7位:2009年度 テキサス大(13勝1敗)
勝者:アラバマ大(37対21)
勝負事に「たられば」は禁物ではありますが、2009年度のナショナルチャンピオンシップゲームを語る時、この「もし・・・だったなら」というシナリオは外す事は出来ません。
2009年度のテキサス大はシーズン開始から終了まで全米ランクトップ3位以内を常時維持し、ベストチームの一つに数えられていました。シーズン開幕時は全米2位で発進。シーズン中2つの接戦以外は常に相手を圧倒して勝ち星を重ね続けていきました。ライバル・オクラホマ大(全米20位)に16対13と僅差で勝利した試合と、ネブラスカ大と対戦したカンファレンスタイトルゲームでの13対12という大接戦がそれにあたります。
このネブラスカ大戦では試合の行方はまさにゲームクロックが「0(ゼロ)」になるまで分からないという接戦だったのですが、終わり方は非常に後味の悪い感じになってしまったのでした。というのも、テキサス大が12対10でネブラスカ大を追う状態で迎えた、このゲーム最後(と思われた)プレー、QBコルト・マッコイ(Colt McCoy)が放った最後の望みのパスは無情にもフィールドの外へはずれ、ゲーム終了と一時はなったのですが、レビューによりマッコイのパスが不成功となった時点でのこり1秒残っていたと判断され、結局残り1秒でFGが成功し試合終了。テキサス大が劇的な逆転劇を演じたのでした。
BCSナショナルタイトルゲームではアラバマ大と対戦。しかしチームリーダーであるQBマッコイがテキサス大のファーストドライブ中に怪我を負い戦線離脱。早い段階でテキサス大に大きなピンチが訪れます。バックアップQBギャレット・ギルバート(Garrett Gilbert)とWRジョーダン・シプリー(Jordan Shipley)の活躍で後半1TD差にまで詰め寄るも、第4Qに犯した2つのターンオーバーが響き、アラバマ大に全米タイトルを奪われることになります。
テキサス大ファンにとっては「もしマッコイが怪我をしていなかったら・・・」と考えずにはいられなかったこの年のナショナルタイトルゲーム。パス成功率で全米トップを走っていたマッコイが仮に試合終了までプレー出来ていたら、アラバマ大が誇る最強ディフェンスに立ち向かえていたのかもしれません。
ちなみにテキサス大はこれを境に少しずつチーム力が下降線を辿っていきます。この年以降二桁勝利を挙げた事は今日までなく、テキサス州にテキサス大あり、と言われて来た時代は去り、テキサスクリスチャン大、ベイラー大、さらにはヒューストン大など他のテキサス州内チームの台頭もありテキサス大は現在苦しい状況にあります。だからこそこの2009年度にナショナルタイトルを逃した事が非常に悔やまれ、その一因とも言われるマッコイの怪我が無かったら・・・と思わされるのです。テキサス州内でリクルーティングで勝つには「全米覇者」であることは最大のプラス点になるからです。