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ピーチボウルレビュー【2025年度CFP準決勝戦】

ピーチボウルレビュー【2025年度CFP準決勝戦】

#1 インディアナ大 56、#5 オレゴン大 22

2026年1月9日、ジョージア州アトランタで開催されたピーチボウル(CFP準決勝)において、第1シードのインディアナ大が第5シードのオレゴン大を56対22という圧倒的なスコアで粉砕しました。開始わずか11秒で決まった衝撃のピックシックスから始まり、ハイズマントロフィー受賞QBフェルナンド・メンドーサ(Fernando Mendoza)による5つのTDパス、そして相手を戦意を奪ったディフェンス陣の鉄壁さは、まさに「王者」の風格にふさわしいものでした。

創部以来初となる全米王座決定戦への切符を無傷の15連勝で掴み取ったインディアナ大の快進撃は、もはや一発屋的な「シンデレラストーリー」の域を超え、全米中を興奮させる新たな強者の誕生を予感させています。かつて「全米で最も負け越しているチーム」と呼ばれた彼らの圧勝の様子を振り返ります。

試合経過

会場となったメルセデスベンツスタジアムはインディアナ大のキャンパスからの方がオレゴン大のそれよりも近いという事実はありましたが、スタジアム内は8割から9割ほどがインディアナ大のファンが詰めかけたことにより真っ赤に染まるという、ほぼインディアナ大のホームかというくらいの異様な雰囲気に。

10月に1度対戦した際に負けを喫したオレゴン大はそのリベンジに大いに士気が高まっていたと思われますが、その絶対的な歓声を背に受けインディアナ大が序盤から見せます。

第1Q

試合はキックオフ後わずか11秒で動きます。オレゴン大の最初のドライブの一発目のプレーで、インディアナ大のCBディアンジェロ・ポンズ(D’Angelo Ponds)がオレゴン大QBダンテ・モアー(Dante Moore)のパスをインターセプトし、そのまま25ヤードを走り抜けてTDを決める「ピックシックス」でいきなり先制。スタジアム内を大いに沸かせます。

下馬評で劣るオレゴン大にしてみれば最悪の滑り出しとなってしまいましたがすぐさま反撃に転じます。次のドライブで7分以上をかけた14プレーにて75ヤード進撃した彼らは、最後モアーがジャマリ・ジョンソン(Jamri Johnson)へ19ヤードのTDパスを通し7対7の同点に追いつきます。

これに対しインディアナ大は、6分半(11プレー)のドライブで応戦。QBメンドーサが4本中全てのパスを成功させる完璧なパフォーマンスで相手陣内レッドゾーンへ侵入すると、最後はオマー・クーパー・Jr(Omar Cooper Jr.)へのバックショルダー気味の8ヤードTDパスを通し、14対7と再びリードを奪ってこのクォーターを終えます。

第2Q

ここまではワンポゼ差の展開でさすが準決勝戦という僅差の試合でしたが、第2Qにインディアナ大がオレゴン大を一気に突き放しにかかります。

オレゴン大崩壊の始まりとなってしまったのは、第2Q残り時間約9分半から始まった彼らのドライブのファーストプレーでQBモアーが自陣深くで痛恨のファンブルを犯し、ゴールライン前3ヤードという地点からのインディアナ大の絶好の得点チャンスを献上してしまいます。

そしてインディアナ大はこのチャンスを逃すはずもなく、カエロン・ブラック(Kaelon Black)の3ヤードTDランが難なく決まり、21対7とリードを広げます。

返しのオレゴン大の攻撃ではインディアナ大の強力なDL陣がオレゴン大OL陣に襲い掛かり、モアーに2回連続のQBサックを食らわせて、彼らの攻撃はたったの5プレーでパントを強いられることになってしまいます。

するとインディアナ大オフェンスは再びメンドーサの完璧なパスプレー(4投全て成功)で素早く相手陣内へ突き進むと、試合残り時間約3分というところで彼からWRチャーリー・ベッカー(Chalie Becker)への36ヤードのTDパスが見事に決まってスコアがさらに28対7となります。

既にモメンタムがインディアナ大に流れてしまったこの状況を何とか打破したかったオレゴン大でしたが、何と再びモアーが自陣エンドゾーン直前で投球寸前でサックを喰らって思わずボールをファンブル。これをインディアナ大ディフェンスがリカバーして三度ピンチな状況を自ら作ってしまいます。

そして当然ここに降臨するのはメンドーサ。前半残り1分を切った時点で彼からWRイライジャ・サラット(Elijah Sarratt)への2ヤードTDパスをしっかりと決めて追加点。ここまで5つのTD全てが異なるプレーヤーによるという多彩なスコアリングを見せつけました。

すでに敗色濃厚となってしまったオレゴン大は試合終了間際に56ヤードのFGを狙いますが、これも無常に外れてしまい前半終了。前評判を大きくうわまる4ポゼ差という圧倒的な展開でオレゴン大の戦意はズタズタにされてしまいます。

第3Q

後半に入ってもインディアナ大のモメンタムは止まりません。

第3Q開始後から彼らは攻撃の手を緩めることなく、約6分11プレーのドライブで75ヤード突き進み、途中メンドーサがファンブルを犯すも味方がリカバーするという幸運にも恵まれ、一気にレッドゾーンへ侵入。そしてメンドーサのこの日4つ目のパスTDがE.J.ウィリアムズ・Jr(E.J. Willimas Jr)へ決まり、リードを42対7に広げます。

いいところが全くなかったオレゴン大でしたが、この後はようやく特典の糸口を掴み、ディエール・ヒル・Jr(Dierre Hill Jr.)による71ヤードの独走ランで敵陣4ヤードラインまで一気に迫ります。

そしてジェイ・ハリス(Jay Harris)が2ヤードのTDランを決め、2ポイントコンバージョンも成功させて42対15とします。しかし、オレゴン大がこのクォーターで奪えた追加得点はこれのみに留まりました。

第4Q

試合最後のクォーターに入ってもインディアナ大の圧倒的な流れは止まりません。オレゴン大は自陣奥深くでパントを余儀なくされますが、このパントをダニエル・ヌドゥクウェイ(Daniel Ndukwe)がブロックし、敵陣10ヤードからの攻撃権を獲得します。

メンドーサはこの好機を活かし、サラットへこの日5つ目となるTDパスを通すと、さらに試合終了まで5分を残した場面でブラックが23ヤードとなるこの日2つ目のランTDを決め、なんとスコアは56対15に。最後オレゴン大がロジャー・サレアパガ(Roger Saleapaga)への11ヤードTDパスで一矢報いましたが、最終的には56対22でインディアナ大が圧勝を収めました。

この勝利により、インディアナ大は今シーズン15連勝目を飾り、チーム史上初となる全米王座決定戦への進出を決めたのでした。

スタッツ比較

#5 オレゴン大#1 インディアナ大
1stダウン数2018
3rdダウンコンバージョン8-1311-14
4thダウンコンバージョン0-20-0
トータルヤード378362
パスヤード285177
ランヤード93185
ペナルティ5回/43ヤード5回/23ヤード
インターセプション20
ファンブル10
ボール所有時間28:4731:13

勝敗の要因

インディアナ大の勝因

インディアナ大の大勝利に大きく貢献した要因の大きな一つに彼らの守備陣の圧倒的なプレッシャーとそれらから生み出されたターンオーバーが挙げられます。

なんといっても試合開始後11秒のポンズによるピックシックスというビッグプレーでいきなり彼らが主導権を握ったのはこれ以上考えられないほどのトーンセッターでしたが、それ以外でも前半だけで相手QBモアーにサックをお見舞いしたことから生まれたファンブルリカバーはディフェンシブフロントの猛烈なラッシュがあったからこそ。それらのターンオーバーを起点にして21点を捻出しているわけですから、ディフェンスの貢献度は計り知れないです。

また手負とはいえ(後述)、前半だけでオレゴン大のラン攻撃をわずか9ヤードに抑え込み、相手の攻撃を単調にさせ、モアーに更なるプレッシャーを与えたのも大きかったといえそうです。

オフェンスではハイズマン賞QBメンドーサの、極めて燃費が良く「精密なマシーン」のようなプレーでオフェンスを牽引。

この日メンドーサはパス20回中17回成功、177ヤードを記録。ヤード的にはそこまで目を見張るものではありませんでしたが、パスミスがたったの3つに加え、なんと5つのTDパスを投げ、不成功に終わったパスの数よりもTD数が多いという、驚異的なスタッツを残しました。

さらに、勝負の屋台骨ともなるライン戦では、攻守共にオレゴン大を圧倒。DL勢はサイズでオレゴン大のOL陣に劣る(平均279パウンドvs325パウンド)ものの、コンスタントにプレッシャーをかけて押し込み続け、2つのQBサックに10個のタックル・フォー・ロスを計上。モアーもポケット内で追い立てられるシーンが何度も見られました。

一方、インディアナ大のOL陣はオールアメリカンCパット・クーガン(Pat Coogan)を中心にメンドーサをしっかりと守り(被サックはわずか1回)、またランブロッキングでも能力の高いオレゴン大フロントセブンを抑え込みRBたちのために多くのレーンを切り開きました。結果ランだけで185ヤードも稼ぐなどし、全体的に見てもトレンチ戦を制していたように感じます。

そしてメンドーサの高いパス成功率(85%)も去ることながら、チーム全体としての3rdダウンコンバージョンが14回中11回成功と信じられないほどの高さを誇り、ドライブ継続に大きく貢献。実質的に10回あったポゼッションの内7回がTDにつながるというとんでもなく効率の良いオフェンスを展開するに至りました。

レッドゾーンでの得点力の高さも特筆すべきで、5回あったチャンスをすべてTDに繋げるという、脅威のレッドゾーンオフェンス成功率100%という確かな決定力も見せつけ、まさにどこを取ってもインディアナ大の圧勝といった感じでした。

オレゴン大の敗因

逆にミシシッピ大の最大の敗因は、前試合のリズムを完全に破壊した自滅的なターンオーバーにあります。

試合最初のプレーでQBモアーのパスがインターセプトされ、そのまま25ヤードのピックシックスを許したことに始まり、モアーが2つのファンブルを犯してしまったことが大打撃でした。これで21点分を敵にプレゼントしてしまったと考えると、ひょっとしたらこれらがなければ試合の展開はもう少し違ったものになっていたかもしれません。

また主力RBの欠場による攻撃の単調化も響きました。ここまで15TDを記録していたジョーダン・デイビソン(Jordan Davison)が鎖骨骨折で欠場、さらにチームトップの829ヤードのランを記録していたノア・ウィッティントン(Noah Whittington)も共に欠場。チームを支えるトップ2のランニングバックを欠いた状態で試合に臨まざるを得ませんでした。

代わりに出場したジェイ・ハリス(Jay Harris)はこの試合までトータルのヤードゲインが120ヤードほど。実際のところ、モアーの二つ目のファンブルはハリスへのハンドオフフェイクの際に接触して起きてしまった事故であり、連携の薄さが出てしまったのかもしれません。

チーム第3のRBヒル・Jrがいたとはいえ、チーム全体でサックによる減退分を差し引いても120ヤードしか稼げなかった(しかもそのうち71ヤードはそのヒル・Jrのロングランによるもの)ことで攻撃が単調化してしまったことは否めません。

その他にも上記にもあるライン戦で圧倒されたことや、パントブロックやFGを外すといったスペシャルチームのミス、といった点も挙げられるかと思いますが、タレントの質やポテンシャルではオレゴン大が上だったとしても、チーム全体のプレー遂行能力といった面やフィジカルやタフネスといった点でインディアナ大との差は残念ながら歴然としていました。

総括

この勝利で第1シードのインディアナ大が、ついに夢のナショナルチャンピオンシップゲームに進出です。創部以来タイトル獲得はもとより、そういった舞台にたったことすらなかったチーム。現HCカート・シグネッティ(Curt Cignetti)監督が就任する前の年の2023年の戦績は3勝9敗。それ以前でも勝ち越すことだけで一苦労だったチームが、シグネッティ監督の大変革のおかげで誰もが想像すらしなかった状況が出来上がったのです。

準々決勝戦のアラバマ大(38対3)と準決勝戦のオレゴン大(56対22)とカレッジフットボール界の大御所を立て続けに大差で破ったインディアナ大。これはもはや決してシンデレラストーリーなどではなく、新たなジャガーナット(Juggernaut)の誕生を意味しているのです。

チーム内に元5つ星リクルートが全くいない(オレゴン大には5人)にも関わらずそれを全く戦力として不利に思わせないチームづくりは、シグネッティ監督の目指すフットボールについて来れる人材だけを集めて育てたという手腕もさることながら、NILとトランスファーポータル経由でのロースター補充も功を奏していると思います。

特にインディアナ大は大学挙げてフットボール部に多くの資金援助を行っており、卒業生からの義援金としては、NBAダラスマーベリクスのオーナーとしても有名な起業家でインディアナ大の卒業生であるマーク・キューバン(Mark Cuban)氏が惜しみない援助金を差し出したことも明らかになっています。

一方のオレゴン大ですが、昨年のCFPでのオハイオ州立大との大敗(42対21)に続き、今回も大舞台で大差で敗れてしまうという、勝負どころで結果を出せないというところが出てしまいました。当然ここまで駒を進めて来れたことは賞賛されるべきことですが、目指すところがそこではない(=全米制覇)であることを考えれば、今回の結果は大変残念なものだといえます。

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