られるドーク・ウォーカー賞を獲得したテイラーが健在なのは大きな強みです。
ピンストライプボウルの会場はMLBニューヨークヤンキーズの本拠地、ヤンキースタジアム。ニューヨークのブロンクスはこの時期非常に冷え込みますから、常夏マイアミ出身のマイアミ大にとってこのボウルゲーム出場はシーズン後のご褒美とは程遠いです。極寒のウィスコンシン州出身のウィスコンシン大に利がありそうです。
テキサスボウル
ベイラー大 vs ヴァンダービルト大
開幕後4勝2敗といいスタートを切ったベイラー大の強みはエアーアタックでしたが、後半に入りそのオフェンスが失速。前半1試合平均得点26点だったのが後半戦は17点にまで落ち、それが後半2勝4敗という数字に現れています。今シーズンを勝ち越しで終わるためにもベイラー大はなんとかこのテキサスボウルで勝ちたいところ。
一方のヴァンダービルト大もシーズン後半にかけて最終4試合中3試合をものにして何とか6勝を挙げてボウルゲーム出場資格をギリギリゲットしたチーム。滑り込みでボウルゲーム出場を決めたわけですが、その3勝(アーカンソー大、ミシシッピ大、テネシー大)はどれも善戦して勝ち取った白星ばかり。特に最終戦の同州内ライバル・テネシー大戦ではQBカイル・シューマー(Kyle Shurmur)が367ヤードに3TD、35投中31投を成功させてQBレーティングで脅威の204.9ポイントを記録する大活躍を見せました。
ヴァンダービルト大がこの流れをテキサスボウルでぶつけることができればベイラー大にとっては大きな脅威になります。というのもベイラー大はビッグプレーをここまで数多く許してきた手薄のディフェンス陣を擁しているからです。
6勝6敗同士の対決、勝てば勝ち越し、負ければ負け越しということで、この試合の結果次第でオフシーズンへの心持ちが大分変わってきます。果たしてどちらが意地を見せられるか・・・。