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故意か偶然かそれとも戯言か?

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これまで王国を築いてきたサウスイースタンカンファレス(SEC)が劣勢を強いられる中、2016年度のナショナルチャンピオン(クレムソン大)を輩出したアトランティックコーストカンファレンス(ACC)はフロリダ州立大マイアミ大バージニア工科大ルイビル大を加えた5チームが昨年度のファイナルランキングでトップ25入りを果たしました。この勢いを2017年度シーズンにも繰り越したいところですが、今月1月に彼らの来シーズンのカンファレンススケジュールが発表されました。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

そんな中、このスケジュールを良しとしない監督がいます。それがジョージア工科大ポール・ジョンソン(Paul Johnson)監督です。

「ACCはどんな手を使ってでも我々ジョージア工科大を貶めたいのだ!」とジョンソン監督は怒っています。

何をこんなにも怒っているかというと、2017年度のジョージア工科大のACCの対戦相手のうち3チームがジョージア工科大戦の前の週が「バイウィーク」つまり試合のない休みの週となっているスケジュールに怒っているのです。

「我々のスケジュールは毎年こんな風に組まれているのです。これはカンファレンスが意図的にやっているとしか思えない。違うというのであれば説明してほしいものだ。」とジョンソン監督はご立腹です。

2017年度の対戦相手のうち、クレムソン大、ウェイクフォレスト大、マイアミ大はジョージア工科大戦の前週に試合がありません(マイアミ大戦に限って言えばジョージア工科大もこの試合の前週がバイウィークですが)。

昨シーズンジョージア工科大は上記の条件下でデューク大、マイアミ大、ノースカロライナ大と対戦。その結果デューク大には勝つも他の2チームには敗れてしまいました。ちなみにジョージア工科大はデューク大戦の前週はバイウィークでした。ですからバイウィークはチームにとって有利であると自らが証明した訳です。

もちろん試合がない週は選手は休めますし、次の対戦相手となるジョージア工科大を攻略する時間が倍に増えるわけで、そんな試合が3試合もあるのはジョージア工科大にとって不利だとジョンソン監督は訴えているわけです。

さらに遡るとジョージア工科大には2013年から2017年までこのようなケース(対戦相手がバイウィーク明け)が10試合もあるのです。ただこれはフロリダ州立大と並びカンファレンスで最多です。つまり被害者はジョージア工科大だけではないということですが・・・。

2015年にはバージニア工科大とウェイクフォレスト大の対戦相手3チームがバイウィーク明けでしたし、2014年のフロリダ州立大に至っては4試合がこのようなケースでした。

ジョンソン監督の不満は泣き言にも聞こえますが、一方で確かに他にも不公平な部分はあるにはあります。例えば来季のスケジュールではボストンカレッジ、クレムソン大、ルイビル大、シラキュース大、バージニア工科大、ウェイクフォレスト大のACC6チームはジョージア工科大のようにACCの対戦相手がバイウィーク明けというケースが皆無です。一方で前述の通りジョージア工科大にはそういった試合が3つもあります。

そんな中でも特に突出しているのはジョージア工科大とノースカロライナ大とのマッチアップです。

1998年から2013年の間ジョージア工科大はノースカロライナ大に14勝2敗という圧倒的レコードを誇っています。2012年の対戦ではACCゲームの最多総得点ゲームとなる68対50という試合をジョージア工科大が制しました。このようにジョージア工科大はノースカロライナ大を手玉に取っていた時期があったのですが、過去3年間は3連敗中です。

そしてこのノースカロライナ大戦ですが、実は過去9年のうち実に5試合においてノースカロライナ大はこの試合の前がお休みの週をいただいているのです。この数字は突出しているといっても過言ではありません。ちなみにこの5試合での成績は3勝2敗とジョージア工科大がかろうじてリードしています。

ジョンソン監督がこのようなスケジュールに納得いかないのにはおそらく別にも理由があります。

ジョージア工科大のオフェンスは古き良きトリプルオプションを用いていますが、このオフェンスを未だに使っているのはACCでは彼らのみ。トリプルオプションは大変複雑なオフェンスであるため、トリプルオプションを使う対戦相手がジョージア工科大のみという他のチームにしてみれば彼らと対戦する前週がバイウィークであるのは大変な得と考えられます。なぜならこの複雑なオフェンスをいつもよりも長い時間かけて分析し対策を練ることができるからです。

一方でジョージア工科大にしてみればトリプルオプションは通常の倍以上のランプレーを要求されるため、選手たちにかかる負担は絶大です。ですから毎週このオフェンスを使って体を酷使している(もちろん他のチームが酷使していないというわけではありませんが)ジョージア工科大が休み明けで身体的にリフレッシュし、オプション対策も万全なチームと3試合もこなさなければならないのは彼らにとっては不利とも考えられます。

ジョンソン監督の不満はさらに来季のデューク大のスケジュールにも至ります。デューク大はジョージア工科大戦の前週に陸軍士官学校との試合が組まれていますが、陸軍士官学校はジョージア工科大と並びトリプルオプションを用いる数少ないチーム(5チームしかありません)の一つ。つまり、デューク大が自分たちとの試合の前に交流戦(非カンファレンス戦)でトリプルオプションチーム対戦できるのは、デューク大にとってはジョージア工科大との試合に備える上で非常に有利であるといっているのです。ここまでくるとさすがに泣き言にしか聞こえませんが・・・。

等のACC側はもちろん意図的にこのようなスケジールを組んでいるなんて言うわけもありませんし、実際そんなことが行われているとも思えません。ただ、確かに他のチームに比べてジョージア工科大がこのようなスケジュールを組まされている頻度は高いです。偶然か否か・・・。どちらにしてもジョンソン監督がどんなに文句を言ってもスケジュールがこれから変わることはないですから、我慢して受け入れるしかないのですが。

ただ興味があるのは2018年度のスケジュールです。ジョンソン監督が不満をこういった風にぶちまけた以上、例えば来季ジョージア工科大の対戦相手にバイウィーク明けのチームがゼロであったならば、「俺が言ったからテコ入れしたんだ!」とジョンソン監督は鼻息を荒くするでしょうし、同じような流れが来年も続けば「やっぱりわざとだ!」となるでしょうし。どうなることでしょう?

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