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Separation Saturday【2021年度第5週目レビュー】

Separation Saturday【2021年度第5週目レビュー】

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ベースボール・マガジン社 (編集)

怒れるクリムゾンタイド

アラバマ大42、ミシシッピ大21

全米1位のアラバマ大と同12位のミシシッピ大との対決。昨年アラバマ大は完全優勝を果たしましたが、その過程で唯一彼らにいい勝負を挑んだのがこのミシシッピ大。今年はディフェンス力に磨きをかけていよいよアラバマ大に土をつけるかと前評判が高く、アップセットを予測する解説者も多く見られましたが・・・。

そんな声に怒りを感じたのかアラバマ大は序盤からミシシッピ大ディフェンスを攻略し続け前半を終えて28対0とすでに独走体制。後半も得点を重ね、第4Qに相手に2TDを許しましたがその頃にはすでに勝負は決まっており、終わってみればアラバマ大の圧勝となったのでした。

元アラバマ大OCだったミシシッピ大のレーン・キフィン(Lane Kiffin)監督は独創性に優れたオフェンスの鬼才としてしられ、またハイズマントロフィーレースで名を連ねるQBマット・コラル(Matt Corral)とのコンビで昨年のようにハイスコアゲームとなると予想されました。

それに対するニック・セイバン(Nick Saban)監督の戦略はランゲームに重きをおいてボールをコントロールし相手に攻撃のチャンスを与えないというものでした。それに応えるかのようにRBブライアン・ロビンソン(Brian Robinson Jr.)は自己最多となる171ランヤードに4TDを記録。チーム全体でも210ヤードを足で稼ぎ早い段階から流れを自分たちの下へ引き寄せていました。

ミシシッピ大は前半から果敢に4thダウンコンバージョンを狙いに行きましたが、逆にそれがあだになったシーンも見られ、キフィン監督のアグレッシブさが裏目に出てしまいました。

これでアラバマ大は無傷の5連勝。そしてセイバン監督が現在まで維持してきている、「師弟対決」(彼の元アシスタントコーチとの対戦成績)において驚異の24勝無敗という記録を守りました。


天地の差

ジョージア大37、アーカンソー大0

全米2位のジョージア大がホームに全米8位のアーカンソー大を迎えて行われたこのトップ10チーム同士の戦い。アーカンソー大はここまで周囲を驚かす快進撃でテキサス大およびテキサスA&M大という大御所を次々と撃破。サム・ピットマン(Sam Pittman)監督は3年前までジョージア大のOLコーチを務めていたこともあり、この試合に対する意気込みは凄まじいものだったことでしょう。

しかし迎え撃つジョージア大は大いに格の違いを見せつけ、全米随一のディフェンス陣はアーカンソー大に仕事を全くさせず、また先発QB J.T.ダニエルズ(J.T. Daniels)が怪我で負傷したためバックアップのステソン・ベネット(Stetson Bennet)が出場したにもかかわらず快勝。全く相手を寄せ付けない試合内容に両校の間には天と地ほどのさがあると思い知らされました。

ジョージア大はトータルパスヤードが72ヤードだったのに対しランヤードは273ヤードとあえてランアタックに終止しフィジカルの面でも圧倒。パスオフェンス的にはダニエルズが欠場したとしても多少物足りなさを感じずにはいられませんが、格の違いを見せつけるには十分すぎる内容となりました。

Statement Win

シンシナティ大24、ノートルダム大13

グループオブ5」の雄・全米7位のシンシナティ大が大御所ノートルダム大(9位)の聖地へ乗り込んで行われた注目の試合。CFP(カレッジフットボールプレーオフ)出場のチャンスを掴むにはどちらも負けられない試合となりました。

シンシナティ大の快進撃を支えるのはそのディフェンス。この試合まで彼らは合計9つのターンオーバーを相手から引き出してきました。その守備陣がこの試合でも全開。前半だけで3つの単オーバーを奪い相手のチャンスを摘みました。ノートルダム大がここまで犯してきたターンオーバーの総数が5つだったことを考えるとこの大事な試合で自滅した形に。

またQBデスモンド・リダー(Desmond Ridder)はパスで2TD、そして第4QにはとどめとなるランTDをお見舞いし、ノートルダム大ファンを黙らせただけでなく押し寄せたシンシナティ大ファンを大いに喜ばせました。

ノートルダム大はジャック・コーン(Jack Coan)、タイラー・ブシュナー(Tyler Buchner)、ドリュー・パイン(Drew Pyne)の3人のQBを使い分けるという作戦にでましたが、わかったのはパインがこの3人の中でも最もうまくオフェンスを操っているように見えました。

どちらにしてもシンシナティ大はCFP出場への可能性を残し、ノートルダム大はその可能性を手放したという構図になりました。

嗚呼、オレゴン大

スタンフォード大31、オレゴン大24

全米3位のオレゴン大はアウェーでスタンフォード大と対決。オレゴン大としては難なくこの試合で白星をゲット出来ると思っていたかもしれませんが・・・。

試合終了まで残り2分18秒という場面で7点差をつけてリードしていたオレゴン大。しかしここから2度に渡るフォルススタート、そしてこのシーンで理解に苦しむパスプレー(パスは不成功となりゲームクロックが止まる)。結局2分を切った時点でスタンフォード大に攻撃権がまわり、結果的に試合を同点とするTDパスをQBターナー・マッキー(Tanner McKee)が決めて試合はオーバータイムへ。

OTでは先攻のスタンフォード大が再びマッキーのTDパスで得点を重ね、返しのオレゴン大のトライではQBアンソニー・ブラウン(Anthony Brown)の4thダウンパスが無情にも失敗し万事休す。フィールドにはスタンフォード大ファンがなだれ込む壮大なシーンが見られました。

これでPac-12唯一の無敗チームだったオレゴン大にも今季初黒星が付き、2015年以来となるどうカンファレンス所属チームのCFP出場に黄色信号が。もちろんまだまだ試合数は残されているのでなんとも言えませんが、痛手であることは確かです。

ちなみにこの試合ではオレゴン大のスターDEケイヴォン・ティボデウ(Kayvon Thibodeaux)がターゲッティングの反則を取られて一発退場。次戦のカリフォルニア大戦の前半も出場できないことになってしまいました。

ゲーター・ベイテッド

ケンタッキー大20フロリダ大13

全米10位のフロリダ大は同じSEC東地区所属でここまで全勝中のケンタッキー大と対決。

オフェンス重視と言われるフロリダ大とディフェンス重視と言われるケンタッキー大との試合はロースコアゲームに。そういった意味ではケンタッキー大が主導権を握っていましたが、内容的にもちぐはぐなフロリダ大オフェンスに対してケンタッキー大はRBクリス・ロドリゲス(Chris Rodriguez)の気迫なランプレーと相手FGをブロックしてリターンTDを挙げたスペシャルチームとチーム全体的にみてフロリダ大を上回っており、結果として10位チームから金星をあげる偉業を成し遂げたのです。

試合残り時間22秒出迎えた自陣8ヤードでのフロリダ大の4thダウントライを食い止めた際の会場のボルテージは最高潮に。

これで1986年から続くホームでの対フロリダ大戦連敗レコードを遂にストップ。試合終了後はファンがフィールドになだれ込みその喜びを分かち合いました。

これでフロリダ大は2敗目となり、東地区で唯一と言っていいほどジョージア大に立ち向かえると思われていた彼らの株を下げることになってしまいました。

ミシガン・アタック!

ミシガン大38、ウィスコンシン大17

先週全米14位にランクされたミシガン大。この日は同じBig Tenカンファレンス所属の強豪ウィスコンシン大と対戦しますがこれをアウェーで撃破。開幕以来破竹の5連勝目を挙げました。

タフなラインマンで知られるウィスコンシン大に対してウィスコンシン大は果敢にランで挑み、44回のキャリーで112ヤードをゲット。数字的には飛び抜けてはいませんが、キャリー数を考えるとこれまでとは違うフィジカルなミシガン大フットボール部が見えてきます。

またQBケイド・マクナマラ(Cade McNamara)は197ヤードに2TDとこちらも目からウロコが飛び出るような数字ではありませんが、ミスを侵さずボールさばきに徹したところも評価に値するところ。

一方のウィスコンシン大はこれでなんと1勝3敗。Big Ten西地区順位ではなんと最下位と大きく出遅れました。

Big 12無敗同士の対決は・・・

オクラホマ州立大24、ベイラー大14

ここまで共に4連勝を飾ってきた19位のオクラホマ州立大と21位のベイラー大が直接対決。勝って無敗を守るのはどちらになるのか注目が集まりましたが・・・。

ここまで平均失点数が23点を下回ってきたオクラホマ州立大ディフェンスがこの日も冴え、ベイラー大に許したトータルオフェンスがたったの280ヤード。QBスペンサー・サンダース(Spencer Sanders)が3つものパスINTを犯しましたが、それをディフェンス陣が見事にカバー。もっと上位を狙うならばオフェンス力に磨きをかけなければなりませんが、それでもここまで5連勝で来たことは特筆に値するところ。

一方のベイラー大はこの試合まで全米6位のラッシュヤードを誇っていましたが(1試合平均272ヤード)、この日は107ヤードと抑え込まれいいところを見せることが出来ませんでした。

虎対決の行方は・・・

アーバン大24、ルイジアナ州立大19

どちらも「タイガース」の相性を持つ全米22位のアーバン大ルイジアナ州立大の対決。本来ならばもっと注目を浴びてもいいカードですが、今季ルイジアナ州立大が目立たないためにあまり取り上げられませんでしたが・・・。

この日はアーバン大QBボ・ニックス(Bo Nix)が文字通り奔走。ルイジアナ州立大の並み居るフロントセブンのプレッシャーを幾度となく掻い潜ってオフェンスを率いました。中でも下のプレーは圧巻。

そんなニックスの奮闘に触発されるようにディフェンスも奮起。なんとルイジアナ州立大のランアタックをたったの11ヤードに抑え込んでこの貴重なSEC西地区決戦を制しました。

ルイジアナ州立大はQBマックス・ジョンソン(Max Johnson)が325ヤードに1TD(1INT)としますがパス成功率が56%と振るわず撃沈。これで今季2敗目となり2年前の全米覇者の存在感は残念ながらいよいよ希薄なものになっていきます。

Elsewhere…

ペンシルバニア州立大24、インディアナ大0

全米4位のペンシルバニア州立大インディアナ大と対戦。これを余裕の完封勝利で納めて開幕5連勝。昨年は開幕後5連敗したことを考えると彼らの躍進度合いは目を見張るものがあります。オフェンシブコーディネーターのマイク・ユリシッチ(Mike Yurcich)氏とQBショーン・クリフォード(Sean Clifford)の相性の良さ、そして今季ベストWRの呼び声高いジョハン・ドットソン(Jahan Dotson)の存在で今季際立った存在感を出しています。そしていよいよ来週はアイオワ大との一大決戦です。

アイオワ大51、メリーランド大14

そのアイオワ大(全米5位)はメリーランド大と金曜日の夜に対決。スコアの通りメリーランド大を圧倒して難なく勝利し彼らも今週末のペンステートとの試合にいい流れで挑みます。

この試合では合計6つのパスインターセプションを相手QBから奪い、トータルヤードを271ヤードに抑えるなどしてアイオワ大ディフェンスが爆発。オフェンスには派手さはないもののミスが皆無な安定したボールコントロールで力の差を見せつけました。

オクラホマ大37、カンザス州立大31

全米6位のオクラホマ大は同じBig 12カンファレンス所属のカンザス州立大と対決。先週のウエストバージニア大との試合ではホームにもかかわらずブーイングされてしまったQBスペンサー・ラトラー(Spencer Rattler)はこの日25投中22投のパスを成功させ243ヤードに2TD(1INT)と非難の声を打ち消すにはまずまずの出来で勝利に貢献。ビデオ判定でラッキーな場面もありましたがこれで開幕5連勝。無傷で今週末に行われるテキサス大とのライバリーマッチを迎えます。

オハイオ州立大52、ラトガース大13

全米11位のオハイオ州立大は同じBig Tenカンファレンス所属のラトガース大と対戦しこれを一蹴。QB C.J.ストラウド(Sean Clifford)は330ヤードに5TDと大活躍。ディフェンスも相手から3つのパスINTを奪い快勝。強いオハイオ州立大に戻りつつある感じです。

ブリガムヤング大34、ユタ州立大20

全米13位のブリガムヤング大は同じユタ州内にキャンパスを構えるユタ州立大のホームに乗り込みこれを撃破。RBタイラー・アルギアー(Tyler Allgeier)はこの日218ヤードのランに3TDを記録。ブリガムヤング大の快進撃も止まる気配を見せません。

ミシシッピ州立大26、テキサスA&M大22

全米15位のテキサスA&M大はホームにミシシッピ州立大を迎えましたが、まさかの敗戦で今季屈辱の2敗目。先発QBヘイデン・キング(Hayden King)が怪我で戦線離脱して以来彼らのオフェンスは全くと言っていいほど火力を失い急降下。開幕前の期待度が高かっただけにジンボ・フィッシャー(Jimbo Fisher)監督への風当たりは強まるばかりです。

一方のミシシッピ州立大はマイク・リーチ(Mike Leach)監督の「エアーレイド」オフェンスが炸裂。トータルで408パスヤードに3TDとしリーチ監督の本領発揮。アウェーで貴重な白星を手に入れました。

ハワイ27、フレズノ州立大24

全米18位のフレズノ州立大ハワイ大との試合で惜敗。ここまでオレゴン大を苦しめUCLAからは貴重な大金星をゲットしてきたフレズノ州立大ですがここでまさかの敗戦。これだからカレッジフットボールは何が起こるかわからないのです。

アリゾナ州立大42、UCLA23

全米20位のUCLAアリゾナ州立大をホームに迎えましたが、アリゾナ州立大QBジェイデン・ダニエルズ(Jayden Daniels)の操るパスアタック(286ヤード、2TD)を防ぐことが出来ず彼らの進撃を許し、結果的に約20点差をつけられて完敗。筆者的には今季彼らに少し肩入れしていただけにこの敗戦で2敗目となったのは残念なところです。

ウェイクフォレスト37、ルイビル大34

今週隠れた名ゲームがこの試合。序盤から点の取り合いとなる中全米24位のウェイクフレスト大が試合終了間際に勝ち越しのFGを決めてルイビル大を振り切り今季5勝目。アトランティックコーストカンファレンス(ACC)で唯一の無敗チームとなりました。

クレムソン19、ボストンカレッジ13

先週25位にまで落とされてしまったクレムソン大はこの日無敗のボストンカレッジと対戦。この試合でも得点力不足は改善されず強固なボストンカレッジを振り切ることに苦労し続けました。結局たった1つのオフェンシブTDと4つのFGで何とか勝利を収めましたが、ここ数年彼らが見せてきた圧倒的な強さは完全に影を潜めてしまいました。

フロリダ州立大33、シラキュース大30

ここまで全敗中だったフロリダ州立大シラキュース大とシーソーゲームを繰り広げますが、試合終了直前に得た34ヤードのFGが試合終了と同時に決まって勝ち越し。ようやく今季初勝利を収めることが出来ました。

ネブラスカ大56、ノースウェスタン大7

ここまでなかなか調子の上がってこなかったネブラスカ大はこの試合で第1Qに3連続TDを決めて一気に勝ちの流れに乗るとそのまま得点を重ね続けて終わってみれば56対7と昨年のBig Ten西地区覇者であるノースウェスタン大を一蹴。スコット・フロスト(Scott Frost)監督がその座を守るためにはもう1試合も落とすことは出来ません。

テネシー大62、ミズーリ大24

SEC東地区同士の対決となったこの試合、テネシー大が前半だけで42対9とミズーリ大を圧倒するとその後も点を取り続け終わってみればカンファレンス戦とは思えないような大量得点&大量点差でミズーリ大を撃破。チームのラッシュヤードは驚異の458ヤード(!!!)。ミズーリ大のディフェンスがザルだとはいえ、この日のテネシー大のパフォーマンスは圧巻でした。

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