2020年春に新型コロナウイルスのパンデミックに襲われたアメリカならびに全世界。その影響でカレッジフットボール界ではその年の春季トレーニングは中止となり、秋シーズンは開幕にはこぎつけたものの、試合数が減ったり、交流戦が無くなったり、無観客試合になったり、ウイルス観戦により試合が延期ないし中止になったりとかなりごたごたしたシーズンとなりました。
2021年度シーズンはパンデミック自体はまだ収束していなかったとはいえ、観客も普段通り動員され、試合の方はFBSでは1試合(サザンカリフォルニア大vsカリフォルニア大)のみの延期ということでほぼ通常通りの運びとなっていました。
しかしつい先日新たな変種であるオミクロン株の蔓延がアメリカ内で爆発的に増え、全米中で再び感染者の数が増えています。実は私の子供の学校も2週間前に学年閉鎖となりリモート授業に舞い戻ってしまいました。
南アフリカでオミクロン株が見つかったという一報が入ってから1ヶ月も経っていないのにアメリカでは過半数がオミクロン株に取って代わられているなんて言われており、その感染スピードの速さから各地で新規ケース数が激増しているのです。
スポーツ界においてもNBAはもとよりNFLでも各チーム内で感染者が増え試合開催が延期されるゲームも出るほどに。まさに2020年度のフラッシュバックといったところでしょうか。
そしてその波は漏れることなくカレッジフットボール界にも押し寄せています。
テキサスA&M大がゲーターボウル出場辞退へ
昨年パンデミックの影響でキャンセルとなってしまったボウルゲームは約15試合ありました。元々開催しないといったボウルゲームもあれば、マッチアップが決まった後に参加チームでクラスター感染が起こって参加不可能となってしまったケースもあります。
そして今回このオミクロン株による再感染の波により遂に今年のボウルゲームにも影響が及ぶことに。というのも12月31日に開催予定のゲーターボウルに出場するはずだったSEC所属のテキサスA&M大がチーム内での感染者数の増加および怪我でプレーできる選手が少なくなってしまったためにこのゲーターボウル出場を見合わせるという決断を下したのです。
Due to a combination of COVID-19 issues within the program, as well as season-ending injuries, the Texas A&M football roster is not in a position to safely participate in the upcoming Dec. 31 TaxSlayer Gator Bowl against Wake Forest.
— Texas A&M Football (@AggieFootball) December 22, 2021
ゲーターボウル側は開催中止ではなくテキサスA&M大の代わりとなる参加チームを2日以内に決めたいとしていますが、既にボウルゲーム出場しないと決まったチームの選手らはクリスマス休暇で実家に帰ってしまっている可能性が高く、このタイミングで選手らを呼び出し、相手(ウェイクフォレスト大)をスカウトし、練習する時間などあるのでしょうか・・・(まあ1週間あるから可能ではあるのかもしれませんが)。
今の所今季5勝7敗と負け越したBig Tenカンファレンスのイリノイ大が興味を示しているだとか、既に12月18日にニューオーリンズボウルに出場したマーシャル大が興味を示しているだとか言われていますが、一体どうなるでしょうか。
マイアミ大も・・・
また12月31日に開催予定のサンボウルに出場することになっているマイアミ大でも部内感染が確認され新型コロナウイルスに関するプロトコルが発動されたそうです。詳しいプロトコルの内容は明らかにされていませんが、過去の事例から察するに恐らく数日間のチーム活動自粛などが挙げられそうです。
マイアミ大は当初クリスマス翌日にサンボウルが行われるテキサス州エルパソ市入りする予定でしたが、これも今の所どうなるかは分かっていません。主催者側は健康第一にプレー可能であればいつエルパソに到着しても構わないといっていますが、そのエルパソ市ではここ1週間の陽性率が14%を超えています。通常5%を超えれば異常事態だと言われる中でこの数字ですから一体どうなることやら、です。
アラバマ大でも・・・
同じく12月31日に予定されている、カレッジフットボールプレーオフ(CFP)の準決勝第1試合目であるコットンボウルに出場するアラバマ大でも新型コロナの脅威を食い止めることは出来なかったようです。
というのもオフェンシブコーディネーターのビル・オブライエン(Bill O’Brien)とOLコーチのダグ・マローン(Doug Marrone)両氏が新型コロナウイルスに感染。現在自宅待機を余儀なくされているそうです。
もっともふたりとも試合当日までにはチームと合流出来るそうなのでタイミング的には不幸中の幸いと言えそうですが、ニック・セイバン(Nick Saban)監督は昨年のパンデミック中と同じような厳重な予防線を張ることをチームに通達したとか。ここまで来てウイルスの影響で試合ができなくなったら元も子もありませんからね。
ちなみにこのオブライエン氏とマローン氏、彼らは昨年までNFLで監督を務めていた人物(オブライエン氏はテキサンズ、マローン氏はジャガーズ)。
CFPも・・・
そのアラバマ大が出場するCFPも今回の新型コロナの再増加に伴ってもしもの事態に備えたポリシーを発表しました。その中身は以下の通り。
- 準決勝戦で参加できないチームが出た場合は参加できるチームの不戦勝となる。
- もしどちらかの準決勝戦で2チームとも参加できない場合はもう一方の準決勝戦がナショナルタイトルゲームとなる。
- もし4チーム中3チームが出場不可能となった場合、残ったチームが自動的にナショナルチャンピオンとなる。
- CFPナショナルチャンピオンシップゲームが新型コロナの影響で1月10日に開催不可能な場合1月14日まで延期とする。もし1月14日までに開催されない場合は今シーズンのナショナルチャンピオンは空きとなる。
一番びっくりしたのは最後のポリシー。1月14日までに試合が行えなければ今シーズンは王者なしとなる・・・。これだけは何とか避けてほしい。というかこのポリシーが使われないことを祈るばかりですが、CDC(米国疾病予防管理センター)の推測によるとオミクロン株による新規感染者の数は過去最高となることが予想されており、予断を許しません。
しかしまさかここに来てこんな状況に陥るとは夢にも思いませんでした・・・。
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2021年度は新型コロナの影響をほぼ受けることなくここまでやってきましたが、オミクロン株の拡散による最近の新規感染者数の急増加によりアメリカ国内ではNFLなどのスポーツが影響を受けています。そしてその波はカレッジフットボール界にも・・・。
— Any Given Saturday (@ags_football1) December 23, 2021
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