昨年ウエスタンミシガン大にてシンデレラストーリーを演出し、その手腕を買われてミネソタ大のヘッドコーチに抜擢されたP.J.フレック(P.J. Fleck)監督。カレッジフットボール創成期には多大なる存在感を示し、強豪とされていたミネソタ大はここ何年も際立ったシーズンを送れていません。大学側は是非ともフレック監督にかつてのチームの輝きを取り戻して欲しいと願っていることでしょう。
フレック監督がウエスタンミシガン大で起こした旋風をそっくりそのままミネソタ大で再現するため、先日彼がウエスタンミシガン大で発案したスローガン「ロウ・ザ・ボート」をミネソタ大に引っ張ってくることに成功しました。他にも多くのコーチ陣がミネソタ大に鞍替えしているように、フレック監督は多くのものをウエスタンミシガン大からミネソタ大に持ち込んでいるようです。
そんな中、2月にウエスタンミシガン大の先発LBロバート・スピレーン(Robert Spillane)はチームから転校することを発表しました。おそらくこれを聞いた人なら誰でもスピレーンはフレック監督の後を追ってミネソタ大に転校しようとしていると勘ぐるでしょう。ただ、スピレーン個人の意思でウエスタンミシガン大を出てミネソタ大に転校することは何の問題もないのですが、どうやら裏でスピレーンだけでなく他のウエスタンミシガン大の選手たちをミネソタ大に呼び寄せようとフレック監督が動いていたという噂も立っています。これが問題の火種になるかもしれないということです。
というのもNCAAのルールではコーチは他の大学でスカラシッププレーヤー(スポーツ奨学金をもらっている選手)とコンタクトを取ることは厳しく規制されているからです。これはリクルーティング目的でなくても、例えばコーチが他の選手に「誕生日おめでとう」というメールを送ることもNGということです(こんなシチュエーションはないとは思いますが笑)。
スピレーン自身はツイッターで「転校すると決めたのは自分自身の意思によるものです。」と上に挙げた噂を否定しました。しかし時を同じくして複数のニュースソースは、フレック監督が彼の元教え子にコンタクトを取っていたということをミネソタ大がNCAAに自己申告した、という情報を掴んでいます。この元教え子が誰なのかは秘匿となっています。
ミネソタ大の体育局長、マーク・クロイル氏はウエスタンミシガン大の同局長キャシー・ビューレガード女史に「ミネソタ大はウエスタンミシガン大の選手を引き抜くようなことは一切しない」と話したということですが、火のないところに噂は立たないと言いますからね・・・。