「テキサス大は自身の専属メディアネットワークであるロングホーンネットワークを廃止すべきだ。さもなければBig 12カンファレンスはこのまま痛手を受け続けるでしょう」と話したのはオクラホマ州立大ヘッドコーチ、マイク・ガンディ(Mike Gundy)監督。
SECやBig Tenカンファレンスがそれぞれ持つメディアネットワークにBig 12は遅れを取っており、ガンディ監督はBig 12カンファレンスの総合的な運営能力を強化するにはメディアネットワークを一本化する必要があると説いています。
オクラホマ州立大のマイク・ガンディ監督
「Big 12には自身のメディアネットワークが存在せず、あるのは失敗策と囁かれているロングホーンネットワークだけだ」とガンディ監督は続けます。
テキサス大のロングホーンネットワークの苦戦はすでに明白です。2011年に発足して以来48ミリオンドル(約54億円)の損害が出ていると言われています。テキサス大と米スポーツ専門局ESPNとの20年契約は295ミリオンドル(約330億円!)と言われており、テキサス大は年間約15ミリオンドル(16億円)を受け取ることになっています。
またガンディ監督の懸念はカンファレンスの維持運営面だけではありません。統一されたネットワークが無いことがリクルーティングにも響いていると言っています。実際これと関係しているかどうかは定かではありませんが、2016年度のリクルーティングでは他のパワー5カンファレンスに遅れをとりました。それは特に皮肉なことにテキサス州で顕著でした。
ロングホーンネットワークを将来的にBig 12ネットワークにアップグレードすることも可能だという話もあります。施設や器具はすでに揃っているわけですから。
「もしテキサスが数年のうちにロングホーンネットワークを畳まなければ、彼らはPac-12やSECにでも出ていけばいい。もしそれを望むならば現状維持のままで構わないのだろうが、もしそれが嫌ならば自らこの状況を変える努力をするべきだ。さもなければ好き嫌いにかかわらず強制的に変化を促されることでしょう」とガンディ監督は続けます。
Big 12カンファレンスはこの問題に関して様々な角度から検証していく準備があるようです。もしこのネットワーク問題、並びにカンファレンスの拡張(新規加盟チーム)それにともなるカンファレンス優勝決定戦の設立が正式に発表されることがあればこの夏まで待たなければならなそうです。
カンファレンスの拡張に関してはガンディ監督はこんなことも言っています。
「このような現状のカンファレンスに加入しようというチームがあるとは思わない。Big 12のメンバーたるチームは強く、歴史があり、そしてある程度のテレビ放映面でマーケットがなければならない。それに大学として学業でもしっかりとしたチームである必要もある。そのようなチームが今現在存在するとは思えない。」
カンファレンス優勝決定戦を導入するかは非常に五分五分の決断です。タイトルゲームを持つことで良いことはプレーオフに自カンファレンスからチームを送り出すのに有利になりますし、またこのゲームによりテレビ放映の放映権やらチケットの売り上げなど収入面でもカンファレンスが潤うポテンシャルを秘めています。
しかしこれまで他のカンファレンスで行われてきたタイトルゲームでは約30パーセントの確率で本命チームが負けるというデータがあります。Big 12は2010年までタイトルゲームを設けていましたが、この間(1996年から2010年)実に40パーセントの確率で本命が破れるという波乱が起きています。もちろんこれはエンターテインメント的には盛り上がると思いますが、場合によっては自らのカンファレンスからナショナルチャンプを輩出する妨げとなってしまいます。プレーオフにBig 12カンファレンスからチームが出場するとなれば多かれ少なかれ出場チームが所属するカンファレンスにも収入があるので、このような「アップセット」の状況はリーグ的にはあまり嬉しくないニュースなわけです。
ガンディ監督は「われわれにタイトルゲームは必要ない」と断言もしています。
話を元に戻すと、要するにBig 12カンファレンスがカンファレンスとしての力をSECやBi
g Tenに追いつくぐらいにするには所属するチームが一丸とならなければいけないというわけです。2010以降、コロラド大、ネブラスカ大、ミズーリ大、テキサスA&M大と次々とメンバーを失い求心力を無くしたBig 12が再び強いカンファレンスとして復活するにはフットボール自体だけでなくその他の分野でも手を取り合わなければならないわけですね。
果たしてこの問題に妥協点を見いだすことができるのでしょうか。