毎年レギュラーシーズンの最終節は各地でライバル校同士の対決が行われるため、「ライバリーウィークエンド」なんて呼ばれ方をします。どんなに良いシーズンを送っていようがこのライバリーゲームに負ければその喜びは半減してしまいますし、逆にどんなに悪いシーズンを送っていてもライバルチームに勝てればそれでよし、なんて言われ方もするくらいです。
ライバリーゲームの中には全米を代表する著名なマッチアップもあれば、そうでもないマッチアップもあったりと様々ですが、それぞれの試合でお互いに絶対に負けたくないと火花を散らす宿敵対決にはドラマがつきもの。さらに各カンファレンスの優勝決定戦やカレッジフットボールプレーオフ(CFP)出場を賭けた最後の戦いも兼ねている試合もあり、そういったゲームの盛り上がり度や注目度は格別です。
今回はそんな白熱したライバリーウィークエンドを振り返ります。
目次
#1 オハイオ州立大 27、#15 ミシガン大 27
カレッジフットボール界で最も知られているライバリーで「The Game」と呼ばれるオハイオ州立大(全米1位)とミシガン大(全米15位)の激突はアウェーのオハイオ州立大が27対9で宿敵ミシガン大を下し、対戦カード連敗記録を4で止めることに成功。これでレギュラーシーズン無敗(12勝0敗)を達成し、同じく無敗のインディアナ大(全米2位)とのBig Tenカンファレンス優勝決定戦への出場権を確保しました。
この試合を決定づけたのは、オハイオ州立大によるスクリメージラインでの圧倒的な強さ。彼らは40分1秒という驚異的なポゼッション時間を誇り、ミシガン大のそれを大きく上回るだけでなく、結果的にミシガン大より31回も多くプレーを敢行。また強固と言われたミシガン大のディフェンスからランだけで186ヤードを記録し、このライバル対決で24試合連続で続いている「ランで勝ったチームが勝利する」というジンクスを現実のものとしました
またハイズマントロフィー候補と言われる1年生(レッドシャツ)QBジュリアン・セイイン(Julian Sayin)の冷静なパフォーマンスも目を惹きました。ファーストドライブでこそパスINTを許したものの、その後は落ち着きを取り戻し、233ヤード、3TDを投げ切り、特に3rdダウンや4thダウンといった重要な局面でクラッチプレーを連発。
対照的に、ミシガン大の1年生(トゥルー)QBブライス・アンダーウッド(Bryce Underwood)はディフェンスの読みが甘く、チェックダウンへのパスに終始しわずか63ヤードのパスに抑えられ、またそんな彼をうまく導くことができなかったプレーコーリングにも厳しい批判が浴びせられました。序盤の2度の絶好機でTDではなくFGに終わったこと、そして3rdダウン成功率が10回中たったの1回成功と低迷したことが、ディフェンスを疲弊させる要因となり点差を縮めるどころか離される一方の展開に。
そしてこの試合の決定的なドライブはオハイオ州立大の第4Qの11分56秒を費やし81ヤードを進んだ20プレーのドライブ。すでに内容的にはオハイオ州立大が圧倒していましたが、この決死のドライブがミシガン大の戦意を完全に打ち砕き、オハイオ州立大に2019年以来の対ミシガン大戦勝利を呼び込んだのでした。
#2 インディアナ大 56、 パデュー大 3
全米2位のインディアナ大は州内ライバル・パデュー大との記念すべき100回目となる「オールド・オーケン・バケット」を賭けたライバリーゲームで56対3と圧勝。これでインディアナ大は自身初となるレギュラーシーズン無敗で終了するとともに、同じく史上初となるBig Tenカンファレンス優勝決定戦への出場権を獲得したのでした。
この日のインディアナ大の勝利を支えたのは圧倒的なランニングゲーム。チーム合計355ヤードを足で稼ぎ、44ヤードしか走れなかったパデュー大を大幅に上回りました。特にRBローマン・ハンビー(Roman Hemby)はキャリアロングとなる82ヤードのTDランを含む152ヤードを記録し、またケイロン・ブラック(Kaelon Black)も2つのランTDを計上。そしてハイズマントロフィーの有力候補とされるQBフェルナンド・メンドーサ(Fernando Mendoza)も、2つのTDパスと1つのTDランを決めるなど大暴れ。
また守備では、スティーブン・デイリー(Stephen Daley)が4.5タックル・フォー・ロスを記録すれば、アマリ・フェレル(Amare Ferrell)が試合序盤にパスINTを奪うなど、相手をFGによるたったの3点に抑え込む鉄壁の守備を見せました。
因みに、インディアナ大がパデュー大を53点差で破ったこの勝利は、このライバリーにおいてパデュー大のホームスタジアムであるロス・エイド・スタジアムにおけるインディアナ大学の史上最大のマージンとなったのでした。
#16 テキサス大 27、 #3 テキサスA&M大 6
テキサス州の盟主を決めるライバリー「ローン・スター・ライバリー」はかつて両校が所属していたBig 12カンファレンスからテキサスA&M大が2011年にSEC(サウスイースタンカンファレンス)へと離脱したことで開催が休止に追い込まれていました。しかし昨年テキサス大がSECに加入したことでこのライバリーが復活。そして今年はテキサスA&M大がここまで無敗で全米3位、その鼻先を追ってやろうと息巻いているテキサス大が16位と言う非常に注目の集まった激突が実現しました。
試合は前半はディフェンス中心の展開となり、テキサスA&M大が10対3でリードを奪って折り返しましたが、後半に入ると流れは一変。テキサス大は後半だけで17連続得点を挙げて24対7とテキサスA&M大を大きく上回りました。特にQBアーチ・マニング(Arch Manning)は、第3Qにライアン・ウィンゴ(Ryan Wingo)への29ヤードのTDパスや、第4Q残り7分に自身による35ヤードのランによるTDで勝利を決定づけました。
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テキサス大の最大の勝因は、後半にランオフェンスが劇的に目を覚ましたこと。スティーブ・サーキジアン(Steve Sarkisian)監督によるハーフタイムでのアジャストがハマり、後半だけで22回のキャリーで157ヤード(1キャリー平均7.1ヤード)を記録し試合をコントロール。RBのクイントレビオン・ワイズナー(Quintrevion Wisner)は、シーズン最多となる155ヤードを走り切る激走をみせ、またQBマニングも前半はパスに苦しんだものの、後半は8回中6回のパスを成功させ128ヤードを稼ぐなどクラッチな活躍を見せました。
ディフェンス面では、テキサスA&M大のハイズマントロフィー候補QBマーセル・リード(Marcel Reed)を180ヤード、0TDに抑え、第4Qには彼から2つのINTを奪取。敗れたA&Mのマイク・エルコ(Mike Elko)監督は「後半のプレーには非常に失望している。我々の持ち味を全く出せなかった」と述べ、リードもテキサス大のフロントセブンが「自分たちをはるかに上回るプレーを連発した」と敗戦を認めました。
この勝利は9勝3敗のテキサス大にとって、CFP史上初の3敗チームとしての出場権獲得を目指す僅かな期待を残すことになりました。サーキジアン監督は試合後の会見で「我々は間違いなくプレーオフチームだ」と断言。テキサス大がレギュラーシーズンでトップ10チームに3度勝利した(2019年のLSU以来の快挙)こと、そしてストレングス・オブ・スケジュールで全米5位という厳しい日程をこなした点を強調。特に開幕戦でテキサス大は全米1位のオハイオ州立大に対し、彼らにとって今シーズン唯一ワンポゼッションゲームに持ち込んだチームであり、厳しいスケジュールを組んだことがネガティブな要因として捉えられるべきではないと主張しています。
しかし、テキサス大が4勝8敗のフロリダ大に敗れたことなどがネックとなっており、他試合の結果が出た後のESPNによるCFP出場確率はわずか1.6%と極めて厳しい状況であることは確か。ただ言えることはこの勝利によりここまで無敗で全米3位だった宿敵テキサスA&M大に今季初の黒星を喰らわせることに成功したこと。さらに、この敗戦によりここまで無敗街道まっしぐらだったテキサスA&M大はSEC優勝決定戦出場のチャンスを逃してしまいました。
#7 ミシシッピ大 38、 ミシシッピ州立大 19
全米7位のミシシッピ大は、ライバルであるミシシッピ州立大とのライバリーゲーム「エッグボウル」にて38対19で勝利し、プログラム史上初となるレギュラーシーズン11勝を達成し、CFPへの出場をほぼ確実なものにしました。
この日QBトリニダード・チャンブリス(TrinidadChambliss)は359ヤード、4TDを投じる活躍で勝利の立役者となり、またRBキーワン・レイシー(Kewan Lacy)は今季20個目のランTDを含む143ヤードの激走で格の違いを見せつけました。
しかし、なんといってもミシシッピ大といえばレーン・キフィン(Lane Kiffin)監督の去就問題が超話題。ルイジアナ州立大(LSU)への移籍が囁かれる中で行われたこの試合、注目はエッグボウルに勝ったことよりも、キフィン監督が一体ミシシッピ大に残留するのか、はたまたSEC内でライバルとも言えるLSU氏のLSUへ移籍するのか、と言う話で持ちきり。折角宿敵に勝利したと言うのに素直に喜べないというジレンマが漂っていました。
結局ご存知の方も多いと思いますが、キフィン監督はLSUへと去ってしまい、11勝1敗というヒストリックなシーズンに水を刺された形になってしまいました。後釜にはディフェンシブコーディネーターのピート・ゴールディング(Pete Golding)氏が就任しましたが、チームは果たして一丸となってプレーオフで勝ち進むことができるのか・・・。
#8 オクラホマ大 17、 ルイジアナ州立大 13
全米8位のオクラホマ大はレギュラーシーズン最終戦でルイジアナ州立大と対決。勝てばプレーオフ出場が当確という中で行われましたが、LSUに思いのほか苦戦。終始ロースコアの展開となり、防御戦の様相を呈しました。LSUのディフェンスはオクラホマ大QBジョン・マテアー(John Mateer)から3回のINTを奪い、また彼らのランオフェンスをわずか75ヤードに抑えるなどオクラホマ大を大いに苦しめました。
勝負の分かれ目となったのは試合終盤の第4Q残り4分16秒、追う展開のオクラホマ大はマテアーからアイゼア・サテニャ・III(Isaiah Sategna III)へ58ヤードのTDパスを成功させ、土壇場で逆転に成功。結局これが決勝点となり、オクラホマ大が17対13でアップセットを逃れたのでした。LSUディフェンスはここまで大健闘していましたが、完全にカベレージを読み違えサテニャ・III をワイドオープンにしてしまったのは悔やんでも悔やみきれないでしょう。
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この勝利でオクラホマ大はシーズン10勝目を飾り、CFPへの出場をほぼ確実にしました。3つのINTという逆境に直面しながらも、マテアーはここしかないという局面にビッグプレイを決めるプレーメーカー度合いを発揮したのはさすが。ただ、チーム全体で28回のキャリーでたったの75ヤードしか稼げないという、ランゲームの脆弱さは克服されておらず、プレーオフにおいても不安材料になることは確実。全米屈指のディフェンス力がなければどちらにも転んでしまうという懸念も抱えています。
#9 ノートルダム大 49、 スタンフォード大 20
全米9位のノートルダム大はスタンフォード大との伝統の対戦で49対20という大差の勝利を飾り、レギュラーシーズンを10勝2敗で締めくくりました。ノートルダム大のオフェンスは試合開始直後からフルスロットルで、最初の6回のドライブのうち5回でTDを奪い、ハーフタイムまでに35対3という圧倒的なリードを構築。試合序盤、スターRBジェレマイア・ラブ(Jeremiyah Love)が肋骨の負傷で一時離脱するというヒヤリとする場面もありましたが、彼は最初のドライブでTDを決め、1シーズンでのスクールレコード(18)を樹立しました。
またバックアップRBジャダリアン・プライス(Jadarian Price) とアニヤス・ウィリアムズ(Aneyas Williams)も素晴らしい活躍を見せ、合わせて178ヤードと4つのTDを記録し、チームの層の厚さまざまざと見せつけてくれました。おまけに大胆なスペシャルチームのプレーも見せ、第2Qでのフェイクパントが84ヤードのタッチダウンパスにつながるなど全ての面においてノートルダム大がスタンフォードを圧倒していました。
CHAOS KILLS ☘️
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BURNHAM TO TALICH 🔥#GoIrish☘️ pic.twitter.com/xE993k50DX
この圧倒的な勝利はノートルダム大がCFPの出場権を確保するための強力な最後のアピールとなったはず。彼らはレギュラーシーズンの10勝すべてを2桁差で制し、マーカス・フリーマン(Marcus Freeman)監督体制で2年連続の10勝シーズンをもたらしました。どのカンファレンスにも属さないノートルダム大にとってこの試合がプレーオフ前最後の試合。彼らのプレーがCFP選考委員会にどう映ったか・・・。
#10 アラバマ大 27、 アーバン大 20
ミシガン大対オハイオ州立大のライバリーゲームと肩を並べるほど著名なライバリーがこのアラバマ大(全米10位)対アーバン大との間で行われる「アイロンボウル」。プレーオフに進出するためにはもう負けることは許されないアラバマ大と、あと1勝でボウルゲーム出場権を獲得するアーバン大との対決は、アラバマ大が先攻するもアーバン大が後半猛烈な追い上げ見せたドラマチックな試合になりました。
20対20で迎えた第4Q、攻めるアラバマ大は敵陣ゴールライン直前までたどり着くも4thダウン&2ヤードと言う状況を迎えます。ここでケイレン・デボアー(Kalen DeBoer)監督は勝負に出ます。FGで3点リードを奪うのではなく、TDをあえて狙うギャンブルプレー。ここでQBタイ・シンプソン(Ty Simpson)がWRアイゼア・ホートン(Isaiah Horton)へのパスをエンドゾーンで決め残り4分を切った時点でアラバマ大が7点リードを奪います。
ALABAMA GETS THE TD ON FOURTH DOWN 😱
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アーバン大は後半アラバマ大に追いつく猛攻を見せましたが、試合全体を通してターンオーバーやペナルティなどで好機を逸し続け、特に痛恨だったのは試合終了間際、7点差を追う中でWRキャム・コールマン(Cam Coleman)がパスをキャッチするも背後からタックルされてボールをファンブル。これをアラバマ大がリカバーして絶好の機会を逃した場面。
Auburn Fumbles pic.twitter.com/JXfud1CtUn
— NFL Paint (@NFLPaint) November 30, 2025
結局このまま試合は終了することになるのですが、最終的にホートンは上記の決勝点も含めアラバマ大の全3つのTDに絡む大活躍。因みにアイロンボウルで3つ以上のレシーブTDを挙げたアラバマ大WRは過去30年間だとアマリ・クーパー(Amari Cooper)、ジェイレン・ワドル(Jaylen Waddle)に続きホートンが3人目。
この日はここ数試合の中では最もランが出ていたアラバマ大でしたが、シンプソンは局所で素晴らしいパスを見せるもシーズン中盤に見せていたシャープさが鳴りをひそめ、絶対的な強さは感じられませんでした。またこの日はサイドラインでOCライアン・グラブ(Ryan Grubb)氏がプレーコールをしていましたが、プリスナップで時間をかけすぎて不要なタイムアウトを取らざるを得なかった状況が複数あり、チグハグさは否めませんでした。
とはいえ宿敵アーバン大との対戦戦績に6連勝目を飾り、晴れてSECタイトルゲームに進出を決めたことは当然喜ばしいこと。あとはこの大舞台でジョージア大と対戦しこれに勝てばSECチャンピオンとしてプレーオフ進出は確実になります。レギュラーシーズン中にはアラバマ大が勝っていますが、同じチーム、しかもジョージア大のような超強豪チームから1シーズンに2度も勝つのは簡単ではありません。果たして軍配はどちらに上がるのか・・・。
#12 マイアミ大 38、 ピッツバーグ大 7
全米12位のマイアミ大は全米22位のピッツバーグ大と対戦。マイアミ大は僅かなCFP出場のチャンスを繋ぎ止めるため、そしてピッツバーグ大はACC(アトランティックコーストカンファレンス)タイトルゲーム出場を狙うためこの試合に臨みましたが、結果的にマイアミ大が38対7という圧倒的なスコアでピッツバーグ大を破りレギュラーシーズンを10勝2敗で締めくくりました。彼らが10勝を挙げるのは2004年以来たったの2度目の出来事(2017年)です。
この試合はマイアミ大のディフェンス陣が終始優位に立ち、相手のラン攻撃をわずか21キャリーで30ヤード(1.4ヤード/キャリー)に抑え込むなどスクリメージラインでの力の差が際立ちました。一方オフェンスではトータルで416ヤードを獲得し、ピッツバーグ大の229ヤードを大きく上回り、試合の流れを完全にコントロールしました。
特にQBカーソン・ベック(Carson Beck)と、1年生(トゥルー)WRマラカイ・トニー(Malachi Toney)のコンビネーションは絶品。この日は13回のキャッチで126ヤードに1TDとルーキーながらベックのトニーに対する信頼度が見て取れます。このパフォーマンスにより、トニーはマイアミ大の1年生選手としてのレシービングヤード記録を更新(970ヤード)。今後が楽しみでしかない選手です。
試合後、マイアミ大のマリオ・クリストバル(Mario Cristobal)監督は、「このチームはCFPに出場すべきチームだ」と述べ、4連勝を平均27.5点差で終えたチームの力を強調。しかしながら、マイアミ大の圧倒的な勝利にもかかわらず、その数時間後、デューク大とバージニア大がそれぞれ勝利したことで複雑な5チームによるタイブレークが発生。そしてACCのタイブレイク規則により、マイアミ大はACCチャンピオンシップゲームへの出場権を失うことに。これにより、マイアミ大の焦点はCFPへのアットラージ枠での選出に移ることになりました。
#14 ヴァンダービルト大 45、#19 テネシー大 24
テネシー州内にキャンパスを構える大学同士のライバリー、全米14位のヴァンダービルト大対全米19位のテネシー大の一戦はヴァンダービルト大が45対24で勝利。これで彼らは史上初の10勝目となり、歴史的な快進撃を続けてきた今シーズンの通常スケジュールを終えました。
この日ヴァンダービルト大のオフェンスはトータルで582ヤード稼ぎましたが、その半分以上がランによるもの(314ヤード)。前半こそ21-21と同点で折り返しましたが、後半にはテネシー大を24対3で圧倒。特にQBのディエゴ・パヴァア(Diego Pavia)は、パスで268ヤードと1TD、ランでキャリアハイとなる165ヤードと1TDを記録し、合計433ヤードのオフェンスを一人で捻出する異次元の活躍を見せました。またRBのセドリック・アレクサンダー(Sedrick Alexander)も115ヤードを走り、3つのランTDを決めるキャリアハイの活躍で、フィジカルさでテネシー大ディフェンスを圧倒すると言う、これまででは想像すらできなかった展開でライバルを駆逐したのでした。
テネシー大のQB、ジョーイ・アギュラー(Joey Aguilar)は299ヤードのパスと1TDを記録し、シーズン通算パスヤードでかのペイトン・マニング(Peyton Manning)を抜きテネシー大史上4位に浮上しましたが、チーム全体として後半はわずか3点に抑えられ撃沈。今季SEC戦のホームゲームで1勝3敗という成績でレギュラーシーズンを終え、ファンの怒りの矛先はジョシュ・ハイペル(Josh Heupel)監督に向けられるのも無理はない話です。
なんといっても、いくら今季調子がいいとはいえ、ここまで通算対戦戦績が79勝33敗5分けとテネシー大が圧倒してきたという経緯があり、6年ぶりにヴァンダービルト大から黒星を喰らい、しかもそれがテネシー大のホームゲームだったこともファンたちのフラストレーションを助長したようです。
(更新終わり)






