ミシガン大といえば今のところNCAAの記録では史上最多勝利数(943勝:2018年開幕時点)を誇る老舗であり名門チームです。チームの出来はどうあれ彼らの一挙手一投足に注目が集まるわけですが、現在はカリスマ的監督であるジム・ハーボー(Jim Harbough)監督の指揮の下で1997年度シーズン以来のナショナルチャンプを目指しているところです。
そんなミシガン大ですが、2021年度のホームでの開幕戦にPac-12カンファレンスのワシントン大を迎えることが先日明らかになりました。
ワシントン大といえば2014年にクリス・ピーターセン(Chris Petersen)監督が就任して以来メキメキと頭角を現し、2016年度にはカンファレンスを制して念願のカレッジフットボールプレーオフ(CFP)に進出するまでに至りました。昨年はカンファレンスタイトルをサザンカリフォルニア大に譲りましたが、これからもPac-12をリードしていくチームであることに変わりはありません。
そんな2チームが対戦するとあり、試合自体はあと4年も先ですが非常に楽しみなマッチアップといえますよね。
しかし実はこのマッチアップが実現するためにミシガン大はすでに決まっていたバージニア工科大との対戦をキャンセルしなければなりませんでした。
もともと2020年と2021年のホーム&ホームシリーズ(2020年がバージニア工科大、2021年がミシガン大にて)でしたが、今回ワシントン大との対戦を実現させるためにこのシリーズを撤回。それ以前にミシガン大が2020年にワシントン大へ乗り込むことが決められていたため、おそらくこのマッチアップをホーム&ホームに変更するためにバージニア工科大の試合をキャンセルしたのでしょう。
もちろんキャンセルするからにはバージニア工科大にもダメージが及ぶためにミシガン大はキャンセル料を支払わなければなりませんでした。その額は37万5千ドル(1ドル100円計算で3750万円)という高額です。マッチアップの変更だけでもこれだけの巨額な費用が動いているのです。
バージニア工科大にしてみればミシガン大が自分たちよりもワシントン大の方を選んだと取れるわけで、多少プライドが傷づいた面もあるでしょう。そのダメージコントロールとしてこの37万5千ドルが高いか安いか・・・そんなこと分かるはずもありませんが、少なくとも当事者にしてみれば大金を受け取ったとしてもいい気分にはならないのではないでしょうか。世間が感じる印象というのは非常に重要ですから。
ちなみにミシガン大は2020年のバージニア工科大との対戦もキャンセルしたため、この代役としてアーカンソー州立大との対戦(シーズン第3戦目)を決めました。この年はこの試合に続いてウィスコンシン大とペンシルバニア州立大との連戦があり、さらに翌週にはミシガン州立大とのアウェーゲームが控えていますから、開幕戦のワシントン大との対戦を含めると、もしバージニア工科大との対戦をキャンセルしなかったとしたらミシガン大のこの年のスケジュールは鬼のようなものになります。ですからミシガン大としてはバージニア工科大とのマッチアップをチャラにする必要があったのでしょう。
ただ将来的にミシガン大はバージニア工科大との対戦をスケジュールに組み入れたいとも話しているということです。
余談としてミシガン大は今後ノートルダム大(2018-2019)、UCLA(2022-2023)、テキサス大(2024、2027)、オクラホマ大(2025-2026)といった強豪チームとのホーム&ホームシリーズを控えています。まだ先の話ですがどのマッチアップも非常に楽しみですよね。