ボウルゲーム直前にフロリダ州立大を飛び出てテキサスA&M大の新監督に就任したジンボ・フィッシャー(Jimbo Fisher)監督。キャンパスに到着後からフィッシャー監督はチームの立て直しに大忙しですが、そのプランの一つに新コーチ陣の組閣も当然含まれます。今の所前監督のケヴィン・サムリン(Kevin Sumlin)氏時代のスタッフからは唯一OLコーチのジム・ターナー(Jim Turner)氏が残留となりましたが、TEコーチのティム・ブルースター(Tim Brewster)氏、WRコーチのダミエン・クレッグ(Dameyune Craig)氏、RBコーチのジェイ・グラハム(Jay Graham)氏らをフロリダ州立大から呼び寄せ、オフェンシブコーディネーターにはメンフィス大のダレル・ディッキー(Darrell Dickey)氏を起用。オフェンス側のコーチはどうやら頭数が揃ったようです。
そして肝心のディフェンシブコーディネーターですが、フィッシャー監督はルイジアナ州立大のデイヴ・アランダ(Dave Aranda)氏に白羽の矢を立て、コーディネーターとしては破格の200万ドル(約2億円以上)をオファーしたとのこと。
しかしアランダ氏を失いたくないルイジアナ州立大のエド・オルジェロン(Ed Orgeron)監督ら大学側はアランダ氏に4年契約で年収250万ドル(約3億円)というテキサスA&M大を上回るオファーを提示。そしてアランダ氏はフィッシャー監督の誘いを断ってルイジアナ州立大に留まる決意をしたということです。
ルイジアナ州立大で2シーズン目を終えたアランダ氏ですが、この250万ドルという年収はアシスタントコーチとしては史上最高額を更新。ちなみにこれ以前のアシスタントとしての最高額は2016年度末に同じくアランダ氏がルイジアナ州立大と結んだ年収180万ドルでしたので、自らの記録を今回抜いたことになります。当然アランダ氏が200万ドルの大台を超えた初めてのアシスタントコーチでもあります。
それにしてもコーディネーターとはいえアシスタントコーチが200万ドルも稼ぐようになったとは時代は変わりました。ほんの10年前にはヘッドコーチがそれぐらい稼ぐようになったばかりだったのですから。そのヘッドコーチでもFBSチームで20人以上が400万ドル以上の報酬を受け取っているわけですからアシスタントコーチの年収も上がるのはわかります。しかし、一方でFBSチーム総数の約半分のヘッドコーチが200万ドルも貰っておらず、その中にはピッツバーグ大、カリフォルニア大、ミシシッピ大、オクラホマ大などの大御所も含まれていることを考えれば、やはりアランダ氏の年収額が桁外れであることは一目瞭然です。
アランダ氏の初年度となった2016年度のルイジアナ州立大のスコアリングディフェンスは全米6位でしたが(平均16.4失点)、昨年度は16位(平均18.8失点)と少々後退しました。また昨年度のランディフェンスは24位(128.5被ヤード)、パスディフェンスは21位(187.6被ヤード)ということで上位レベルではありますが、果たしてアランダ氏のディフェンスが200万ドルの価値があるのかどうか、来シーズン注目したいところです。
ちなみにフロリダ州立大のフィッシャー監督はノートルダム大のDCを務めていたマイク・エルコ(Mike Elko)を新DCとして招聘したそうです。奇妙なことにアランダ氏とエルコ氏は先日行われたシトラスボウルでフィールドを挟んで対峙していたのです。面白い巡り合わせですね。