ヒューストン大(8勝2敗)vs 陸軍士官学校(10勝2敗)
12月22日3時半キックオフ
エイモン・G・カータースタジアム(テキサス州フォートワース市)
ちょうど1年前サンディエゴ州立大をアームドフォースボウルで破った陸軍士官学校(アーミー)がそのタイトルを再び死守するために試合会場であるテキサスクリスチャン大のキャンパスに降臨。今回はAAC(アメリカンアスレティックカンファレンス)の強豪・ヒューストン大が相手となります。
アーミーの特色は何と言ってもそのトリプルオプションアタック。筆者も大好きなこのオールドスクールの攻撃スタイルでアーミーは今季12試合で驚きの3555ヤードを稼いできました。故にQBケヴィン・ホプキンス・Jr(Kevin Hopkins Jr.)が記録したパスヤードは956ヤードと1000ヤードにも達していません。
地上攻撃を軸にしたオプション使いなため、今季アーミーはボール所持時間ランキングで全米1位。これがもたらすものは相手チームのオフェンスをベンチに釘付けにして反撃のチャンスを極力少なくするということ。もしオプションオフェンスが止められてしまうと多面性がないためにハイスコリングチーム相手には諸刃の剣ともなりますが、今年のアーミーのオプションアタックはあのオクラホマ大相手(もっとも彼らのディフェンスは並以下ではありますが)にも十分通用し、アウェーであともう少しで番狂わせを起こすところまで相手を苦しめました。
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これはヒューストン大にとっては頭を悩ませる種となります。というのも彼らのランディフェンスは全米97位と冴えず、1試合平均200ヤード弱も相手にランヤードを許してきたのです。しかもこの試合では来春のNFLドラフト入りすると目されているDLエド・オリヴァー(Ed Oliver)が試合に不出場を表明しているからなおさらです。
またヒューストン大はQBデリック・キング(D’Eriq King)を怪我で欠くということでオフェンス面にも不安材料が残っています。怪我をするまでの間キングのQBレーティングは全米7位だったことを考えれば彼の不在がいかにヒューストン大に不利かがわかると思います。実際ヒューストン大のレギュラーシーズン最終戦であるメンフィス大戦はキングが欠場したせいで52対31と玉砕。この試合で先発した1年生QBクレイトン・トューン(Clayton Tune)はパス成功率が44%ということであまり頼りにはならなそうです。それに加えてアーミーのスコアリングディフェンス全米14位ということでミスマッチは否めません。
アーミーはジェフ・モンケン(Jeff Monken)監督の下2年連続10勝シーズンを送ることに成功。これは長いアーミーフットボールの歴史の中でも初めてのことです。そしてもしこのアームドフォースボウルでヒューストン大に勝てば11勝目を飾ることになり、これはチーム史上初の偉業となります。そしてヒューストン大の状況を考えればそれはかなり高い確率で達成されるのではないでしょうか。
トリプルオプションが大好きな筆者にとってはある意味CFP準決勝戦以外で最も楽しみな試合の一つと言っても過言ではありません。