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マイアミ大とリクト監督:運命の出会い

マイアミ大とリクト監督:運命の出会い

昨シーズン後ジョージア大から「解雇」されてしまったマーク・リクト監督。解雇された当時はかなりショッキングなニュースとして取り上げられていました。ジョージア大の顔として長きに渡りチームを率いたリクト監督でしたので、今後一体どうするんだろうと思っていたものでした。

【関連記事】ジョージア大のリクト監督が解雇へ

母校の監督に就任

そんなとき降って湧いたのがマイアミ大の話。元々マイアミ大出身のリクト監督にとってはまさに天の声だった事でしょう。もしマイアミ大のポジションが空いていなかったならば、ひょっとしたらリクト監督は今頃ソファーに横たわってテレビでもみているか、もしくはゴルフでも楽しんでいたのかもしれません。マイアミ大とリクト監督はまさに運命の糸で繋がっていると言えるのです。

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マイアミ大監督就任会見でのリクト監督

ジョージア大で15年間指揮してきたリクト監督ですが、解雇された直後は1年間休業しようと思っていたそうです。しかしその気持ちを揺るがしたのが母校のマイアミ大でした。リクト監督の心を動かし得る唯一のチームがマイアミ大であり、ジョージア大がリクト監督を解雇した同じタイミングでマイアミ大のヘッドコーチに空きが出たということはまさに運命の出会いと言わざるを得ないです。マイアミ大以外のチームであったならばきっと今年はゆっくりと休もうと思っていたに違いありません。

「私はただ勝利に飢えている多くの若者たちの助けになりたいのです。」とはリクト監督。


現役時代はマイアミ大でプレー

1979年から1982年までQB(主にバックアップとして)としてマイアミ大に在籍していたリクト監督。ヘッドコーチとしては通算145勝51敗と素晴らしい数字を引っさげて母校に凱旋します。マイアミ大は1980年代後半から2000年代初旬にかけて最強の王国を築いていました。それを知るファンたちにしてみれば現在のマイアミ大の状況には到底満足できていないでしょう。そんな状態を打破するにはマイアミ大のことをよく知る人物で、確かな腕の持ち主に司令官を任すしかなかったわけです。そんな中リクト監督が「フリー」となったのはマイアミ大に取っても運命を感じずにはいられなかったのではないでしょうか。

栄華を誇っていた当時のマイアミ大は相当強かったものの荒くれ者の問題児ばかりでフィールド外で事件を起こすこともしばしばでした。その積み重ねでNCAAからの制裁を受け徐々に力を失っていったとう事実があります。どのチームでも問題を起こす輩はいるものですが、リクト監督が率いたジョージア大は往々にして規律が整っていたチームでしたので、フィールド内外で賢く振る舞うことができればこれまでとは全く違うマイアミ大が誕生するかもしれません。

リクト監督はマイアミ大への期待が大変大きなものだということを知っています。もちろんそれは彼が卒業生だからということもありますが、ジョージア大で培った「ファン」や「卒業生」たちとのつながりの大事さを知っているからです。

地元とのつながり

この夏、リクト監督は地元のユースフットボールチームの練習場に赴き、子供達に学校で一生懸命勉強すること、良い行いを毎日すること、そしてフットボールをプレーすることの大事さを説いて回りました。その場に居合わせた元マイアミ大選手で1983年と1987年のナショナルタイトルチームに在籍していたトルバート・ベイン氏はその時のことをこう話しています。

「もしあなたがユースフットボールの選手で、ある時突然マイアミ大のヘッドコーチが練習場に現れたら・・・と想像してみてください。きっとそのことをずっと覚えているでしょう。リクト監督は非常に独創性に富んでいて、まさに天才です。」

プレシーズンキャンプがマイアミ大でも始まりますが、シーズンに向け忙しくなってもリクト監督は元選手たちやファンたちとの絆を深めようとする努力を惜しみません。前述のようにシーズン中でも地元のユースフットボールチームを訪問することを続けると言っています。こうすることによってマイアミ大のファン層を広げ地域の一体感を再構築しようとしているわけです。ひょっとしたらおまけに将来のリクルートも引っ張ってこれるかもしれません。

リクト監督は子供達が正しいことをし続ける意識を持つことの大事さを強調しています。

「物事に集中するとか、人を敬うとか、勉強を頑張るとか、そう言った単純なことが大事なのです。そう言ったことを多くの子供達に伝えられたら、と思っています。シーズンが始まっても毎週木曜日にはこうやってユースチームを訪問して彼らと触れ合いたいと思っています。そしてこのような子供達の中には未来のスターたちが隠れているでしょうから、そう言った子供達をマイアミ大のファンにしたいという願望もあります。彼らに『マイアミ大に来れば自分たちの夢が叶えられるよ』と教えたいのです。」

「今の高校生たちはマイアミ大が強かった頃を知りません。だからリクト監督はただ彼らと触れ合うだけでなく、離れていったファン層を取り返そうとしているのです。」とは前出のベイン氏。

小さな種も水をあげ続ければ大きな木に成長するということですね。

卒業生とのつながり

またベイン氏の元ルームメートで現在NFLグリーンベイパッカーズの上役であるアロンゾ・ハイスミス氏は、リクト氏がマイアミ大の卒業生で就職先に苦しんでいる本選手たちに仕事先を斡旋するプログラムを立ち上げようとしていることを紹介し、リクト氏を称賛しています。

同じようなプログラムをジョージア大でも運営していたリクト氏ならではのアイデアですが、「Uネットワーク」と命名されたこのプログラムはハイスミス氏曰く「就職難で悩まされている人たちは何かをめぐんで欲しいと思っているわけではなく、ただチャンスが欲しいだけなのです。現役選手でいた時期には皆フットボール部のために汗水流して全てを捧げましたが、フットボール部以外のところでネットワークを広げる手だてがなかったのです。このプログラムはそう言った人たちにチャンスを与えようという趣旨で始まったのです。」

こういった過去の選手とも分け隔てなく繋がろうという姿勢こそ、新しいマイアミ大の可能性を示しています。

「Uネットワークは大学卒業後やプロ引退後に関わらず全てのマイアミ大卒業生に就職する手助けをするためにたちあげられたプログラムです。実際にプログラムを運営してくれているのは私の妻ですが、雇用主とのつながりを主に重要視しています。またこのプログラムを通して元選手同士が再び繋がるという役目も果たしています。もちろん彼らも行動しなければいけなくなりますが、時として彼らに必要なのはほんの少しの手助けと導き、ネットワーク、そしてコネクションだったりするわけです。」とリクト氏はこのネットワークについて話しています。

このように少しずつ変わり始めているマイアミ大。シーズンはまだ始まっていませんし、試合で結果を出さなければ意味がないわけですが、今の所マイアミ大とリクト監督の関係性は上々のようです。カレッジフットボールファンとしてもマイアミ大が強くないのは寂しい限りですので、ぜひリクト監督の下強いマイアミ大復活を願うばかりです。

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