パスを重用するオフェンスが旨のテキサス工科大から昨年のトップWRが転校していくというニュースが飛び込んできました。
昨年69回の捕球で13TDを含む1158レシーブヤードを記録した、ジョナサン・ガイルズ(Jonathan Giles)は先月末に自身のツイッターアカウントでテキサス工科大からのトランスファーを表明しました。行き先はサウスイースタンカンファレンスのルイジアナ州立大です。
所属するBig 12カンファレンスでは第4位となる上記の記録は彼を年度末のAP(アソシエーテッドプレス)が定めるオールアメリカンチームに選出(セカンドチーム)されるほどでした。高校ではQBとして活躍したガイルズは大学進学後にWRにコンバートされその才能が開花。昨年は前述の通りチーム内でナンバーワンWRにまで成長したのでした。
そんな彼がチームを去るというのは、超攻撃的パススタイルをいくクリフ・キングスバリー(Kliff Kingsbury)監督にとっては大きな痛手となるでしょう。しかもテキサス工科大からはすでに先発DLブレイデン・フェホコ(Breiden Fehoko)もガイルズと同じくルイジアナ州立大へトランスファーすることも明らかになっており、主力メンバーの流出にファンも大きな疑念を抱いているのではないでしょうか。
ただ元来WRでなかったガイルズがチーム1のターゲットに成長したのは、もちろん彼の身体能力も影響していますが、それと同じくらいにキングスバリー監督のシステム、そして先日のNFLドラフトで総合10位でカンザスシティチーフスに指名されたQBパトリック・マホームス(Patrick Mahomes II)の力もあったと思います。もちろんチームはマホームスに代わるQBを育て上げなければなりませんが、キングスバリー監督のシステムが健在であればQBはもとよりWRもその代用は効くと思われ、その点からするとガイルズの退部がチームのオフェンスを根本から揺るがすようなものではないかもしれません。
どちらにしても選手が出ていくということがポジティブであるとうことはありませんから、大なり小なりこの事実は不安要素ではあります。チームのスター選手であったキングスバリー監督にとって5年目を迎える2017年度シーズン、大きな進歩がなければ彼のクビも危なくなってきそうですから、何としてもチームをまとめ上げて来季に備えたいところです。