全米中の花形選手たちのその多くは高校時代から大学チームにリクルートされたり、奨学金を授与されたりと、別格の待遇を受けています。その一方でリクルートされないもののその大学でプレーしたいがために自力で入学し、奨学金もなく自腹で学費を支払いながらプレーしている選手たちも多くいます。そういった選手たちを「ウォークオン(Walk-On)」と言います。
そんな健気な選手たちを称える賞があります。入学時にウォークオンだった、その年のトッププレーヤーに贈られるバールスウォース賞(Burlsworth Award)です。今年の受賞者が今週月曜日に発表され、オクラホマ大QBベーカー・メイフィールド(Baker・Mayfield)に授与されました。
オクラホマ大QBベーカー・メイフィールド
今季11勝1敗という好成績を残したオクラホマ大を率いたメイフィールドは今季TDを35も量産しつつパスインターセプトはたったの5つと、QBレーティングで全米2位となる素晴らしいプレーでチームを牽引。その甲斐あってオクラホマ大はプレーオフ進出を果たし、年末に行われる準決勝(オレンジボウル)で第1シードのクレムソン大と対決します。
その他のファイナリストはペンシルバニア州立大LBカール・ナシーブ(Carl Nassib)とワシントン州立大QBルーク・フォルク(Luke Falk)でした。
ウォークオン経験者に贈られるというこのアワードはメイフィールドのこれまでのキャリアを振り返ればベストマッチだと言えます。実はメイフィールドは1度だけでなく2度ウォークオンを経験しています。最初はテキサス工科大で、そしてそこから転校した先のオクラホマ大で2度ウォークオンとしてプレーしているのです。そして今年は先発QBの座を確保し前述のような活躍を見せました。
そんな素晴らしいシーズンを送ったメイフィールドはハイズマントロフィー候補にも選ばれましたが、このバールスウォース賞の授賞式の数時間後に発表されたハイズマントロフィーのファイナリストには残念ながら選ばれませインでした。
いずれにしてもプロレベルでも通用すると言われているメイフィールドですが、今年3年生の彼はNFLのドラフト入りする資格も持っていますが、「僕はオクラホマ大が好きすぎて仕方ありません。だからNFLのドラフト入りはせず来年も4年生としてオクラホマ大に戻ってきます」と断言しています。
バールスウォース賞は元アーカンソー大OLブランドン・バールスウォース(Brandon Burlsworth)の業績を称えて創設された賞で、彼もまたウォークオンから這い上がりオールアメリカンに選ばれるまでになり、1999年にNFLインディアナポリスコルツにドラフトされるも、その11日後に自動車事故で亡くなりました。