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オフシーズン便り#6【2020年】

オフシーズン便り#6【2020年】

昨年度のジョージア大のリクルーティング費用

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リクルーティングがチーム育成の側面において大変重要なことであることはこのサイトでもたびたびお伝えしていると思います。そのために各チームは他チームと差をつけるために様々な手法でリクルーティングに力を入れています。

そして往々にしてそれにはお金がかかるわけですが、ここ数年リクルーティングランキングでトップ3に顔を並べているジョージア大はそのリクルーティングに惜しみない投資をしているようです。

その証拠に昨年度彼らがリクルーティングに費やした総額が驚きに370万ドル(1ドル100円計算で約3億7000万円)だったというのです。

その経費とはコーチが目当ての選手がプレーする高校に赴くための移動費や滞在費だったり、そういった選手たちをキャンパスに招待するキャンパスツアー(オフィシャルビジット・アンオフィシャルビジット)のための諸費だったり、もっと言えばリクルーティングのために使われた携帯電話の使用費だとかリクルーティング関連の諸用費全てをひっくるめた金額となります。

それだけのためにとんでもない額の資金が費やされたわけですが、チームが強くなってカンファレンスタイトルを獲ったりメジャーボウルゲームに出たりCFP(カレッジフットボールプレーオフ)ナショナルチャンピオンシップゲームなどに出場すればその経済効果は桁違いですから、ジョージア大にとってこの多額のリクルーティング費用はそのための投資費だと考えられていると思います。

実際4季目を終えたカービー・スマート(Kirby Smart)監督体制となってリクルーティングに拍車がかかって以来、ジョージア大のフィールドでの結果は目覚ましいものがあり、リクルーティングの面でもこれまでの「キング」であったアラバマ大を脅かすほどの勢いを持っています。故に370万ドルというリクルーティング費用もかけた甲斐があったということになりそうです。


クレムソン大QBブライスの転校先

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上に挙げたようにリクルーティングがどんどん加熱する一方でジョージア大やアラバマ大などの資金が潤沢な名門校とそうでない大学でのリクルーティングの格差は開くばかりという事実もあります。

トップチームたちはそういった資金力とブランド力によって俗に言う「ブルーチップ」と呼ばれるような5つ星ないし4つ星という高評価を得るリクルート(高校生選手)をチームに呼び寄せることが出来るわけですが、一方でその副産物として強いチームだと同じポジションでの競争率が激化する傾向も見られます。

例えば中堅校だったら先発を張れるのに強豪校だったらバックアップに甘んじてしまうという状況は結構あります。それは選手がその強豪校に在籍するという事実だけで十分ならばそれもありかもしれませんが、多くの選手は自分がスターターとしてやれるという自負があれば試合出場機会を求めて転校していく(トランスファー)ことも考えられます。

またプロ志向が年々強くなる今日、自分が上のレベルでやりたいと思うならば誰かのバックアップを務めるために実戦経験が減るよりも別のチームで試合に出れたほうがNFLスカウトの目にも留まりやすくなるというものです。

そんな経緯でクレムソン大からもある逸材が自身のプレー経験を増やすために流出していきました。

現在CFPに5年連続出場を果たしている強豪クレムソン大には現在不動の先発QBトレヴァー・ローレンス(Trevor Lawrence)が健在ですが、2シーズン前には開幕時の先発QBだったケリー・ブライアント(Kelly Bryant)がシーズン中にローレンスに先発の座を奪われ、直後にチームを退部しミズーリ大へ転校していったということが起きました。

この時ローレンスが初めてフルタイムの先発出場を果たしたシラキュース大戦で彼は頭部に激しいタックルを受け欠場を余儀なくされました。ブライアントはすでにこの時チームを離れていましたので、ローレンスの代役を務めたのがチェイス・ブライス(Chase Brice)。追う展開で迎えた第4Qにチームはブライスの活躍でアップセットを逃れたという試合でした。

その後は主に試合の結果が決定づいたゲーム終盤に登場するにとどまったブライス。ただローレンスというハイズマントロフィー級の先発QBがいる限りブライスに先発出場の機会は訪れません。そこでブライスは名門クレムソン大からトランスファーする決断を下したわけです。

そのブライスが選んだ新天地はクレムソン大が所属する同じアトランティックコーストカンファレンス(ACC)のデューク大。ここにはあのマニング兄弟(ペイトン=元テネシー大、イーライ=元ミシシッピ大)を指導したデヴィッド・カットクリフ(David Cutcliff)監督がおり、また大学自体は学術的に全米でも有数の名門校。現ニューヨークジャイアンツのQBダニエル・ジョーンズ(Daniel Jones)もデューク大出身ということでブライスにとってはプラスな面が多々あったのでしょう。

ちなみにクレムソン大とデューク大は今後2年間レギュラーシーズン中に対戦することはありませんが、もしそれぞれが地区優勝を果たせばカンファレンスタイトルゲームで相まみえる可能性はあります。そうなればブライスにとっては大変意義のある対戦となりそうです。

アリゾナ州立大の強力な守備コーチ陣

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2003年から16年間に渡りシンシナティベンガルズの監督を務め2018年度シーズ後にチームを解雇されたマーヴィン・ルイス(Marvin Lewis)氏ですが、昨シーズンに盟友ハーム・エドワーズ(Herm Edwards)監督率いるアリゾナ州立大に特別補佐としてカレッジフットボールの世界に戻ってきていました。

特別補佐とは取って付けたようなタイトルですが、コーチではないので選手を直接指導することは許されないため、昨年は相手チームのフィルムの解析、そしてそれを元に試合の戦略を練る手伝いをしていたようです。

そのルイス氏ですが今オフに特別補佐から共同ディフェンシブコーディネーターに格上げとなりました。これで実際にフィールドに立って選手を自らコーチすることが出来るようになりましたし、これまで蓄積されたルイス氏の経験値を更にチームに還元できるようになります。

先にも述べたとおりルイス氏は16年間NFLのヘッドコーチを務めそれ以前にもNFLの世界で生きてきたコーチですが、カレッジフットボールでコーチとして携わるのは1991年以来のこと。このときはピッツバーグ大でLBコーチを務めていました。

そして共同ということでもう一人DCがいるわけですが、ルイス氏と共にアリゾナ州立大ディフェンスを担うのがかつてワシントンレッドスキンズニューヨークジャイアンツでLBとして活躍したアントニオ・ピアース(Antonio Pierce)氏。2008年のスーパーボウル(第42回)でジャイアンツのメンバーとして優勝を経験もしている人物です。

アリゾナ大出身のピアース氏がそのライバル校であるアリゾナ州立大で選手を指導するというのも奇妙な話ではありますが、どちらにしてもルイス氏とピアース氏というNFL経験者がディフェンスを操るということで、これは同じくNFL経験が豊富なエドワーズ監督の人脈の太さを表していますね。今後の彼らの活躍が楽しみです。

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