- 試合予定
- 2024年度戦績 (9-4)
- 最近10年間の戦績
- チーム情報
所在地
アラバマ州タスカルーサ市
所属カンファレンス
SEC
ホームスタジアム
ブライアントデニースタジアム
通算戦績
963勝340敗43分け
通算ボウルゲーム戦績
46勝29敗3分け
ヘッドコーチ
ケイレン・デボアー
9勝4敗(2年目)
113勝16敗(生涯通算)
前回全米優勝年度
2020年度
前回SEC優勝年度
2023年度
前回ボウルゲーム出場年度
2024年度(レリアクエストボウル)
2025年度のアラバマ大は就任2年目となるケイレン・デボアー(Kalen DeBoer)監督に指揮される非常に興味深いチームです。昨年はついに現役を引退した「GOAT」ニック・セイバン(Nick Saban)氏の築いたダイナスティーがデボアー体制でどうなるかに注目が集まりましたが、結果は2007年以来となる二桁勝利数を逃すという、ある意味失敗(もっとも9勝は挙げましたが)なシーズンとなってしまいました。
セイバン監督というカレッジフットボール界でも超偉大と言われる監督の後を引き継ぐのは並大抵のことではないため、昨年の9勝4敗という戦績はスタンダードを下回っているとはいえ、ファンの逆鱗に触れるようなことはありませんでした。しかしアラバマ大のスタンダードが常にナショナルタイトルを狙える位置にあるということを考えると、まだ2年目とはいえデボアー監督体制でアラバマ大が今年もCFP(カレッジフットボールプレーオフ)に駒を進められないとなってしまうと、この先暗雲が立ち込めるといったことになってしまいます。
オフェンス
今年のアラバマ大のオフェンスは新たな先発QBをベテランのOL陣が守り、彼をサポートするスキルポジションには若く才能のある楽しみな選手が揃っている布陣。そして今季から新オフェンシブコーディネーターに、デボアー監督とワシントン大でタッグを組んでいたライアン・グラブ(Ryan Grab)氏が合流。ダイナミックなオフェンスが観れると期待度は高まっています。
昨年まで先発QBを務めていたジェイレン・ミルロー(Jalen Milroe)がNFLへと去り(シアトルシーホークス)、今季は彼に代わる新たな先発QBが登場することになりますが、今の所先発に任命されているのは長いこと出番を待っていたタイ・シンプソン(Ty Simpson)です。ミルローがモバイルQBだったのに対しシンプソンはポケットパサー。このことからもアラバマ大のオフェンスは昨年と大きく変わりそうです。
シンプソンをバックアップするのはオースティン・マック(Austin Mack)と1年生のキーロン・ラッセル(Keelon Russell)。特にラッセルは今年入った5つ星QBで、もしシンプソンが機能しなければマックないしラッセルにも出番が回ってくるかもしれません。
RB陣からはジャスティス・ヘインズ(Justice Haynes)がミシガン大へ転校してしまいましたが、残っている選手たちも逸材揃い。その切込隊長となるのがベテランのジャム・ミラー(Jam Miller)。彼とキャリーを分け合うと思われるのが2年生のリチャード・ヤング(Richard Young)とダニエル・ヒル(Daniel Hill)になると予想されています。
レシーバー陣では何と言っても2年生のライアン・ウィリアムス(Ryan Williams)。昨年1年生ながらセンセーショナルなデビューを飾り、早くもカレッジ界で1、2を争う逸材と言われています。彼に加わるのがベテランのジャーミー・べナード(Germie Bernard)とマイアミ大からの転校生アイゼア・ホートン(Isaiah Horton)。特にホートンは長身を生かしたキャッチが魅力。彼らが実戦経験の少ないQBの頼れるターゲットになってくれるでしょう。
OL陣も今季全米屈指のユニットといわれいます。特にインテリアが重厚で、LGカイデン・プロクター(Kayden Proctor)とCパーカー・ブレイルズフォード(Parker Brailsford)はオールアメリカン級。またRGジェイデン・ロバーツ(Jaeden Roberts)も先発経験豊富なガード。ただ、LTタイラー・ブッカー(Tyler Booker、現ダラスカウボーイズ)が抜けた穴を誰が埋めるのかが課題。
ディフェンス
一方ディフェンスは今季全米でもトップレベルの守備力を誇るといわれており、それは11人中7人が昨年のスターターであることにも裏打ちされています。
DL陣はNTティム・キーナン・III(Tim Keenan III)が絶対的リーダー。昨年はNTとして40タックルに2.5サックを記録。DL陣の要となります。彼と共に相手の脅威となるのがパスラッシャーとして定評のある、元テキサスA&M大のLT・オバートン(LT Overton)。さらに今季フロリダ大から転校してきたケルビー・コリンズ(Kelby Collins)も加わり、ポテンシャルの非常に高いユニットとなっています。
2列目のLB陣も粒揃い。特に4年生のデオンテ・ローソン(Deontae Lawson)とジャマリエン・レイサム(Jah-Marien Latham)はNFLドラフト入りを固辞して残留した頼れるベテラン。また元短大選手で今季特例として5シーズン目の参戦を許されたジャスティン・ジェファーソン(Justin Jefferson)もこのグループに華を添えます。
そして3列目のDB陣もバランスの取れたユニット。Sマラカイ・モアー(Malachi Moore、現NYジェッツ)が抜けたのは痛手ですが、次世代のスター候補であるキーオン・サブ(Keon Sabb)は健在ですし、元サザンカリフォルニア大のCBドマニ・ジャクソン(Domani Jackson)はすでに次期NFLドラフトでも注目株と目される選手。さらには元5つ星のCBザビエン・ブラウン(Zabien Brown)もおり、アラバマ大のDB陣は全米屈指のユニットと言えそうです。
注目のマッチアップ
昨年の9勝という満足できない結果を挽回すべく勝ち星を重ね続けたいアラバマ大ですが、例年通り彼らのスケジュールは決して楽ではありません。
8/30 @ フロリダ州立大
開幕戦はアウェーでのフロリダ州立大戦。新QBお披露目の試合としてオフェンスがこけると、アウェーの洗礼を受けて足元をすくわれかねません。
9/27 @ ジョージア大
こちらのマーキーゲームもアウェー戦。昨年は1年生だったWRライアン・ウィリアムスに救われましたが、今年は敵地でありしかも相手はリベンジを狙う強豪ジョージア大。今季の最難関ゲームと言えるでしょう。
10/18 vs テネシー大
「10月第3週目の土曜日」という別称がある著名ライバリー。昨年はアウェーで敗れましたが、ホーム開催の今年は是非とも雪辱を果たしたいところ。
11/8 vs ルイジアナ州立大
こちらも著名なライバリーゲーム。ジョージア大戦に続きこちらもアラバマ大にとっては大きなチャレンジとなるマッチアップ。シーズン終盤での戦いなため、お互いの動向いかんではSECタイトルレースおよびCFPレースに大きく影響しそう。
11/29 @ アーバン大
カレッジ界を代表するライバリー「アイロンボウル」。ここ最近はアラバマ大が5連勝中ではありますが、何が起こるかわからないのがライバリーゲーム。油断は禁物です。
総評
セイバン監督が去りデボアー監督体制として迎える2年目。昨年はアラバマ大のスタンダードを壊してしまうようなシーズンとなってしまいましたが、今年のチームはプレーオフを十分狙えるチームとして前評判はまずまずです。
既述の通り、チームの鍵を握っていると思われるのは新先発QBがオフェンスをしっかりと回すことができるかということ。その役目を担うと思われるのがシンプソンですが、スーパースターのWRウィリアムズという至高の武器を擁するのは大きな強み。シンプソンのブラインドサイドをしっかりと死守してくれるLTの急成長が急務ですが、新OCグラブ氏のこれまでのトラックレコードを考えればシンプソンの為に十分なお膳立てをしてあげられるのではないかと予想します。
また幸いなことにディフェンス陣が非常に期待度の高い陣営となっており、経験の浅いシンプソンらQB陣に大量リードを追わせるような展開を防いでくれる期待度は高いです。オフェンスがスロースターとでもディフェンスが踏ん張ることで勝ち星を重ね、シーズン中盤から後半にかけてオフェンスが板につくようになっていたら、アラバマ大のランキングもおのずと上位に食い込んでいることでしょう。
全米優勝候補筆頭とは言えませんが、デボアー体制2年目として大いに注目が集まるチーム出ることは確かです