これまでにも何度も紹介しましたが今年のNFLドラフトはソーシャルディスタンスの指示を受けてバーチャル方式で行われることになっています。
長いドラフトの歴史の中でもこのようなことは初の試みとなりますが、昔と違い現在のドラフトは商業的な意味合いもかなり色濃くなってきており、ただ単に選手を指名するだけでなくそれをどのように伝達しどのようにTV放映やストリーミングしていくかなどはドラフトを行う上で非常に重要な側面となっています。
テクノロジーが発展し誰もがどこにいても繋がれるようになった今日ではありますが、ネット技術が完全に安全で保護されているということはありません。今回のドラフトはそういったテクノロジーを介して行われるわけですが、前例が無い以上手探りで開催していく感は否めません。
先日の記事では本番のドラフトに先立ち各チームの首脳陣がリハーサルとしてモックドラフトを行うということを紹介しましたが、現地時間の月曜日にその予行練習が実際に行われたそうです。
報道によると第1巡目第1番目の指名権を持っているシンシナティベンガルズが技術的ミスで指名時間を2分半もオーバーしてしまうというアクシデントで出鼻をくじかれたようですが、結局このアクシデント以外目立った事故はなく何とか予定されていた2ラウンド分のモックドラフトを終えることが出来たそうです。
果たして本番でも何事もなく穏便にドラフトは進んでいくのか・・・。こればっかりは始まってみないと分かりませんが、見ている観客としては「なにかハプニングが起こらないかなぁ」なんて無責任が期待をしてしまいます(笑)。
兎にも角にもそのドラフトまで後数日となりましたが、当サイトで行っているドラフト注目選手を浅く紹介するこのシリーズ、今回はLB編です。
4月23日(第1日目):第1巡目
4月24日(第2日目):第2巡目&第3巡目
4月25日(第3日目):第4巡目〜第7巡目
アイゼア・シモンズ(クレムソン大)
今ドラフトのディフェンス選手の中でも総合的にみて3本の指に入ると言っても過言ではないほどの運動神経を持っているクレムソン大出身のアイゼア・シモンズ(Isaiah Simmons)。オリジナルのポジションはLBですが、その能力からCB、エッジラッシャー、Sまでこなせてしまう、ドラクエで言ったら「賢者」のような存在(歳がバレるか?)
ただ何でも出来てしまうためにLB一本で考えたときに最強のLBなのかと聞かれれば正直答えに迷いますが、彼のようなマルチタレントプレーヤーは稀であり、そんな彼をドラフトしないのはもったいなさすぎるというものです。
ケネス・マレー(オクラホマ大)
オクラホマ大出身のケネス・マレー(Kenneth Murray)もスピードに長ける俊足LB。その嗅覚とタックル力でハイエナのごとく数々の相手選手をフィールドに叩きつけてきました。運動神経もシモンズに負けじと劣らないものを持っており、球際の瞬発力と相まって相手にとっては非常に嫌なディフェンダーです。
パスディフェンダーとしてはシモンズに劣るのは確かではありますが、LBとして考えればマレーも十分チームに貢献することが出来る素質を持っていると言えます。
パトリック・クイーン(ルイジアナ州立大)
昨年度の全米覇者であるルイジアナ州立大ディフェンスの司令塔として活躍したパトリック・クイーン(Patrick Queen)。フィールドを瞬時に分析できるフットボール知能の高さ、ボールがスナップされてからの半端ない爆発力、それによる破壊力抜群のブリッツ。スクリーンなどのトリッキーなプレーにも柔軟に対応し、ある程度のパスカバレージもこなせるオールラウンドプレイヤー。
ただ純粋なパワーという面ではちょっと物足りないと感じるところもあり、またルイジアナ州立大では実質先発出場シーズンは昨年度のみということで彼を査定するにはサンプルサイズが少なめなのですが、それを考慮しても2巡目、ひょっとしたら1巡目後半という線もあるかもしれません。
ザック・バーン(ウィスコンシン大)
昨年度12.5QBサックに19.5TFL(タックル・フォー・ロス)という素晴らしい数字を残したザック・バーン(Zach Baun)。身長6フィート2インチ(約187cm)に238パウンド(約107kg)とプロのLBとしては少々小柄ですが、それに見合わぬ活躍を大学では見せ続けてきました。
パスカバレージも卒なくこなしパスラッシャーとしての存在感も十分。体格のせいで万能LBという使われ方よりはピンポイントの局地戦で威力を発揮しそうです。
その他の候補者たち
アキーム・デーヴィス・ゲイサー(Akeem Davis-Gaither、アパラチアン州立大)
トロイ・ダイ(Troy Dye、オレゴン大)
ウィリー・ゲイ(Willie Gay Jr.、ミシシッピ州立大)
マリク・ハリソン(Malik Harrison、オハイオ州立大)
ローガン・ウィルソン(Logan Wilson、ワイオミング大)
デヴィオン・テイラー(Davion Taylor、コロラド大)
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