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最新CFPランキングを分析【2020年度第1回目】

最新CFPランキングを分析【2020年度第1回目】

カレッジフットボールの頂点を極めるカレッジフットボールプレーオフ(CFP)。そのトーナメント戦に出場できる4チームを決めるためのランキングがその名もCFPランキングですが、今季初回となる第1回目のCFPランキングが現地火曜日夜に発表されました。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

CFPランキングとは?

CFPランキングはCFP選考委員会によって独自に発表されるランキングです。選考委員会は13人で構成され、その顔ぶれは大学長、体育局長、元監督、元選手、元陸軍将軍、大学教授など様々です。かつてはコンドリーザ・ライス元国務長官も選考委員の一員でした。

この13人の有識者たちがこれまでのシーズンの各チームの戦いぶりを踏まえてランクを決めていくのですが、2013年まで用いられていたボウルチャンピオンシップシリーズ(BCS)のようなコンピューターランキングなどのフォーミュラ(数式)などは使われず基本的に彼らの主観でこのランキングは決定されます。

参考記事ボウルチャンピオンシップシリーズ

とはいえ完全主観というわけにはいかず、CFPランキングを決めるにあたってある程度のポイントがあるのも事実です。それが以下のもの。

  • ストレングスオブスケジュール
  • 所属するカンファレンスで優勝したかどうか
  • 直接対決の結果
  • シーズンの戦績
  • 同じ対戦相手が居た場合、その試合の結果
  • その他

一番重要なのが「ストレングス・オブ・スケジュール(Strength of Schedule=SOS)」と言われています。これは簡単に言えばそれぞれのチームがどれだけタフな(もしくは楽な)スケジュールをこなしてきたかを示すものです。わかりやすく言うと、もし2つの無敗チームが居たとして、一方のチームは多くの強豪チームと渡り合って無敗を守り、もう一方のチームは弱小チームとばかりと戦って得た全勝だとしたら前者の無敗レコードのほうが価値があるというもの。

もしくは後者のような無敗チームと、強豪校とばかり対戦して1敗を喫してしまったチームがいたとしたら、たとえ1敗していたとしてもSOSの関係で彼らのほうがランクが上になるということも大いに考えられます。

興味深いのは対戦した相手の動向もランキングに響いてくるということ。例えばオハイオ州立大は今季第2戦目に当時18位だったペンシルバニア州立大と対戦していますが、オハイオ州立大はこの試合に勝利して非常に価値のある1勝を手に入れたとその時は思われていました。しかしその後ペンシルバニア州立大は5連敗で未だ勝ち星から遠のいており、そうなると今振り返った時にオハイオ州立大がペンシルバニア州立大から獲得した勝利はそこまで価値のあるものではないという評価を得てしまうことです。

その他にも行われた試合の天候とか、スター選手の怪我だとかも参考にされるということです。例えばクレムソン大トレヴァー・ローレンス(Trevor Lawrence)は新型コロナウイルスに感染してしまい、大事なノートルダム大との決戦に出場することが出来ませんでした。それが原因だったかどうかは分かりませんがクレムソン大はノートルダム大に敗れるわけですが、この敗戦に関してはローレンスが欠場したという事実が考慮されるというわけです。

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もっとも実際にはどのポイントがどれだけの影響を与えるのかは選考委員会のみぞ知るという感じですね。

ただ上位4位に入れる可能性のあるチームというのはランキング入りする25チームの中でも更に一握りのチームのみ。これまで2敗してしまったチームがプレーオフに進出した例はありませんから、チームの成績として2敗というのはカットラインに考慮されるでしょう。そうなると自ずと25チームの中でもプレーオフ進出を現実のものと出来るチームというのは自然と限られてくるのです。


今季第1回目のCFPランキング

それでは早速今シーズン最初となるCFPランキングを見ていきたいと思います。

上位4チーム

1位:アラバマ大(7勝0敗)
2位:ノートルダム大(8勝0敗)
3位:クレムソン大(7勝1敗)
4位:オハイオ州立大(4勝0敗)

現時点での最強の四天王がこの顔ぶれになりました。先に発表されているAPランキングと同じ4チームですが、3位と4位が入れ替わっています。前述の通りノートルダム大とクレムソン大は直接対決を終えておりその試合に勝ったノートルダム大が2位。APランキングで3位だったオハイオ州立大は未だ4試合しか消化していないということと、先週のインディアナ大戦でパスディフェンスに大きな不安を残したことでクレムソン大と順位を入れ替えたのではないでしょうか。

3位と4位とでは何が違うかと言えばやはり4位のチームは1位のアラバマ大と対戦しなければならなくなるという点でしょう。そういった意味では2位と3位では実質大きな違いはありませんが3位と4位とではその後に及ぶ影響に多大なる違いが出てきます。

注目したいのは既に対戦しているノートルダム大とクレムソン大はこのまま行けばACC(アトランティックコーストカンファレンス)優勝決定戦で再び相見えることが予想されていることです。ここでノートルダム大が勝ちクレムソン大が2敗目を喫することがあればノートルダム大がCFP進出を決めクレムソン大は当然脱落ということになるでしょう。

しかしもしクレムソン大が勝ってノートルダム大に1敗が付いた場合、この試合が接戦であればあるほど両チームがプレーオフに進出する可能性が高いと言われています。もしそうなるとシナリオ次第ではこの2チームがプレーオフでも対決するポテンシャルも秘めておりそうなると1シーズンで3度も同じ相手と対戦するという可能性が出てくるのです。

第2グループ

5位:テキサスA&M大(5勝1敗)
6位:フロリダ大(6勝1敗)
7位:シンシナティ大(8勝0敗)
8位:ノースウエスタン大(5勝0敗)

上位4チームのうち1チーム(もしくはそれ以上)がずっこけた場合にその空いた席を狙っているのがこの4チーム。

テキサスA&M大はフロリダ大との直接対決を制しているために5位に落ち着いていますが、一方で所属するSEC(サウスイースタンカンファレンス)西地区においてアラバマ大に既に敗れておりこのまま行けば彼らはSEC優勝決定戦に出場することは出来ません。そうなると有利になるのはフロリダ大です。彼らは東地区を制することができれば優勝決定戦でアラバマ大と対決することにほぼ決まると思われますから、順位は6位でも5位のテキサスA&M大よりCFPに進出する可能性は多少高めと言えそうです。

「グループオブ5」勢の希望の星であるシンシナティ大がCFPランキングでも7位にとどまったことは喜ばしいことです。2014年度シーズンから始まった現行のCFPシステムではFBS(フットボールボウルサブディビジョン)でも上位カンファレンス群とされる「パワー5」勢しかプレーオフに進出してきませんでした。そのトラディションに風穴を開けることが出来るかもしれないのがこのシンシナティ大なわけです。

当然この位置にいるということは10位以下のチームよりもCFPに出場できるかもしれない可能性は高くなりますが、かといって彼らにも自力で上位4位に食い込める状況にもありません。彼らがCFPに進出するためには上位4チームに波乱が起き、さらに5位と6位のチームにも何らかのボロが出なければならないからです。

8位のノースウエスタン大は興味深い存在です。彼らはここまで5連勝で波に乗るチームであり、先週当時10位のウィスコンシン大を倒せたことは彼らのレジメ(戦歴)を高める大きな助けになりました。もし彼らがこのまま勝ち続けてBig Tenカンファレンス西地区を制し東地区代表のオハイオ州立大を優勝決定戦で倒してカンファレンスチャンプとなった場合、彼らをCFP選考委員会はどう評価するのか?そしてそこで負けてしまったオハイオ州立大はトップ4から陥落することになるのか?それは他チームにも大きく影響を及ぼすことになりますから、ノースウエスタン大の動向には注目が集まります。

実質的にCFP進出への可能性を秘めているのはこの8チームなのではないかと考えます。9位のジョージア大と11位のオクラホマ大は既に2敗を喫してしまっていますし、マイアミ大とインディアナ大はよほどのことがない限りそれぞれのリーグタイトル戦に出場することは出来ないでしょう。

ここまで無敗でAPランキングで8位まで上り詰めたブリガムヤング大が14位に甘んじているのは少々驚きましたが、一方で彼らのここまでの対戦相手を見ればストレングス・オブ・スケジュール(SOS)が弱くなってしまうのは致し方ないことで、それがおそらくこの14位という評価に落ち着いたということでしょう。彼らに必要なのは飛び込みの試合でもいいから「パワー5」チームと対戦して戦歴に箔をつけることです。今季は多くの試合がコロナウイルスのせいでキャンセルになっていますから、ウイルスの影響を受けていない方のチームは今後も出てくるはず。ここまでくれば負けて黒星が付いたとしても失うものは無いのですから彼らにはそういった思い切った起爆剤が必要不可欠だと考えます。

あとはPac-12カンファレンスの優勝チーム。今季もっとも襲い11月からの参戦となったPac-12カンファレンスは最大でも7試合しか行うことが出来ません。つまり彼らにはCFP選考委員会にアピールするための試合数が極端に少ないということになり、これは確実に彼らに不利に働いてしまいます。APランキングでようやく10位以内に飛び込んできたオレゴン大はPac-12カンファレンスの稼ぎ頭ですが、その彼らでもCFPランキングで15位。18位には同じくPac-12カンファレンスのサザンカリフォルニア大が控えますが、仮にこの2チームがタイトルマッチで対戦してどちらか一方が優勝したとしてもその時点でそのチームが上位4位以内に食い込めるだけの力を持っているかどうかは定かではありません。

今後のランキング発表日

第2回目:12月1日(火曜日)
第3回目:12月8日(火曜日)
第4回目:12月15日(火曜日)
第5回目:12月20日(日曜日)←CFP出場チーム決定

今後は毎週火曜日にランキングが発表され、各カンファレンスタイトルゲームが終わる12月19日の翌日正午にファイナルランキングが発表され上位4チームが晴れて全米タイトルを掛けて戦われるプレーオフに進出することになります。

歴史は繰り返す・・・?

最終的に重要なのは第5回目のCFPランキングなわけで、今回発表された初回のランキングに一喜一憂する必要はないのですが、過去のランキングの推移を見てみるとそれは一目瞭然です。

2014年度初回
1.ミシシッピ州立大
2.フロリダ州立大
3.アーバン大
4.ミシシッピ大
2014年度ファイナル
1.アラバマ大
2.オレゴン大
3.フロリダ州立大
4.オハイオ州立大
2015年度初回
1.クレムソン大
2.ルイジアナ州立大
3.オハイオ州立大
4.アラバマ大
2015年度ファイナル
1.クレムソン大
2.アラバマ大
3.ミシガン州立大
4.オクラホマ大
2016年度初回
1.アラバマ大
2.クレムソン大
3.ミシガン大
4.テキサスA&M大
2016年度ファイナル
1.アラバマ大
2.クレムソン大
3.オハイオ州立大
4.ワシントン大
2017年度初回
1.ジョージア大
2.アラバマ大
3.ノートルダム大
4.クレムソン大
2017年度ファイナル
1.クレムソン大
2.オクラホマ大
3.ジョージア大
4.アラバマ大
2018年度初回
1.アラバマ大
2.クレムソン大
3.ルイジアナ州立大
4.ノートルダム大
2018年度ファイナル
1.アラバマ大
2.クレムソン大
3.ノートルダム大
4.オクラホマ大
2019年度初回
1.オハイオ州立大
2.ルイジアナ州立大
3.アラバマ大
4.ペン州立大
2019年度ファイナル
1.ルイジアナ州立大
2.オハイオ州立大
3.クレムソン大
4.オクラホマ大

なんと見事に初回とファイナルのランキングの顔ぶれが変わっています。もしこのパターンを踏襲するとなれば果たして今回の上位4チームから消え去るのはどのチーム・・・?

初回のCFPランキング一覧

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