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オレンジボウルプレビュー【2021年度CFP準決勝第2試合】

オレンジボウルプレビュー【2021年度CFP準決勝第2試合】

今年のカレッジフットボールプレーオフ(CFP)の準決勝の舞台は「ニューイヤーズ6」ボウルの中でもコットンボウルオレンジボウル。前回コットンボウルのアラバマ大とシンシナティ大のプレビュー記事をご紹介しましたが、今回は準決勝第2試合目となるオレンジボウルのミシガン大ジョージア大のプレビュー記事をお届けします。

オレンジボウル(CFP準決勝戦)
ジョージア大 (13勝1敗)

34

ミシガン大 (12勝2敗)

11

🏟 会場:ハードロックスタジアム
📌 場所:フロリダ州マイアミガーデン市
⏰ 日時:12月31日米東部時間午後7時半(日本時間1月1日午前9時半)
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ベースボール・マガジン社 (編集)

ここまでの歩み

ミシガン大

カレッジフットボール界において紛れもなく名門とされるのがミシガン大ですが、彼らが最後にナショナルタイトルを取ったのは1997年と実に25年近く前のこと。また所属するBig Tenカンファレンスのタイトルを取ったのも2004年が最後でもう17年も無冠ということになります。

そんなミシガン大の復活を託されたのが母校の英雄だったジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督。1982年から1986年まで同校にQBとして在籍したハーボー監督は1987年のNFLドラフトでは1巡目でシカゴベアーズに入団。その後複数のクラブを渡り歩き2001年後に引退するとコーチ道へ足を踏み入れます。

2004年にはFCS(フットボールチャンピオンシップサブディビジョン)のサンディエゴ大の監督に就任し初年度こそ7勝5敗だったものの、2年目と3年目には11勝を挙げることに成功。サンディエゴ大程のリソースしか無いチームを短期間でここまで強くしたこの功績は後にも先にもハーボー監督最大の功績と評価する声も聞かれます。

その手腕を買われてスタンフォード大の監督に就任すると4年目の2010年にはQBアンドリュー・ラック(Andrew Luck)氏を擁してチームは12勝1敗で全米4位まで躍り出ます。その翌日には遂にNFLサンフランシスコ49ersの監督に抜擢され2011年から3年連続プレーオフ進出。特に2年目の2012年にはスーパーボウルに進出し兄であるジョン・ハーボー(John Harbaugh)監督率いるボルティモアレイヴンズと対決しました。

ただ2014年度シーズンを8勝8敗で終えるとチーム上層部との権力争いに巻き込まれて4年間で素晴らしい戦績を残したにもかかわらずサンフランシスコとは袂を分かつことになります。そしてそんな折に彼の母校であるミシガン大が次期監督にと白羽の矢を立てたのでした。

2015年の初年度はいきなり10勝と二桁勝利を残し、翌2016年も同じく10勝。歯に衣着せぬ発言と違反ギリギリのリクルーティング力で存在感を表しはしましたが、そこから6年間無冠と期待外れと言われるようになり、さらに輪をかけるようにライバル・オハイオ州立大にも就任以来6連敗。いかにカリスマ性があるとは言ってもここまで結果が出ないと流石に忠誠心の高いミシガン大ファンたちにもそっぽを向かれるようになっていきます。

そんな後のない状況で迎えた2021年度シーズン。下馬評は高くなく開幕時のプレシーズンラキングではトップ25位以内にも入っていませんでした。しかし開幕2連勝を飾るとようやく25位にランクインしますが、その後も引き続き白星を重ね続けて開幕後7連勝で遂に全米6位にまで躍り出ます。そこで迎えたのが同じミシガン州内のライバル・ミシガン州立大との一戦。この試合では37対33で惜敗し今季初黒星を喫してしまいました。

しかしこの敗戦で勢いを完全に落とすことなくミシガン大はその後しっかりと立て直してこの1敗を守り続けます。今季のミシガン大の特徴はグラウンドアタックを軸にした攻撃陣と確かなディフェンス力。これまでのハーボー体制ではプロスタイルが好んで用いられましたが、今年はがらっとスキームを変えて臨みそれが功を奏しました。またハーボー監督はコーチ陣も若返りを敢行し、その結果選手とコーチとの間の風通しが良くなり結果としてチームが今まで以上にまとまったのです。

そして迎えた11月27日。ハーボー監督は6連敗中、そしてチームとしても8連敗という憎き永遠のライバル・オハイオ州立大との一戦。雪もちらつく中ミシガン大はフィジカル面でオハイオ州立大をホームで圧倒。遂に42対27でこのライバリーゲームで勝利し連敗記録をようやく止めたのでした。

Big Tenカンファレンス東地区優勝チームとしてカンファレンスタイトルゲームに初出場したミシガン大(Big Tenの優勝決定戦制度は2011年から導入されたため)。そこでの相手は西地区覇者のアイオワ大でしたがこれを42対3と赤子の手をひねるかのように圧勝。見事に2004年以来のBig Tenタイトルを確保し、悲願のCFP初進出を決めたのです。

ジョージア大

ジョージア大は今季開幕時5位発進。その開幕戦はあのクレムソン大との一騎打ちで数ある開幕戦のマッチアップの中でも過去最大級の注目を集めました。この試合を10対3というロースコアで制しランキングも一気に2位に躍り出ます。

このクレムソン大戦で既に明らかになったのはジョージア大ディフェンス陣の凄まじさです。クレムソン大を3点に抑えたのはもとより、その後も対戦相手に得点を許さずシーズン終盤まで平均失点数が7点を割るというとんでもないユニットを擁していることが分かったのです。

その全米随一のディフェンス力を持って連勝し続けますが、シーズン6週目でそれまで1位だったアラバマ大テキサスA&M大に敗れるという大波乱が起きます。これに乗じて遂にジョージア大が首位の座を獲得。シーズン中盤にはケンタッキー大(当時11位)、アーカンソー大(当時8位)、アーバン大(当時18位)といったランカーとの3連戦をこなしますが、これを難なく料理しこの辺からジョージア大の今季の強さが常軌を逸しているという論調になっていきます。ジョージア大の一強時代が到来したのです。

そのままレギュラーシーズンゲームを12勝無敗で終えたジョージア大はサウスイースタンカンファレンス(SEC)東地区代表として西地区代表のアラバマ大とリーグタイトルを巡って激突するk所とになります。

ここ最近ジョージア大はアラバマ大に6連敗中。またかつてアラバマ大のニック・セイバン(Nick Saban)監督の右腕としてディフェンシブコーディネーターを務め現在ジョージア大を指揮するカービー・スマート(Kirby Smart)監督としてはここまで事あるごとに古巣チームに行く手を阻まれています。2017年度のCFPナショナルタイトル戦然り、2019年度のSECチャンピオンシップ戦然り。

下馬評はジョージア大の圧倒的有利でしたが、蓋を開けてみるとハイズマントロフィー受賞QBであるアラバマ大のブライス・ヤング(Bryce Young)がジョージア大ディフェンスをけちょんけちょんに。またあの強力なフロントセブンがアラバマ大OL陣によって抑え込まれ、これまで平均失点数が約6失点だったのに対しこの試合では相手に41失点。またオフェンス陣も24得点に留まりまさかまさかの敗戦でここに来て今季初黒星。

それでもここまでの勝ち具合が考慮され土壇場で負けはしたもののプレーオフ圏内となる3位に踏みとどまり2017年度以来のCFP進出を決めました。しかし12連勝の後に憎きアラバマ大にまたもしてやられたとあり、流れ的には芳しくありません。この悔しさをバネに出来るかどうかはチーム内のリーダー格である先輩たちの力とスマート監督の手腕にかかっていると言えそうです。


注目の選手

ミシガン大

ハッサン・ハスキンズ(Hassan Haskins、RB)

今季ランファーストオフェンスを敢行したミシガン大の主軸選手。トータルランヤードは1288ヤードでTD数が20個。しかもその半分の数字が最後5試合で捻出されたものであり、それはハスキンズが尻上がりに調子を挙げていることを証明しています。特にライバル・オハイオ州立大での169ヤードのパフォーマンスは圧巻でした。強力なジョージア大ディフェンスにどこまで通用するでしょうか?

ケイド・マクナマラ(Cade McNamara、QB)

今季序盤こそ波があったものの総合的に見れば7年間のハーボー監督指揮下でもっとも頼りになるQBに成長したマクナマラ。ここまでのINTパス数もたったの4つということですが、実はこの内の3つは負けたミシガン州立大戦と大勝負となったオハイオ州立大で犯してしまったもの。今回のジョージア大戦という大舞台で彼がしっかりとボールを死守してターンオーバーを犯さないことが重要になりそうです。

エイデン・ハッチンソン(Aiden Hutchinson、DL)

ディフェンス選手としてハイズマントロフィーレースで2位と躍進したハッチンソン。身長6フィート6インチ(約198センチ)、265パウンド(120キロ)という大柄のフレームながら運動神経、パワー、スピードはピカイチ。将来有望なハッチンソンがジョージア大OL陣をどれだけ押し込めるかに是非注目したいです。

ジョージア大

ブロック・ボワーズ(Brock Bowers、TE)

今年1年生ながらジョージア大のトップレシーバーとなったボワーズ。今季ここまで791ヤードに11TDという数字からもその活躍度が見て取れると思います。そのサイズとスピードから相手ディフェンダーと容易にミスマッチを作り出すことが出来、相手としては大いなる脅威となります。

ジョーダン・デーヴィス(Jordan Davis、DL)

340パウンド(約155キロ)という超巨漢ながら驚くほど機動性の高いDL。相手OLごとポケットを押し込めるその驚異的なパワー、そしてそれに似合わぬ運動能力で相手QBに襲いかかれる稀有な才能の持ち主。その能力からオフェンスのゴールラインプレーで起用されることもあるくらい。来年のNFLドラフトでも最も注目される選手の一人であることは間違いありません。

ナコビ・ディーン(Nakob Dean、LB)

今季ジョージア大ディフェンスでトップとなる61タックルを計上したディーン。またその高い運動能力から「ピックシックス」も披露(フロリダ大戦)。上記のジョーダンと並んで守備陣に必要不可欠な選手となった元5つ星リクルートはタックル・フォー・ロスとQBサックでもチームトップ。おまけにファンブルフォース、パスブレークダウンまで何でもこなせる頼れるLBです。

注目のマッチアップ

ミシガン大DL vs ジョージア大OL

今季ジョージア大にとって唯一の敗戦となったアラバマ大戦では、OL陣がQBサックを3つも許してしまいました。彼らのQBステソン・ベネット(Steston Bennett)はそれなりの機動力があるとはいえ、背が高いわけでもなく潜在能力的にはアベレージなQB。そのステソンの能力を最高までに引き出すためにはOL陣がクリーンなポケットを生み出す必要があります。

ミシガン大DLには上に挙げたハッチンソンの他にデヴィッド・オジャボ(David Ojabo)という将来有望なDLも健在。彼らの繰り出すパスラッシュをジョージア大OLが防ぐことが出来なければジョージア大オフェンスが一辺倒になってしまう可能性が出てきます。

ミシガン大ランオフェンス vs ジョージア大フロントセブン

ここまで述べてきたとおり今季のミシガン大オフェンスはフィジカルでパワフルなランアタックを軸に攻撃を組み立ててきました。それは今季全米10位(1試合平均223ヤード)というランオフェンスが証明しています。鉄壁のOL陣をバックにRBハスキンズならびにブレーク・カーラム(Blake Corum)のツートップで合わせて2000ヤード以上(31TD)を量産してきました。

これに対峙するのがジョージア大ディフェンスですが、今季彼らのランディフェンスは全米3位となる1試合平均81.7ヤード。ミシガン大にとっては今季彼らが対戦してきた他のどのチームよりもランディフェンス力の高いチームです。タイプの似ているチーム同士の対戦においてランでゴリ押ししてきた場合どちらの方に先にひびが入るのか・・・。

ボワーズ vs ミシガン大パスディフェンス

今季自分の目で見てきた中でジョージア大TEボワーズは飛び抜けていい仕事をしていたように思えます。2列目の良いスペースでボールをキャッチすればタックルするのは容易ではありませんし、スピードにのってしまうと3列目まで一気に抜ける能力を持っています。

ミシガン大ディフェンスはラン・パスディフェンスにおいてバランスの取れているチームではありますが、ボワーズは負けたアラバマ大戦でも139ヤードに1TDを記録しており、恐らくこのミシガン大戦でも彼が重用されることでしょうから、ミシガン大としては当然彼のことを研究してくることでしょうね。

総括

ミシガン大はこのCFP初出場となり、狙うは1997年以来のナショナルタイトルです。それを達成するにはジム・ハーボー監督指揮下では最も可能性を秘めているチームだと言えます。

ここまで何かと話題を振りまき続けてきたハーボー監督はここに来てそういったフィールド外での話のネタとなるような言動をシャットダウン。また先にも述べたとおりコーチングスタッフの若返りを図りチーム内の風紀が一新。それに加えて今季最も優れたアシスタントコーチに贈られるブロイルズ賞をオフェンシブコーディネーターであるジョシュ・ガティス(Josh Gattis)氏が獲得。今年はまさに全てが軌道に乗ったシーズンと言えます。

このモメンタムに乗じてこのままカレッジフットボール界の頂点に立たない手はありません。強力なランゲーム、それを利用した効果的なプレーアクションパス、そしてハッチンソン率いる強力なディフェンスを擁し完全なる古豪復活へ向けまずはこのオレンジボウルを勝ち抜きます。

一方ジョージア大は2017年度以来2度目のプレーオフ進出。相変わらずディフェンス力が高いのはヘッドコーチであるカービー・スマート監督ならでは。アラバマ大に負けはしましたが、このディフェンスを容易に止めることは難しくハイズマントロフィー受賞QBブライス・ヤングの存在があったからこその敗戦でした。

そう考えればジョージア大とすればミシガン大の十八番であるランゲームを抑えることに全力を注ぐことで試合の流れを自分たちに引き寄せることが出来るでしょう。そういった意味で先にもご紹介したようにミシガン大OL陣との力比べは非常に楽しみな部分です。

彼らの勝利の鍵を握っていると思われるのはQBベネットの存在。もともとウォークオン選手(スポーツ奨学金をもらっていない、高校生時にあまりリクルートされなかった選手)だったベネットですが、もともとの先発QBで5つ星リクルートだったJ.T. ダニエルズ(J.T. Daniels)が怪我で出遅れたために先発を任されそのまま定着した選手。

今年はここまで強力なディフェンス陣の存在もありベネット自身が試合の流れをどうにかする必要がまったくなかったのですが、アラバマ大戦では今季初めて追う立場に置かれ、得点しなければならないという状況に陥ったときベネットのボロが少しだけ出たような気がします。ですからミシガン大戦でリードを許すような展開になってしまった場合にベネットで追いつくことが出来るのかという不安要素を見たような気がしました。

またジョージア大のディフェンシブコーディネーターであるダン・ラニング(Dan Lanning)氏はレギュラーシーズン後にオレゴン大の新監督に就任が決定。現在オレゴン大の監督とジョージア大のディフェンシブコーディネーターの二足のわらじを履いている状況。この環境でラニング氏がミシガン大オフェンス対策にどれだけの時間を割くことが出来ているのかも気になるところです。

🚨朗報🚨

今年は「日テレジータス」でオレンジボウル他合計5つの試合が生放送されますよ!是非この機会にこのビッグゲームを日本で観戦してみてください!

>> 詳しくはこちら

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