現NFLシアトルシーホークスのQBラッセル・ウィルソン(Russell Wilson)が先日母校であるウィスコンシン大の卒業式に招待され来賓スピーチを行いました。この際のスピーチが少し興味深いものでした。
ウィスコンシン大から卒業したラッセルでしたが、実は彼はウィスコンシン大では転校生でした。それ以前はノースカロライナ州立大に所属していました。この卒業式では何故彼がノースカロライナ州立大を出る決心をしたのかが語られたのです。
ウィスコンシン大での活躍がNFL入りに大きく影響したラッセル・ウィルソン
2010年シーズンノースカロライナ州立大で3年生だったウィルソンはACCでベストとなる3563パスヤードに28TDと活躍。ボウルゲームではウエストバージニア大をチャンプススポーツボウルで倒し、いい形でシーズンを終了。この時点でウィルソンはカレッジ生活最後となる4年次もノースカロライナ州立大でプレーする意向でした。
そして2011年の4月、当時のヘッドコーチ、トム・オブライエン(Tom O’Brien)氏と来るシーズンに関して話していた時のこと。オブライエン氏はウィルソンに向かってこういったと言うのです。
‘Listen son, you’re never going to play in the National Football League. You’re too small. There’s no chance. You’ve got no shot. Give it up. You won’t see the field.’
(お前はNFLではプレー出来ない。小さすぎるからだ。そんなチャンスなどあるはずが無い。だから諦めろ。)
こう言われたウィルソンは、NFLでプレーするという自分の夢をかなえる為にはノースカロライナ州立大を出なければならない、と決断したのだそうです。
ノースカロライナ州立大時代のウィルソン
そしてウィスコンシン大へと転校したウィルソンはその年チームをローズボウルへ導き、その結果シーホークスが第3巡で彼を選択。総合75番目のドラフト選手ながら新人シーズンから出場し見事にプロボウルにまで選ばれました。さらに2年後には「小さ過ぎて無理だ」と言われたウィルソンが2014年度にスーパーボウルで勝利。その翌年も後少しと言うところまで行く快挙。現在若きQBとしてNFLを代表するQBに成長しました。
オブライエン氏に言われた言葉をバネに自分の信念を曲げず、見事自分の夢を成し遂げたウィルソン。ウィスコンシン大卒業生もそのスピーチから何か感じ取ることがあったことでしょう。