2020年NFLドラフト終わって・・・【その2】 - ANY GIVEN SATURDAY

2020年NFLドラフト終わって・・・【その2】

2020年NFLドラフト終わって・・・【その2】

今年のドラフトが終わって早3日。1巡目から7巡目までの指名合戦が終了しまずは一息といったところですが、7巡目が終わって間もなく今度はドラフトに漏れた選手たちのドラフト外フリーエージェント(UDFA)契約の駆け引きが始まっています。

ドラフトされたからと言ってすべての選手たちが実際に最終的な53人ロースター入り出来るまで生き残れるかと言ったらそんな保証は何処にもありません。UDFAで契約にこぎつけた選手にしてみればチームの一員として無事にシーズンを迎えられる確率というのはさらに減るわけです。

それでも子供の頃から夢にまで見たNFLの大舞台に立つべく、ドラフトされた選手もUDFAで僅かな望みを手にしようとしている選手たちもこれからの数ヶ月を過ごしていくわけです。

そんな様々な人達の思いが詰まったドラフトでしたが、今回も前回に引き続きカレッジフットボールファンの目線で振り返ってみたいと思います。

第2日目(2巡目〜3巡目)

金曜日に行われた第2日目には2巡目と3巡目の選手指名が行われました。1巡目に最大級の注目が集まることは言うまでもありませんが、戦力的には2巡目3巡目の選手も長い目で見るとチームに大いに貢献する選手が沢山おり、ここで選ばれた選手たちが1巡目の選手たちを喰うことは十分ありえることです。

1巡目はルイジアナ州立大アラバマ大ジョージア大などが所属するサウスイースタンカンファレンス(SEC)出身選手が32人中15人とほぼ半数を占めるという圧倒的強さを見せましたが、第2日目を終えた時点でもやはり今ドラフトを席巻したのはSECでした。

2番手のBig Tenカンファレンス(17)にダブルスコアの差をつける40人を輩出したSEC。そしてその中でも昨年度全米覇者のルイジアナ州立大はこの時点で10人がプロチームに選ばれていきました。これは1巡目から3巡目までの結果だけでみると同一大学チームから指名された選手数で過去最高の記録。これならば完全無敗(15勝0敗)で全米の最高峰に立ったことも頷ける話です。

また9人が選ばれて2番手となったアラバマ大もSEC所属。この2チームだけで合計19人ということでSEC出身選手の約半数を占めました。SECが凄いのは確かなのですが、この2チームのタレントの高さが突出しています。しかも両チームともSEC西地区所属というのですからこの地区の競争率の高さは尋常ではないです。


3日間の全工程を終えて・・・

出身大学別ドラフト選手数

第3日目の4巡目から7巡目は怒涛のごとく過ぎ去っていきました。その結果3日間で255人もの選手が夢への切符を手に入れたわけですが、出身大学ごとの指名選手数をちょっと見てみましょう。

No. チームR1R2R3R4R5R6R7
1ルイジアナ州立大ルイジアナ州立大523201114
T2オハイオ州立大オハイオ州立大313001210
T2ミシガン大ミシガン大110125010
4アラバマ大43200009
T5ジョージア大21011117
T5クレムソン大21120017
T5フロリダ大11210117
T5ユタ大ユタ大01311107
T9アーバン大21011106
T9ノートルダム大02111106
T11ペンシルバニア州立大ペンシルバニア州立大02010205
T11アイオワ大11100075
T11ミシシッピ州立大ミシシッピ州立大01200025
T11テキサスクリスチャン大21100015
T15オクラホマ大21100004
T15ベイラー大01010114
T15マイアミ大00021014
T15オレゴン大10011104
T15サウスカロライナ大10110014
T15テンプル大00101114
T15ウィスコンシン大01111004

ご覧になって分かる通りルイジアナ州立大が合計14人となりダントツトップ。14人という数字はSEC所属チームとしては過去最高のもの。そしてドラフトが7巡制度になってからの記録としては2004年にオハイオ州立大が樹立したそれまでの最高記録に並ぶものとなりました。

ちなみに史上最多となる指名選手を輩出したチームは1984年のテキサス大。ただこの年のドラフトは12巡制度を敷いていたためこのような数字が出たわけで、おそらくこの記録が破られることはまず無いでしょう。が、14人という数字はどちらにしても今年のルイジアナ州立大のタレント力の高さを物語る記録となりました。

1巡目から3巡目の結果はルイジアナ州立大(10)アラバマ大(9)とこのSEC西地区の二巨塔が突出していましたが、アラバマ大はその後数字を伸ばすことができず、そのすきにBig Tenカンファレンスの雄・オハイオ州立大ミシガン大がそれぞれ10人ずつ指名選手を輩出してアラバマ大を抜き去りました。

オハイオ州立大はここ何年も安定した強さを見せており、一昨年引退したものの名将アーバン・マイヤー(Urban Meyer)元監督の息のかかった選手たちが軒並みプロ入りを果たしました。彼らのリクルーティング力及び選手育成力は流石というところですが、それをさらに裏付ける事実が。

1-2-3フィニッシュがすべてオハイオ州立大がリクルートした選手だったという驚異の事実。マイヤー元監督勇退後はライアン・デイ(Ryan Day)監督という若手のホープがチームを率いていますが、昨年は見事にカレッジフットボールプレーオフ(CFP)出場を果たしており、引き続き彼らの強さを拝めそうです。

一方ミシガン大はジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督体制で5シーズン目を終えましたが、未だライバル・オハイオ州立大の牙城を崩すことが出来ていません。リクルーティングでも近年は遅れを取り始めていますが、少なくとも出身選手をプロに送り出すという面ではオハイオ州立大に並ぶことができ何とかメンツを保ったと言えそうです。

4位の名門アラバマ大は今年二桁の大台に届きませんでした。といっても記述の通り1巡目から3巡目までに9人を送り出したというのは1-3巡目に選ばれるだけの価値のある選手が多く在籍してということに変わりわなく、やっぱり流石だなという感じ。

しかも彼らは4人のファーストラウンダーを生み出しており、これで12年連続で最低でも1人が第1巡目選手となったチームとなりました。10年以上この記録を更新し続けているのは彼らのみであり、過去に遡れば1995年から2008年の14年連続で達成させたマイアミ大のみ。この流れを見ればアラバマ大がマイアミ大の記録を抜くのは時間の問題と思われます。

このリストと昨年のものを比べると面白いことに気付かされます。まずは大御所と言われるテキサス大テキサスA&M大フロリダ州立大といったチームの名前が見られないこと。テキサス大は今ドラフトで3人が指名されており、上記のリストにギリギリ乗らなかった程度でしたが、テキサスA&M大は2人、フロリダ州立大に至ってはたったの1人と寂しい結果に終わっています。

さらに昨年のリストを見てみてください。

No. チームR1R2R3R4R5R6R7
1アラバマ大311131010
2オハイオ州立大オハイオ州立大21220119
T3オクラホマ大21121108
T3ワシントン大13012018
T5ジョージア大11011127
T5テキサスA&M大01102217
T7クレムソン大31011006
T7ノートルダム大10120116
T7ミシシッピ大03100026
T7ペンシルバニア州立大01111116
T7アーバン大00111126

今回ドラフトで大暴れしたルイジアナ州立大は昨年このリストに載りませんでした(3人)。逆に昨年8人と躍進したワシントン大や先ほど紹介したテキサスA&M大、さらにミシシッピ大なども今年は昨年の数字を下回る結果に。

つまり毎年コンスタントにプロ級のタレントを世に送り出すことがいかに難しいかということと、それと同じように毎年コンスタントにプロ級の選手を送り出すことに成功しているアラバマ大、オハイオ州立などの凄さが目立つということが言えると思います。

カンファレンス別ドラフト選手数(FBS)

サウスイースタンカンファレンス(SEC)63
Big Tenカンファレンス48
Big 12カンファレンス32
アトランティックコーストカンファレンス27
Pac-12カンファレンス21
アメリカンアスレティックカンファレンス(AAC)17
カンファレンスUSA10
マウンテンウエストカンファレンス(MWC)10
独立校/無所属9
サンベルトカンファレンス7
ミッドアメリカンカンファレンス(MAC)2

まあここまで読んでいただければこの数字を見ても驚かれないとは思いますが、SECがここでもトップとなりました。昨年自身が記録した最多レコード(64)には僅かに及びませんでしたが、2番手のBig Tenカンファレンスに15人の差をつけて首位の座に。これで実に14年連続SECがドラフト指名選手を出した最多カンファレンスとなったのです。

さらにそのSECを地区別に見るとルイジアナ州立大、アラバマ大、アーバン大、ミシシッピ州立大らが所属する西地区は38人、ジョージア大、フロリダ大、サウスカロライナ大らが所属する東地区は25人ということで地区だけでも他のカンファレンスを凌駕するという結果になりました。

FBS(フットボールボウルサブディビジョン、旧NCAA一部A)の中でも上位カンファレンス群とされる「パワー5」(ACC、Big 12、Big Ten、Pac-12、SEC)とそれ以外の「グループオブ5」(AAC、C-USA、MAC、MWC、Sun Belt)の差も著しいです。「パワー5」の合計が191人に対して「グループオブ5」の合計が46人と圧倒的。同じFBS所属でもこの2つのグループの差は比較にもなりません。それだけタレントのレベルが偏っているということです。


名門じゃなくても!

ただそんな中FBSの下部組織とされるFCS(フットボールチャンピオンシップサブディビジョン、旧NCAA1部AA)からは6人、さらにNCAA1部よりも下の2部と3部から3人の選手が見事ドラフトを経てプロ入りを果たすことが出来ました。

その最たる人物が2巡目総合37番目にニューイングランドペイトリオッツから指名されたカイル・ドゥガー(Kyle Dugger)です。セーフティーのデュガーはNCAA2部所属のレノアライン大出身。カレッジフットボールを20年追いかけてきた筆者ですが、このレノアライン大というのは今回で初耳。実はNCAA3部のチームのほうがニュースになったりする頻度が高いのでNCAA2部のことは私も良くわからないのです。

しかし腕さえあれば所属するリーグなど関係ないところも「アメリカンドリーム」を地で行くようで嬉しいですし、下部リーグから参戦する選手には肩入れしてしまいますよね。

実際のところFBS出身でなくてもNFLで大成する選手は少なくありません。例えば・・・

フィル・シムス(Phil Simms):モアヘッド州立大
→ 1979年ドラフト第1巡7番目

カート・ワーナー(Kurt Warner):ノーザンアイオワ大
→ 1994年ドラフト外フリーエージェント

スティーヴ・マクネアー(Steve McNair):アルコーン州立大
→ 1995年ドラフト第1巡3番目

リッチ・ガノン(Rich Gannon):デラウェア大
→ 1987年ドラフト第4巡98番目

トニー・ロモ(Tony Romo):イースタンイリノイ大
→ 2003年ドラフト外フリーエージェント

ロドニー・ハリソン(Rodney Harrison):ウエスタンイリノイ大
→ 1994年ドラフト第5巡145番目

ジェリー・ライス(Jerry Rice):ミシシッピバレー州立大
→ 1985年第1巡16番目

テレル・オーウェンズ(Terrell Owens):テネシー大チャタヌーガ校
→ 1996年第3巡89番目

シャノン・シャープ(Shannon Sharpe)サヴァンナ州立大
→ 1990年ドラフト第7巡192番目

マイケル・ストレイハン(Michael Strahan)テキサスサザン大
→ 1993年第2巡40番目

とこのようにマイナー(失礼!)な大学出身でもやってやれないことはないわけです。ですからドゥガーにしろその他のFBS以外のカンファレンス出身選手たちにはぜひとも周囲をギャフンと言わす活躍をしていただきたいものです。

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