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テネシー大でこだまするため息

テネシー大でこだまするため息

テネシー大は開幕時にトップ10入りするなど今季への期待は近年稀に見る大きなものでしたが、終わってみれば8勝4敗と数字的には悪くないものの、SEC東地区も勝ち抜けず、俗にいう「ニューイヤーボウル」出場も逃し、挙げ句の果てには同じテネシー州のライバル・ヴァンダービルト大に最終戦で敗れるという嫌な終わり方をしました。ライバルといっても同じ州に属しているからという理由だけのライバル関係で、これまで力の差は圧倒的テネシー大有利とされてきましたが、そんなヴァンダービルト大に敗れたというだけで、今シーズンのテネシー大の出来は誰も満足できるものではないとされるのです。テネシー大はボウルゲーム出場資格を得られるのに十分な勝ち星を得ましたが、ミュージックシティーボウルネブラスカ大と対戦ということで良くもなく悪くもない試合に出場することになりました。

かつてテネシー大はフィリップ・フルマー(Phillip Fulmer)元監督が率いていた1992年から2008年まで常に全米トップレベルに君臨していました。フルマー氏率いるチームはこの間全米優勝1回(1998年)、カンファレンスタイトル2回(1997年、1998年)、カンファレンス地区優勝6回(1997年、1998年、2001年、2003年、2004年、2007年)と上を狙えるチームを世に送り出していました。

しかしフルマー氏が解雇されてから大学側はフルマー氏ほどの監督を探し出すことができずにいます。類い稀なリクルーターとして知られる現ヘッドコーチ、ブッチ・ジョーンズ(Butch Jones)氏が起用された時は彼に大きな期待がかかりましたが、未だ満足できるような成績を残せていません。今年4シーズン目を終え通算29勝21敗。唯一成し遂げたことといえば2014年度シーズンに2007年以来となるボウルゲーム出場を決めたことぐらいです。

今シーズン最終戦を迎えるにあたり、SECでは西地区はアラバマ大、東地区はフロリダ大がタイトルゲームに出場することが決まっていました。下馬評ではアラバマ大が断然有利とされ、フロリダ大が負けてテネシー大がヴァンダービルト大に勝てばテネシー大がシュガーボウルに出場できる可能性が出てきたわけです(実際アラバマ大がフロリダ大に大勝)。しかし前述の通り格下のヴァンダービルト大にまさかの敗戦を喫し、シュガーボウルへの出場権はアーバン大に奪われてしまいました。目の前に転がっていた大きなチャンスを自ら逃してしまったわけです。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

今年はフロリダ大に直接対決で勝ち、同じ東地区にあるジョージア大も苦戦を強いられていたため、テネシー大にしてみればシーズン終盤のサウスカロライナ大ミズーリ大ケンタッキー大ヴァンダービルト大というチームに勝ちさえすれば東地区を制することができたのですが、サウスカロライナ大とヴァンダービルト大という勝てるはずの相手に足元をすくわれました。強いチームはこのような試合を確実にモノにするものですが、テネシー大はそれが出来なかった。テネシー大関係者、ファンたちはこんなフラストレーションをここ数年ずっと感じ続けています。

過去の栄光を知る人々は一刻も早くその当時の再現を望むものです。ただ大学側は感情的に大金をはたいて雇った監督を簡単に解雇することはできませんが、一方でファンの日増しに高まるジョーンズ監督解雇を望む声は否応なく彼らの耳に届いているはずです。大学は先日新たに大学総長を任命し、彼次第で体育局長のデイブ・ハート氏はいつでもクビを切られる可能性が出てきました。そうなるとジョーンズ監督は最大の援助者を失うことになり、いよいよ彼の監督の座も危うくなってきそうです。

また今シーズン途中でRBジャレン・ハード(Jalen Hurd)とWRプレストン・ウィリアムス(Preston Williams)が自主退部し、今年でQBジョシュア・ドブス(Joshua Dobbs)、DBキャメロン・サットン(Cameron Sutton)、LBジャレン・リーヴス・メイビン(Jalen Reeves-Maybin)、DLデレック・バーネット(Derek Barnett)が卒業し、さらにおそらくRBアルヴィン・カマラ(Alvin Kamara)もNFLへ早期ドラフト入りを表明するとみられ、戦力低下は免れそうにありません。それだけに今年のチャンスを生かせなかったのは大きな痛手となりそうです。

4年前シンシナティ大から抜擢されたジョーンズ監督は新進の無名コーチでした。しかし得意のリクルーティングで有能選手たちをかき集めることに成功。そのお陰でチームへの期待度は跳ね上がりましたが、肝心の大舞台で結果を出せず、いよいよキャンパス周辺ではジョーンズ監督が本当にチームをあの栄光の時代に連れ戻してくれるのか疑問が沸き起こっているわけです。もし今年でなければ来年大きな結果を残せなければその時はジョーンズ監督の椅子がオフィスに用意されているかどうか定かではありません。

参考記事

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