カレッジフットボールの醍醐味として知られているのがボウルゲームです。ボウルゲームはシーズン後に行われるエンターテーメント性の強い催し物ですが、その中でもナショナルチャンピオンを決める上で重要なゲームや歴史的に大きな意味を持つゲームもあります。しかしそれ以外はイベント色・商業色が強い催し物であり、また選手にとってはご褒美的な意味合いが大きいです。
そんなボウルゲームですが1937年当時は6つしかなかったのが徐々に数を増やし、1980年には11つ、1990年には19つ、2000年には25つ、そして今年は40ものボウルゲームが組まれています。
筆者は1999年頃からカレッジフットボールの世界にのめり込んだものですが、そのころからすると15つものボウルゲームが新設されたことになります。
そこで一言。
「ボウルゲームの数、多すぎ!!」
当時でも「だれがこんなボウルゲーム見るんだ?」と思ったマッチアップがいくつもありました。試合の数を増やせば増やすほど質は下がるわけで、40ゲームというのは幾ら何でも多すぎだと思うのです。
40ゲームということは80チームが出場可能なわけです。現在FBS加盟チームは120ほど。つまり半分以上のチームが出場可能なわけです。こうなるとボウルゲームのスペシャル感が薄れてしまいます・・・。
さらに、先週ケンタッキー大、ミネソタ大、イリノイ大などの6勝をかけて戦ったチームが相次いで敗れたため、今まで最低でも6勝しなければボウルゲーム出場資格を得られなかったのが、6勝以上のチームが今回80チーム以下となったのでなんと5勝のチームでも出場資格が得られることになったのです。5勝ということは7敗しているということで、つまり負け越しチームでもボウルゲームに出場できるということです。これはひどい。
今のところ空きが2つあるので5勝7敗のいずれかの2チームにその権利が与えられます。さらに今週末の試合結果いかんでは最高で5チームの5勝チームがこの「特権」を得ることになります。
正直6勝6敗のチームがボウルゲームに出場するのもどうかと思うのに、5勝7敗のチームがボウルゲームに出場するなんて考えられません。商業主義が行き過ぎて、かつてのような特別感が失われてしまいます。それにまず誰がそんな試合を見たいと思うのでしょうか。
とはいえ、5勝7敗のどのチームを選ぶかということですが、アカデミックレーティングを使用すると言っています。要するに学生のクラスのグレードがいいチームから選ぶというわけです。このレーティングがどうはじき出されているかは知る由もありませんが、いまのところ5勝チームのなかでトップレーティングを持っているのはネブラスカ大。古豪ネブラスカ大ならばファン層は厚いのでそれなりの観客動員を見込めるでしょうが、選手はどう思うのでしょうか。ネブラスカ大は(というか5勝7敗という記録を残したチームならどのチームでも)どう考えても今シーズンがいいシーズンだったとは思っていないでしょうし、そんなチーム状況でボウルゲーム出場する意味があるのかどうか、ということです。
まあ意味はあります。招待を受ければそれなりの収入が期待できるからです。
ミズーリ大とバージニア工科大は5勝7敗レコードを保持していますが、すでに彼らはボウルゲームの招待を受けても出場を断ることを決めています。
話によれば将来的にはさらにボウルゲームの数が増えるということでもはや何でもありの様相を醸し出しています。今あるボウルゲームを減らすのは利害関係もあり難しいのでしょうが、勝者にのみ与えられた「特権」という意味を持たすためにもやはり勝ち越しチームのみに出場権を与えるように試合数を調整してもらいたいものです。