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2023年度第3週目の見どころ

2023年度第3週目の見どころ

2023年度第3週目のカレッジフットボール、全体を見渡すとランクチーム同士の対戦が無く、また目を見張るようなマッチアップもあまり見当たらず、週末を迎えるにあたり最初の2週間よりも割と静かなウィークエンドとなりそうです。

そんな中でも今週末に注目してみたい試合を数試合ご紹介します。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

サウスカロライナ大 @ #1 ジョージア大

SEC(サウスイースタンカンファレンス)東地区チーム同士の対決。サウスカロライナ大が全米1位のジョージア大のホームに乗り込みます。

ジョージア大は言わずと知れた昨年、一昨年のナショナルタイトル保持者。今シーズンは夢の3連覇を目指しますが、スケジュールを見ると彼らに敵対できそうな相手があまり見られず、巷ではプレーオフまでオートパイロットで到達するんじゃないかなんて言われています。

そんなジョージア大は開幕戦が下位レベルのFCS(フットボールチャンピオンシップサブディビジョン)所属チームであるテネシー大マーティン校(48対7)、2戦目がFBS(フットボールボウルサブディビジョン)でも中堅カンファレンス群である「グループオブ5」のボール州立大(45対3)と対戦し楽々勝利。

そんな感じで首位を走りながら対戦相手が弱小すぎて実際の彼らの力がまだ計り知れていないという状況で同じSEC所属のサウスカロライナ大を迎えることになり、ジョージア大にとっては今までの相手よりも多少手強い相手と言えると思います。

一方のサウスカロライナ大は昨シーズン終盤に当時6位のテネシー大、そして当時13位のクレムソン大を破る金星を立て続けに獲得し尻上がりに調子をあげたチーム。その勢いもあり開幕前こそランキングには入れませんでしたが、期待度は高いチームでした。

開幕戦では当時21位のノースカロライナ大と対戦し、前半競るも後半突き放されて敗戦。先週はFCSのファーマン大と対戦して47対21で快勝。そしてこのジョージア大との大一番を迎えます。

元オクラホマ大QBのスペンサー・ラトラー(Spencer Rattler)はここまで698ヤードに83.3%のパス成功率、TDは3つと数字的にはまずまずの成績を残していますが、ノースカロライナ大戦では353ヤードを投げるもTDに絡むことができませんでした。強力なディフェンスが相手だと決定力に欠けるというのはジョージア大戦を控えるにあたり不安材料となりそうです。

また同じノースカロライナ大戦ではチーム全体でのランヤードがなんとマイナス2ヤード。ランも出ずパスでもスコア出来なければジョージア大のような相手と渡り合うのは厳しいというほかありません。

となればせめてジョージア大のオフェンスをスローダウンさせたいところ。ジョージア大のオフェンスは前述の通りこれまで大したディフェンスと渡り合ってきていないため、SECレベルのディフェンス力を持つチームに対してどこまでやれるのかを知るにはこの試合はいい機会となりそうです。


コロラド州立大 @ #18 コロラド大

今年から「コーチプライムディオン・サンダース(Deion Sanders)監督に率いられるコロラド大は開幕2連勝で現在18位。昨年1勝11敗だったチームとしては今の所全米中の予想を裏切る結果を残しており、サンダース監督に疑念を持っていた人たちも彼の監督としての手腕に評価を改めているところです。

そんな彼らが今週末対戦するのは同じコロラド州内にキャンパスを構えるコロラド州立大。「ロッキーマウンテンショーダウン(Rocky Mountain Showdown)」という別名を持つこのライバリーでは今の所コロラド大が5連勝中。最後にコロラド州立大がアウェーであるコロラド大のスタジアムで勝利したのは2014年と10年前のことになります。

今年のコロラド大の快進撃を考えれば彼らが楽勝だと予想するのは容易ですが、今回のこのマッチアップは宿敵関係というもの以上にちょっとしたいわくつきなものになっています。

というのも、今週コロラド州立大の地元ラジオ局でインタビューに答えたジェイ・ノーヴェル(Jay Norvell)監督が、コロラド大戦に向けて様々な話をしていたのですが、最初こそ今季から指揮を取るサンダース監督に賛辞を送るコメントを残していたものの、MCに乗せられたのかこんな発言をしたのです。

「自分なら人前に出る時に帽子は被らないしサングラスも外す。自分はそうやって母親に育てられたのだから。」

これはまさに帽子を被りサングラスをかけながら記者会見などに臨むサンダース監督を暗に批判していると取ることができます。そしてこのことは当然サンダース監督の耳に届くことになるのですが・・・。

サンダース監督は、「自分たちはこの試合がいいライバリーゲームになればいいと思っていた。しかしながら今回は向こう(コロラド州立大)が最初に仕掛けたおかげで、この試合はより私怨(パーソナル)を含むものになった。自分の母親を馬鹿にされた気分だ」と感情を荒げていました。

ノーヴェル監督にはそのつもりはなかったのでしょうが、すでに波に乗っているコロラド大にさらに火をつける結果に。勝負の行方は決まったも同然ですが、サンダース監督とノーヴェル監督がフィールド上でどう対峙するのか気になります。

その他の試合

#14 ルイジアナ州立大 @ ミシシッピ州立大

こちらはSEC西地区所属チーム同士の対決。

ルイジアナ州立大(LSU)は開幕戦でフロリダ州立大に敗れ順位を5位から14位に落としました。先週は超格下グランブリン州立大に72対10で大勝しましたが、ミシシッピ州立大はそうはいきません。

ミシシッピ州立大は昨年まで指揮をとっていたマイク・リーチ(Mike Leach)監督が年末に急死され、今季からディフェンシブコーディネーターだったザック・アーネット(Zach Arnett)新監督が率いています。先週はアリゾナ大相手にオーバータイムの末に劇的な勝利を挙げ、新体制下で士気は上がっていると思われます。

タレントの質で上回るLSUがミシシッピ州立大の名物であるカウベル鳴り響くスタジアムでしっかりと勝利を奪えるのか見ものです。

ミネソタ大 @ #20 ノースカロライナ大

Big Tenカンファレンスのミネソタ大とACC(アトランティックコーストカンファレンス)のノースカロライナ大という珍しいマッチアップ。

ミネソタ大は開幕戦でのネブラスカ大とのロースコアゲームを制し、先週はイースタンミシガン大に25対6で勝利して2戦2勝中。しかしながら合計得点38点というのは少し寂しい気がします。特にディフェンス力に定評のあるノースカロライナ大相手に点が取れなければ勝機は生まれないでしょう。

ただ彼らのディフェンス力もよく、ここまでの失点数は16点。平均失点数は8点と一桁台で安定しています。ノースカロライナ大のスターQBドレイク・メイ(Drake Maye)ならびにRBオマリオン・ハンプトン(Omarion Hampton、271ヤード5TD)率いる攻撃陣をどれだけ抑え込めるのかに命運がかかっていそうです

ウエスタンミシガン大 @ #25 アイオワ大

アイオワ大のオフェンシブコーディネーターでありカーク・フェレンツ(Kirk Ferentz)監督の実子であるブライアン・フェレンツ(Brian Ferentz)氏は過去数年の同校のオフェンス力の弱体化の責任を追求される形で、今季平均得点数25点ならびに7勝以上を挙げられなければ解雇されてしまうという、珍しい契約を結びました。

普通なら昨年解雇されていてもおかしくなかったのですが、監督の息子ということでなかなかその苦渋の決断を下すことができず、「最後通告」としてこのような変則契約が結ばれたのですが・・・。

アイオワ大の初戦ではユタ州立大戦で24点、そして先週のアイオワ州立大戦で20点と今の所2試合を終えて平均得点数は22点。当然ノルマにまだ達していません。

そして今後のアイオワ大の対戦チームにはペンシルバニア州立大やミシガン州立大、ウィスコンシン大などが控えており、これらのチーム相手に25点以上取れるかどうか定かでない以上、他の相手との対戦時に大量得点を溜め込んでおく必要があると考えます。

となれば、アイオワ大の今週の対戦相手であるウエスタンミシガン大との試合は彼らにとっては最高の「カモ」。今後得点数が伸びないことを考えると今週末の試合で40点以上は取っておきたいところ。ただもし再びロースコアゲームとなってしまうとブライアン氏の行く末が怪しくなってきます・・・。

#8 ワシントン大 @ ミシガン州立大

全米8位のワシントン大とミシガン州立大というPac-12とBig Ten同士のマッチアップ。

ワシントン大にはハイズマントロフィー候補QBマイケル・ペニックス・Jr(Michael Penix Jr)が健在ですが、今の所2試合を終えて859ヤードに73.5%のパス成功率、8TD(1INT)を計上しており、前評判に恥じないパフォーマンスを残しています。

ミシガン州立大もここまで2戦全勝中ですが、対戦相手はセントラルミシガン大にリッチモンド大(FCS)ということで今回のワシントン大との対戦が大いなる資金石となりますが、残念なことに彼らのHCであるメル・タッカー(Mel Tucker)監督は現在セクハラ疑惑で訴えられてしまって謹慎処分中。この試合で指揮を執ることができません。

もともと勝機が薄いといわれるミシガン州立大にとっては痛手ですが、訴えられた理由のことを考えるとチームにとってはこの試合だけでなくシーズン全般にわたって悪影響を及ぼすことになるかもしれません。

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