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最新CFPランキングを分析【2021年度第1回目】

最新CFPランキングを分析【2021年度第1回目】

カレッジフットボールの頂点を極めるカレッジフットボールプレーオフ(CFP)。そのトーナメント戦に出場できる4チームを決めるためのランキングがその名もCFPランキングですが、今季初回となる第1回目のCFPランキングが現地火曜日夜に発表されました。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

CFPランキングとは?

CFPランキングはCFP選考委員会によって独自に発表されるランキングです。選考委員会は13人で構成され、その顔ぶれは大学長、体育局長、元監督、元選手、元陸軍将軍、大学教授など様々です。かつてはコンドリーザ・ライス元国務長官も選考委員の一員でした。

この13人の有識者たちがこれまでのシーズンの各チームの戦いぶりを踏まえてランクを決めていくのですが、2013年まで用いられていたボウルチャンピオンシップシリーズ(BCS)のようなコンピューターランキングなどのフォーミュラ(数式)などは使われず基本的に彼らの主観でこのランキングは決定されます。

参考記事ボウルチャンピオンシップシリーズ

とはいえ完全主観というわけにはいかず、CFPランキングを決めるにあたってある程度のポイントがあるのも事実です。それが以下のもの。

  • ストレングスオブスケジュール
  • 所属するカンファレンスで優勝したかどうか
  • 直接対決の結果
  • シーズンの戦績
  • 同じ対戦相手が居た場合、その試合の結果
  • その他

一番重要なのが「ストレングス・オブ・スケジュール(Strength of Schedule=SOS)」と言われています。これは簡単に言えばそれぞれのチームがどれだけタフな(もしくは楽な)スケジュールをこなしてきたかを示すものです。わかりやすく言うと、もし2つの無敗チームが居たとして、一方のチームは多くの強豪チームと渡り合って無敗を守り、もう一方のチームは弱小チームとばかりと戦って得た全勝だとしたら前者の無敗レコードのほうが価値があるというもの。

もしくは後者のような無敗チームと、強豪校とばかり対戦して1敗を喫してしまったチームがいたとしたら、たとえ1敗していたとしてもSOSの関係で彼らのほうがランクが上になるということも大いに考えられます。

興味深いのは対戦した相手の動向もランキングに響いてくるということ。例えばジョージア大は今季第1戦目に当時3位だったクレムソン大と対戦していますが、ジョージア大はこの試合に勝利して非常に価値のある1勝を手に入れたとその時は思われていました。しかしその後クレムソン大は黒星を重ね現在はランクすらされていません。そうなると今振り返った時にジョージア大がクレムソン大から獲得した勝利はそこまで価値のあるものではないという評価を得てしまうことです。

その他にも行われた試合の天候とか、スター選手の怪我だとかも参考にされるということです。例えばオレゴン大はスタンフォード大戦で1敗してしまいましたが、この時オフェンシブコーディネーターでオレゴン大オフェンスの要とも言えるジョー・モアヘッド(Joe Moorhead)氏が自身の健康上の都合で不在。そのせいもあってかオレゴン大のオフェンスは並レベルに落ちそれがスタンフォード戦での敗戦に繋がったと言われ、この場合のオレゴン大の1敗に関してはモアヘッド氏が欠場したという事実が考慮されるというわけです。

もっとも実際にはどのポイントがどれだけの影響を与えるのかは選考委員会のみぞ知るという感じですね。

ただ上位4位に入れる可能性のあるチームというのはランキング入りする25チームの中でも更に一握りのチームのみ。これまで2敗してしまったチームがプレーオフに進出した例はありませんから、チームの成績として2敗というのはカットラインに考慮されるでしょう。そうなると自ずと25チームの中でもプレーオフ進出を現実のものと出来るチームというのは自然と限られてくるのです。


今季第1回目のCFPランキング

それでは早速今シーズン最初となるCFPランキングを見ていきたいと思います。

上位4チーム

1位:ジョージア大(SEC:8勝0敗)
2位:アラバマ大(SEC:7勝1敗)
3位:ミシガン州立大(Big Ten:8勝0敗)
4位:オレゴン大(Pac-12:7勝1敗)

現時点での最強の四天王がこの顔ぶれになりました。先に発表されているAPランキングと比べると顔ぶれが半分も違います。1位のジョージア大はダントツで文句なく1位であることは言うまでもありませんが、2位にはAPランキングで3位のアラバマ大、3位にはAPランキングで5位のミシガン州立大、そして4位にはAPランキングで7位のオレゴン大が食い込んでいきました。

2位に7勝1敗のアラバマ大がランクされたのには少々驚かされました。ここまで無敗チームでAPランキングでも上位にいるのはミシガン州立大、シンシナティ大、オクラホマ大、ウェイクフォレスト大が居ますが、ウェイクフォレスト大は置いておいたとしても(失礼!)その他の無敗チームを差し置いてまでアラバマ大が2位の実力を持っているのか、もしくは2位という順位が実力相応のものなのかという議論は湧きそうです。

そこにはやはり「アラバマ補正」が懸かっていると言っても文句は言えません。過去10年間で5度のナショナルタイトルを獲得している彼らですから、アラバマ大というブランド力に影響を受けた選考委員がいたとしても不思議ではありません。

注目したいのは既に1位のジョージア大と2位のアラバマ大はこのまま行けばSEC(サウスイースタンカンファレンス)優勝決定戦で相まみえることが予想されていることです。ここでジョージア大がアラバマ大を下せば2敗となるアラバマ大にプレーオフ進出の可能性は残されないでしょう。しかしもしアラバマ大が勝った場合にはジョージア大とアラバマ大がトップ4に留まる可能性は十分あります。4つしか無い椅子に座るためには他チームは是が非でもジョージア大にアラバマ大を倒して貰う必要があります。

第2グループ

5位:オハイオ州立大(Big Ten:7勝1敗)
6位:シンシナティ大(AAC:8勝0敗)
7位:ミシガン大(Big Ten::7勝1敗)
8位:オクラホマ大(Big 12:9勝0敗)

上位4チームのうち1チーム(もしくはそれ以上)がずっこけた場合にその空いた席を狙っているのがこの4チーム。

オハイオ州立大は現在もっとも「ホット」なチームとも言えます。スコアリングオフェンス(平均得点数)では全米1位の1試合平均47.2点。スキルポジションで言えばおそらく全米随一の層の厚さを誇る彼らではありますが、オレゴン大との直接対決で敗れており、その関係性からオレゴン大に先を行かれました。

このことから分かるのは、このままオレゴン大ならびにオハイオ州立大が勝ち進めば、CFP選考委員会はオハイオ州立大をオレゴン大よりも上の順位に上げることはまず無いのかな、ということです。力関係で言えばオハイオ州立大のほうがオレゴン大よりも現状上であることは明らかなのに、直接対決の結果を委員会が重視しているのが今回明らかになったからです。

グループオブ5」勢の希望の星であるシンシナティ大が6位になりましたが、APランキングで2位であることを考えると今回の6位という評価は賛否が分かれると思います。

APランキングの評価はシーズンを通してのモメンタムだとか他チームの勝敗の関係などで流動していくことが常です。シンシナティ大の場合も彼らが勝ち進んでいく間に上位チームに土がついて転げ落ちていくうちに2位にまで上り詰めたという背景があります。

しかしCFPランキングは最初の方にも紹介したようなストレングス・オブ・スケジュールを重視しており、それを加味するとシンシナティ大のSOSは高くなく(44位)それが尾を引いています。今後彼らの評価を上げるには、彼らがすでに倒したノートルダム大が11勝1敗でシーズンを終えること。このことでノートルダム大は高ランクを維持することとなり、その高ランクのノートルダム大を倒したという事実が重宝されることになります。後は今後対戦することになるサザンメソディスト大およびヒューストン大(AACタイトルゲームで対戦するかも)がランクを維持したままシンシナティ大と激突すること。このことで彼らのSOSは多少上がるでしょう。

ただどちらにしても地力でシンシナティ大が上位4位以内に食い込むのは厳しいのが現実。つまり彼らにとっては彼らよりも上にいる5チームのうち複数チームが脱落しなければなりませんし、さらにシンシナティ大を追随する7位以下のチームに追い越されないようにしなければならないのです。「グループオブ5」出身チームの限界値が見え隠れするようです。

7位につけたミシガン大は先週ミシガン州立大に敗れたばかりですが、その割には予想以上の高ランクを頂きました。ミシガン大がCFPに出場するにはBig Tenカンファレンスで優勝する必要があり、そのためには今後ペンシルバニア州立大およびオハイオ州立大を倒さなければなりませんが、それに加えて直接対決で敗れているミシガン州立大が2敗しないといけませんので、7位という位置にありながら彼らがプレーオフに進出できるチャンスは厳しいものになりそうです。

8位のオクラホマ大はここまで9勝0敗と無敗を守りBig 12カンファレンス優勝最有力候補。その割に8位というのは少々低いのではないかとも感じますが、これはトゥレーン大(40対35)、ネブラスカ大(23対16)、ウエストバージニア大(16対13)、カンザス州立大(37対31)、カンザス大(35対23)と圧倒すべき相手に圧倒できなかったという安定感の無さが響いているのではないかと思われます。もっとも先発QBがスペンサー・ラトラー(Spencer Rattler)からケイレブ・ウィリアムス(Caleb Williams)に代わってからのオクラホマ大は別人ともいえますが。

実質的に第2グループの中でCFP進出への可能性を秘めているのはオハイオ州立大、シンシナティ大、オクラホマ大の3チームと言えそうですが、自力で食い込めるのは今のところオハイオ州立大ただ1チームなのかなという感じです。オハイオ州立大はBig Tenタイトルを取ればおのずとトップ4に食い込めると思いますし、ミシガン大はミシガン州立大が2敗してもらわないとタイブレーカーで不利。

第3グループ

9位:ウェイクフォレスト大(ACC:8勝0敗)
10位:ノートルダム大(独立校:7勝1敗)
11位:オクラホマ州立大(Big 12:7勝1敗)
12位:ベイラー大(Big 12:7勝1敗)

第3グループは戦績的には魅力的な数字を持っているものの、SOS的にビハインドなチームたち。

ウェイクフォレスト大は今シーズンのシンデレラストーリーの最先鋒を行くチーム。APランキングで今週10位に入りましたが、彼らが10位以内に食い込むのは創部史上初のこと。しかしながら所属するACC(アトランティックコーストカンファレンス)のレベルが軒並み低下しており、例え彼らがこのまま全勝でシーズンを終えてカンファレンスタイトルを獲得したとしてもSOSの関係で上位4チームに入るのはかなり厳しいのが現状です。

ノートルダム大は独立校(無所属)の名門として有名ですが、これまでのCFPを見てみると無所属故に彼らがプレーオフに進出するには無敗を守らなければならないという流れがあるように見えます。その大きな理由として他のチームがレギュラーシーズン最後にカンファレンスタイトルゲームを行うのに対し、ノートルダム大は無所属なためにそれがない事が挙げられます。すでにシンシナティ大に敗れてしまったため、彼らのプレーオフ進出は極めて厳しいと思われます。

オクラホマ州立大もまたすでに1敗を喫したチーム。ただ今後最終戦でオクラホマ大との対戦を残しており、これに勝ちさらにBig 12タイトルゲームにも勝利してカンファレンスチャンピオンとなれば上位の動向次第ではチャンスがないとも限りません。が、可能性はやはり低いと言わざるを得ません。

ベイラー大もオクラホマ州立大と同じくBig 12カンファレンス所属であり、シナリオ的には似通っています。彼らもオクラホマ大との対戦を残しており、カンファレンスのタイトルを獲得すればひょっとするかも知れません。

どちらにせよ第3グループのプレーオフ進出の可能性は高くはありません。自力で上位4位に入るのはほぼ不可能ですから、彼らよりも上にいる8チームが相次いでコケ続けてもらうことが条件となります。

今後のランキング発表日

第2回目:11月9日(火曜日)
第3回目:11月16日(火曜日)
第4回目:11月23日(火曜日)
第5回目:11月30日(火曜日)
第6回目:12月5日(日曜日)←CFP出場チーム決定

今後は毎週火曜日にランキングが発表され、各カンファレンスタイトルゲームが終わる12月5日の翌日正午にファイナルランキングが発表され上位4チームが晴れて全米タイトルを掛けて戦われるプレーオフに進出することになります。

歴史は繰り返す・・・?

最終的に重要なのは第6回目のCFPランキングなわけで、今回発表された初回のランキングに一喜一憂する必要はないのですが、過去のランキングの推移を見てみるとそれは一目瞭然です。

2014年度初回
1.ミシシッピ州立大
2.フロリダ州立大
3.アーバン大
4.ミシシッピ大
2014年度ファイナル
1.アラバマ大
2.オレゴン大
3.フロリダ州立大
4.オハイオ州立大
2015年度初回
1.クレムソン大
2.ルイジアナ州立大
3.オハイオ州立大
4.アラバマ大
2015年度ファイナル
1.クレムソン大
2.アラバマ大
3.ミシガン州立大
4.オクラホマ大
2016年度初回
1.アラバマ大
2.クレムソン大
3.ミシガン大
4.テキサスA&M大
2016年度ファイナル
1.アラバマ大
2.クレムソン大
3.オハイオ州立大
4.ワシントン大
2017年度初回
1.ジョージア大
2.アラバマ大
3.ノートルダム大
4.クレムソン大
2017年度ファイナル
1.クレムソン大
2.オクラホマ大
3.ジョージア大
4.アラバマ大
2018年度初回
1.アラバマ大
2.クレムソン大
3.ルイジアナ州立大
4.ノートルダム大
2018年度ファイナル
1.アラバマ大
2.クレムソン大
3.ノートルダム大
4.オクラホマ大
2019年度初回
1.オハイオ州立大
2.ルイジアナ州立大
3.アラバマ大
4.ペン州立大
2019年度ファイナル
1.ルイジアナ州立大
2.オハイオ州立大
3.クレムソン大
4.オクラホマ大
2020年度初回
1.アラバマ大
2.ノートルダム大
3.クレムソン大
4.オハイオ州立大
2020年度ファイナル
1.アラバマ大
2.クレムソン大
3.オハイオ州立大
4.ノートルダム大

昨年度以外は見事に初回とファイナルのランキングの顔ぶれが変わっています。果たして今回の初回のランキングでの上位4チーム、ジョージア大、アラバマ大、ミシガン州立大、オレゴン大のうち生き残るのはどのチームか?そしてそれに代わって下剋上を起こすのはどのチームか?そんなことをあーだこーだ言う向こう5週間がひょっとしたらカレッジフットボール最高の醍醐味なのかも知れません。

参考ページ2021年度シーズンランキング【第10週目】

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