- 試合予定
- 2024年度戦績 (10-3)
- 最近10年間の戦績
- チーム情報
所在地
フロリダ州コーラルゲーブルズ市
所属カンファレンス
ACC
ホームスタジアム
ハードロックスタジアム
通算戦績
663勝388敗19分け
通算ボウルゲーム戦績
19勝24敗
ヘッドコーチ
マリオ・クリストバル
22勝16敗(4年目)
84勝76敗(生涯通算)
前回全米優勝年度
2001年度
前回ACC優勝年度
2003年度
前回ボウルゲーム出場年度
2024年度(ポップターツボウル)
今季監督就任から4シーズン目を迎えるマリオ・クリストバル(Mario Cristobal)監督率いるマイアミ大にはこれまでに無い高い期待が寄せられています。昨年は10勝3敗でシーズン後半までプレーオフ進出の可能性を残すも、ジョージア工科大とシラキュース大という伏兵にやられてあと一歩というところでその切符を手に入れ損ねました。
その悔しさを今シーズンにぶつけていくと思われますが、ACC(アトランティックコーストカンファレンス)においてクレムソン大の前評判が非常に高い中、それに対抗できる最先鋒がこのマイアミ大だと目されます。オフから得意のNILでアグレッシブにロースターを補填。果たしてそれが功を奏すのか?
オフェンス
オフェンシブコーディネーターのシャノン・ドーソン(Shannon Dawson)氏に率いられるマイアミ大のオフェンスは昨年のメンバーから数人のキープレーヤーが抜けてしまったとはいえ、火力はしっかりと確保されていると言われています。ドーソン氏のオフェンスは効果的なランとよく練られたエアーレイドのコンセプトを取り入れたプロスタイルのパスアタックのミックス。このスキームで大量得点を狙います。
そんなオフェンスの中心となるのは当然QBですが、昨年ハイズマントロフィー候補にも挙げられ、NFLドラフトでは総合ドライチでテネシータイタンズへ入団したキャム・ワード(Cam Ward)の後継者が誰になるのか注目されていましたが、トランスファーポータル経由でジョージア大からカーソン・ベック(Carson Beck)が加入。まさかの人物の獲得でマイアミ大ファンの興奮度は上がったことでしょう。
昨年のSEC優勝決定戦で肘に負傷を負い手術を余儀なくされましたが、今シーズンには完全復帰する見込み。ジョージア大での先発QBという経験値は何物にも変え難く、噂では400万ドル(1ドル100円計算だと4億円)で獲得したと言われ、当然彼には高いパフォーマンスが要求されます。ただ2024年度だけ見ると安定感が多少なかったようにも感じられ、吉と出るか凶と出るかといったところ。
RB陣はポテンシャルの高い選手が今か今かと出番を待っている状況。そんな中注目は2年生のマーク・フレッチャー・Jr(Mark Fletcher Jr)。パワー系のラッシャーですがソフトハンドも備え持っており楽しみな人材。さらにFCS(フットボールチャンピオンシップサブディビジョン)所属のノースダコタ州立大から転校してきたマーティ・ブラウン(Marty Brown)にも注目。FCSのオールアメリカンに選ばれたブラウンがローテの一角に食い込めるか。
オフェンス陣で大きな再建を余儀なくされているのがレシーバー陣。昨年のトップ2(ゼヴィアー・レストレポ、ジャコビー・ジョージ)が抜けましたが、彼ら2人で約2000ヤードを稼いだため、彼らの抜けた穴を埋めることが急務。そんな中期待されるのが2年生のジョジョ・トレイダー(Jojo Trader)。まだ若いものの才能溢れる時期スターと言われており、さらにブリガムヤング大からの転校生キーラン・マリオン(Keelan Marion)とシンシナティ大からの転校生トニー・ジョンソン(Tony Johnson)らと合わせてベックの良きターゲットになってくれそう。
そしてオフェンスの屋台骨となるOL陣はおそらく最大の強み。全米レベルで見てもトップ級と言われるユニットですが、昨年のメンバー5人から4人が残留していることが最も大きな要因。特に未来のドラフトで1巡候補と呼び声高いRTフランシス・マウイゴア(Francis Mauigoa)やRGアネズ・クーパー(Anez Cooper)に注目さらにテキサスクリスチャン大からの転校生ジェームズ・ブロッカーマイヤー(James Brockermeyer)を加え、ベックを死守しつつ若いRB陣のルートをしっかりと確保します。
今季のマイアミ大は強力なOL陣を軸にRB陣が暴れつつ、ベックのプレーアクションパスが炸裂する、なんてシーンが多く見られそうですが、怪我から復帰してくる転校生のベックとレシーバー陣の息が合うかどうかが鍵となるかも。
ディフェンス
マイアミ大はオフにミネソタ大から新ディフェンシブコーディネーターとしてコーリー・ヘザーマン(Corey Hetherman)氏を招聘。当然2024年のディフェンスから更なる進化を遂げていることが望まれています。というのも昨年はACC戦8試合のうち5試合で相手に30点以上を許し、平均失点数も全米68位となる25.3失点とエリートチームのディフェンスとは程遠い数字に終始してしまいました。
ヘザーマン氏が率いたミネソタ大ディフェンスは昨年トータルディフェンスで全米5位という好成績を残しましたが、彼の身上はアグレッシブな4-2-5システム。この布陣でQBを至る所から追い詰めるディフェンスを用いますが、相手によってフレキシブルにスキームを変えてくる柔軟さも持ち合わせています。
そんなディフェンスの1列目を担うDL陣ですが、マイアミ大ディフェンスが機能するために最も重要なユニットと言えます。ベテランと新人が織りなすコンビネーションが完璧に機能することが必須。そこで頼れるのはルーベン・ベイン・Jr(Rueben Bain Jr)とアキーム・メシドー(Akheem Mesidor)のベテラン陣。また期待の若手ジャスティン・スコット(Justin Scott)のブレークアウトやデヴィッド・ブレイ・Jr(David Blay Jr、元ルイジアナ工科大)もしっかりとローテの一角を担いそう。
2列目のLB陣は昨年の核だったフランシスコ・マウイゴア(Francisco Mauigoa、現ニューヨークジェッツ)を失いはしましたが、ベテランのウェスリー・ビセインス(Wesley Bissainthe)は未だ健在。リーダーとしてこのユニットを率います。少し手薄感が否めませんが、ディフェンスの楔とも言えるこのユニットの台頭はチームのサクセスに必要不可欠です。
3列目のセカンダリーですが、ここは昨年の弱点とも言えるユニットで、試合を決めるという重要な場面でビッグプレーを許し続けてしまったという苦い経験をしました。この部分の強化が最重要課題となります。期待の選手は昨年1年生ながら非凡な才能を見せ続けたCB OJ・フレデリック・Jr(O.J. Frederique Jr)。さらに複数のトランスファー選手を確保して補強に余念がなく、人材だけ見れば昨年よりも期待できそう。あとは実際にユニットとして機能するかにかかっています。
注目のマッチアップ
今季予定されているマイアミ大のスケジュールは前半戦に強豪チームとのマッチアップが組まれており、出だし如何で今季の彼らのトーンが決まってくるでしょう。
8/30 vs ノートルダム大
開幕戦の相手が昨年のCFP(カレッジフットボールプレーオフ)のセミファイナリスト。タフなテストとなりますが、自分たちの立ち位置を知る上で絶好のマッチアップ。勝てば勢いに乗れそう。
9/20 vs フロリダ大
フロリダ州内ライバルとの対決。今季はフロリダ大にも注目が集まっており、いつも以上に試合開催の意味合いが大きい対戦となるでしょう。
10/4 @ フロリダ州立大
フロリダ大戦後バイウィークを挟んで連戦となるのが同じくフロリダ州内のライバル。歴史的に見てフロリダ大とのライバリーよりも更にライバル度合いが強いため、激しい火花が散ること間違いなし。
11/1 @ サザンメソディスト大
昨年CFPに進出するまで躍進したサザンメソディスト大。もし今シーズンも引き続き彼らの調子が良ければ、マイアミ大にとっては落とし穴的なアウェーゲームになっているかも。
11/8 vs シラキュース大
昨年の対戦では勝っていればプレーオフ進出となったところまさかの敗戦を喰らって最後の最後でプレーオフの椅子を逃したという因縁の相手。
総評
今季開幕前のプレシーズンランキングでマイアミ大は10位(APランキング)という好位置につけており、そのことからも彼らへの高い期待が見受けられます。所属するACCではトップ評価のクレムソン大の最大の対抗馬としてその名が挙げられており、当然自身初のACCタイトル獲得への夢は膨らみます。
オフェンスはジョージア大から鳴物入りで加入したQBベックが注目の的。彼を守る強力なオフェンシブラインと潜在能力の高い若きレシーバーたちでベックの才能を最大限まで引き出せるかが鍵。OCドーソン氏の腕の見せ所となります。
ディフェンスは新DCヘザーマン氏の下で更なる進化が求められます。ケミストリーをこれから構築していくオフェンスの後方支援のためにも、彼らが相手との撃ち合いという状況に陥らないために相手オフェンスをガッチリと押さえ込みたいところ。
スケジュールは前半を乗り越えれば自ずと流れに乗りそうですが、いつも不必要なところでコケる癖があり、それを今年こそはなんとか防ぎフィニッシュラインまで辿り着ければ自ずとプレーオフ出場のチャンスは訪れるでしょう。ホームゲームが8つもあるのは大きな強み。
オレゴン大という好ポジションから敢えて去って母校に戻ってきたクリストバル監督。彼に対するハイプ(Hype)は高いものの、実はそこまでの結果を残せていないのも事実。今年こそその汚名を晴らしたいところです。