オフシーズン便り#2【2020年】 - ANY GIVEN SATURDAY

オフシーズン便り#2【2020年】

オフシーズン便り#2【2020年】


ヤング氏のトロフィーが・・・

ここ10年位アメリカではストアレジサービスが流行っています。

ストアレジサービスとは貸倉庫のことですが、コインロッカーを借りるような手軽さで畳一畳くらいの大きさがあるスペースを月々借りることができるのです。収納スペースがない人達にとっては便利なサービスです。かくいう筆者もかつて使ったことがあります。

ただ月契約(もしくは年契約)ですのでその都度使用料を支払わなければなりません。そして支払いが滞れば当然サービスは受けられなくなります。

そしてストアレジサービスで支払いが滞るとどうなるか・・・倉庫に入れられているものすべてを撤去・オークションにかけられてしまうのです。

そんな感じで支払い滞納により倉庫の中身を売り払われてしまった元カレッジフットボーラーがいます。元テキサス大ヴィンス・ヤング(Vince Young)氏です。

Embed from Getty Images

テキサス大時代のヤング氏

しかもその中にはあの「世紀の一戦」と言われた2005年度のローズボウル(vs USC)で獲得したMVPトロフィーや、ベストQBに贈られるマックスウェル賞マニング賞などのトロフィーが相次いで含まれていたそう。

その他にはテネシータイタンズで獲得したプロ初TDを奪ったときの記念すべきボールとかヘルメットとかも混じっていたそうです。オークションでこれらを獲得した女性はトロフィーを1つにつき5万ドル(1ドル100円計算で約500万円)でアメリカの大手オンラインオークションサイトであるeBayに掲載。しかし彼女はもしヤング本人が買い戻したいのなら配慮すると語っています。

つい先日ヤング氏がカレッジフットボール殿堂入りしたという記事を載せたばかりですが、彼には上のようにあまり歓迎できないニュースもちらほら聞かれます。かつての輝きを知るものとしては残念としか言いようがありません。


アップルがPac-12ゲームをストリーム?

スポーツイベントに限らず様々なコンテンツがストリーミングで視聴可能になっている現在、カレッジフットボール界にもそのトレンドは訪れており、大手スポーツ専門局であるESPNだけでなく、各カンファレンスも独自のメディアネットワークを保持して様々な大学スポーツをインターネットで観戦できるような環境を整えています(もちろん有料です💲💲💲)

そんな中SECBig Tenなどの「パワー5」カンファレンス群の中でこの分野において遅れを取っているPac-12カンファレンスがあのアップル(Apple)とタッグを組む・・・かもしれないという話が流れてきました。

まだ話は初期の段階であり何も決まってはいないようですが、両陣営が会話の席に座ったことは確認されています。アップルのような世界規模の会社と業務提携を結ぶことができればPac-12カンファレンスのブランディングアップににはもってこいです。

3時間の時差のためにPac-12の試合は中々お茶の間に届けられないという事実は昔からあり、それが「West Coast Bias」(西海岸に不利な偏見)となってPac-12チームのカレッジフットボールプレーオフ(CFP)出場の足かせとなっていると囁かれています。

もしアップルがApple TVやApple+などのストリーミングサービスでPac-12の試合をより手軽に視聴者に届けることができればこの偏見は変わるかもしれませんね。


ヒューストン大への制裁

アメリカンアスレティックカンファレンス(AAC)所属のヒューストン大は2018年度の8勝のうち3勝を剥奪される制裁をNCAAから下されました。

というのもこの年部員2名が規則に反してチューター(家庭教師のようなもの)にお金を払い論文を代わりに書いてもらっていたことが発覚し、その二人が出場していた試合のうち勝ち試合を無効にしなければならなくなったからです

2018年度は前監督であるメジャー・アップルホワイト(Major Applewhite)氏最後となったシーズンでトータルは8勝5敗でしたが、この制裁のせいで5勝8敗に成績が書き換えられてしまいました。

ちなみに2019年度は解雇されたアップルホワイト氏に代わってウエストバージニア大からやってきたダナ・ホルゴーセン(Dana Holgorsen)監督が指揮を取りましたが結果は4勝8敗と撃沈。来年戻ってくるはずだったスターQBデリック・キング(D’Eriq King)は裏切って心変わりをしてヒューストン大を出てマイアミ大へ転校したことが分かっており、ホルゴーセン監督としては苦難の船出が続いています。


マイアミ大の粋な計らい

これはアーリーサイニングピリオドに起きた話ですので少し古い話題なのですが、紹介しない訳にはいかないと思ったのでご紹介します。

先日にも紹介しましたが、アーリーサイニングピリオドとは、長い間慣例とされてきた2月に行われるナショナルサイニングデー(高校生が進学先を公表して署名にサインする日)を前倒しにできる12月後半に設定された3日間のことです。

高校生のコルビー・シングルタリー(Colby Singletary)君は生粋のマイアミ大ハリケーンズファンであり、このチームでプレーすることが子供の頃からの夢でした。そのコルビー君はバッファロー大サザンミシシッピ大トロイ大という中堅校からのスカラシップ(スポーツ奨学金)のオファーを頂いていたもののお目当てのマイアミ大からは残念ながらスカラシップのオファーはありませんでした。

それでも憧れの大学への進学を諦められなかったコルビー君は父親にスカラシップなしで自ら志願入部する「ウォークオン」でもいいからマイアミ大でプレーしたいという気持ちを伝えていました。

大学での授業料を免除されるスカラシップがあるのと無いのとでは金銭的な負担は桁違いです。それを重々承知していながらコルビー君はマイアミ大への進学を決意していたのですが・・・。

昨年7月、彼は交通事故のために亡くなってしまったのです。

そして12月。この話を聞いていたマイアミ大は亡くなってしまったコルビー君にプリファード・ウォークオン(Preferred Walk-on、スカラシップは授与されないものの大学からリクルートされて入部を許可された選手)としてマイアミ大に「入部」する手続きを始め、その書類がシングルタリー家に届けられました。そして12月18日、コルビー君の通っていた高校で彼のお父さんが代わりにこの書類に署名。息子の夢をしっかりと叶えたのでした。

マイアミ大をはじめこれが現実のものとなるために動いた全ての大人達に拍手を贈りたいと思います!

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