キフィン監督の憂鬱
先週行われたSEC戦、アーバン大対ミシシッピ大。アーバン大が35対28でミシシッピ大を倒して貴重な西地区戦での白星を挙げたのですが、ここで疑惑のプレーが。
第4Q残り6分を切ったところでミシシッピ大が逆転のTDを奪ってスコアを28対27とした場面。彼らのキックオフで試合は再開したのですが、アーバン大のリターナー、ショーン・シヴァーズ(Shaun Shivers)は転がってきたボールを一瞬キャッチするかどうか迷った後にそのまま見過ごしてボールはエンドゾーンへ。しかしその際シヴァーズの左手がボールに触れていたようにも見え、もしそうならエンドゾーンでこのボールをリカバーしたミシシッピ大にTDが献上されるはずとなるシーンが起きたのです。
この場面で審判団はシヴァーズはボールに触れていなかったということでプレーはタッチバックということになりアーバン大ボールで攻撃は始まったわけですが、これに納得出来なかったのはミシシッピ大のレーン・キフィン(Lane Kiffin)監督。それもそのはず、もしこの場面でミシシッピ大がボールをリカバーしていればスコアは35対27となっており、最低でもオーバータイムに突入していたかもしれないし、流れ的にミシシッピ大が白星を獲得していたかもしれないという重要なプレーだったからです。
Y’all are a disgrace @SEC your officiating is absolutely atrocious. @SECOfficiating
If y’all want to just keep gifting Auburn wins, just say it. pic.twitter.com/LJ01avk5ZI
— Breck Jones (@BreckJones_) October 24, 2020
シヴァーズの左手の小指に注目・・・。
試合後のインタビューでこのプレーがビデオ判定に持ち込まれなかったことに遺憾の意を表明したキフィン監督はそれでも気が晴れず、後に自身のツイッターアカウントでSEC審判団を揶揄・批判するツイートやリツートを複数残しました。
するとSECはこの行為に対してキフィン監督に2万5000ドル(1ドル100円計算で約250万円)の罰金を科す決定を下したのです。ただそれと同時にSECはそのシーンはビデオ判定に持ち込まれるべきだったと認めました。つまりこの試合の審判団のミスジャッジでミシシッピ大は勝てていたかもしれない試合を逃してしまったというわけです。
しかし正論を言っているのに2万5000ドルの罰金を支払わなければならないキフィン監督はさらにツイートを残し続け、以下のような憎まれ口たっぷりのアイデアを提案。
つまり2万5000ドルの罰金を支払うのにペニー(1セントコイン)250万個分でSECに支払うということで、もし本当にこれを行ったらSECにとってはかなり鬱陶しい事になりそうです(笑)。キフィン監督はツイッターを多用することで知られていますが、ここでもキフィン節が炸裂しました。
ミシシッピ大はこれで1勝4敗。ちょっと前には全米2位のアラバマ大を苦しめる名勝負を見せましたが、それ以降は負けが先行する厳しいシーズンが続いています。
一方アーバン大の方はというと、試合の行方を審判団の判断ミスで救われた試合がこれで2つ目となりました。1つ目はアーカンソー大戦。ここでも同じようにアーバン大が28対27で相手を追う展開となった試合終盤、QBボ・ニックス(Bo Nix)がFGをお膳立てするためにボールをスパイクしますが、この際にセンターからのスナップを取りこぼし、急いでスパイクする流れの中でそのボールは後方へのスパイクとなり、それが事実ならばこのボールはファンブル扱いとなるはずでした。
しかし審判団はこれをインテンショナルグラウンディングとしてアーバン大が攻撃権をキープ。結局この後決勝点となるFGを決めたのです。
現在3勝2敗のアーバン大ですが、ひょっとしたら1勝4敗だったかもしれなかったという訳ですが、負けが先行すると真っ先にファンから不要論が飛び出すアーバン大のガス・マルザーン(Gus Malzahn)監督はSEC審判団に感謝すべきなのかもしれません。