ミシガン大にジム・ハーボー(Jim Harbaugh)監督が就任してから早くも3シーズンが過ぎました。就任直後からリクルーティングにおいて様々な変化球を投げ続け、賛否両論ありながらもハーボー監督指揮下のミシガン大はブランド力を一気に上げてリクルーティングランキングで就任後2年連続トップ10に食い込む大躍進を遂げました。
カレッジフットボール界の名門・ミシガン大
彼の手法はこれまで誰も思いつかなかった、もしくは思いついていても誰も手を出さなかったような、NCAAのルールを掻い潜る巧みな方法でリクルーティングを実施。例えばサテライトキャンプと称して全国を行脚してみたり、スプリングフットボールをフロリダ州で開催してみたり、ナショナルサイニングデーに著名人を招いてライブでイベントを開いてみたり。
極めつけは今年春のイタリア遠征です。しかもハーボー監督はローマ教皇に直接謁見までして見せました。このようにしてミシガン大の名を売りまくり、リクルートたちの注目を集めて「ミシガン大に来たらこんなすごいこと体験できるよ」と勧誘して来たのです。
彼の母校であるミシガン大で3季目を終えたハーボー監督
ただ、肝心のフットボールのシーズンといえば、彼の前任であるブレディ・ホーク(Brady Hoke)氏時代よりは強くはなっているものの、周囲の期待に答えられるような結果を出すには至っていません。Big Tenカンファレンス制覇、そしてその先のカレッジフットボールプレーオフ進出はもとより、永遠のライバルであるオハイオ州立大には今の所3連敗中。昨年はファイナルランキングでランクインすらできませんでした。
そしてつい先日行われたナショナルサイニングデー後のリクルーティングランキングでは順位を大幅に落とす21位。5つ星高校生は皆無ということで正直惨敗としか言いようがありません。リクルーティングがハーボー監督の強みであったことを考えると今年のこの結果に、いくばくかの不安を抱かずにはいられません。
しかしながらハーボー監督の「異端児」ぶりがなりを潜めているというわけでは毛頭なく、今回もまたどでかいイベントを敢行することが明らかになりました。それはフットボール部が昨年のイタリア遠征に続き今度はフランス遠征を行うことが明らかになったのです。
フランス行きは昨年のイタリア遠征後のインタビューでハーボー監督が興味を示していましたが、どうやらそれが現実のものとなるようです。今の所彼自身はパリとノルマンディーを訪れたいとインタビューで語っています。
遠征時期は春のスプリングトレーングの締めくくりとして春学期の期末試験後に予定しているとのこと。
前回のイタリア遠征ではその旅費に80万ドル(約8700万円)も費やしたとされるミシガン大。その大部分は匿名の後援者によって寄付されたものらしいですが、さすがミシガン大、規模が違い過ぎます。今回もそれ相応の出費が出るものだと思われます。
以前ハーボー監督は南アフリカ共和国や日本にも行ってみたいと話していましたが、ひょっとしたら近い将来ミシガン大フットボール部が日本に足を踏み入れる日が来るかもしれませんね。