先春、全国のスプリングトレーニングのあれこれを紹介した記事を挙げましたが、その中でシラキュース大のQBで精巣ガンと闘病しているレックス・カルペッパー(Rex Culpepper)のお話を掲載しました。そして今回かるペッパーがガンを完治したという非常に嬉しいニュースが飛び込んできました。
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精巣ガンが発見されカルペッパーが治療に専念するためにチームを離れたのが2017年度シーズン直後。事が事だけに周囲はカルペッパーに自分の体だけを心配すればいいと声をかけたことでしょう。しかし当の本人はガンを倒して再びフットボールフィールドに戻ってくることだけを目標にして来る日も来る日も化学療法を受け続けてきました。
そして100時間以上の治療の末に今月始めに主治医からがん細胞を完治したという大変嬉しいニュースを聞かされたのです。その時の気持ちがどうだったかを聞かれたカルペッパーは以下のように答えました。
「退院する時これまで自分を世話してくれた看護婦の皆さんに見送られ、これまで私が費やしてきた時間のことが蘇ってきた時、言葉にならない感情で溢れました。敢えてそれを表現するならば、(昨年)クレムソン大を倒した時ぐらいの嬉しさです。」
昨年バックアップQBを務めていたカルペッパーはチームの一員として当時全米4位でディフェンディングチャンピオンのクレムソン大を27対24で倒すという大金星を挙げました。もちろんこの勝利は当時の全米の度肝を抜きましたが、自身のガン完治をフットボールの試合になぞるとは、彼は生粋のフットボーラーです。
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2018年度シーズンに2年生(レッドシャツ)としてシーズンを迎えるカルペッパーは3つ星QBとして現HCディノ・バーバース(Dino Babers)監督の初めてのリクルートとしてシラキュース大に入学。これまでバックアップとして518パスヤードに2TDを記録してきました。昨年のボストンカレッジ戦では先発出場も果たし、試合は42対14で破れたものの、カルペッパー自身は280パスヤードに2TDという数字を残しました。
主治医からガンの完治のお墨付きをもらったカルペッパーはすでにチームの夏季トレーニングに合流しています。おそらくエリック・ダンジー(Eric Dungey)のバックアップを再び務めることになるでしょうが、兎にも角にも病魔に勝って再びフィールドに立てることが彼にとっては最高の達成感を感じることができる瞬間でしょう。もっとも自身の病気をクレムソン大戦になぞった彼ならば、それだけでは満足できずに先発の座を虎視眈々と狙うことになるのでしょうが。