「私のアラバマ大との対戦成績は1勝0敗だ」
とプレスカンファレンスでいきなり豪語したのはルイジアナ州立大の新オフェンシブコーディネーター、マット・カナダ(Matt Canada)氏です。
「私がノーザンイリノイ大でコーチをしていた時に彼らを倒したことがあるからです」と彼は付け加えました。
確かに13年前、ノーザンイリノイ大はアラバマ大のホームで大金星を挙げました。もちろんそれはアラバマ大がニック・セイバン(Nick Saban)監督を雇う前の話で、今のような誰もが恐れるチームと変貌を遂げる前のことです。しかしアラバマ大に近年苦汁を舐めさせられているルイジアナ州立大のファンの心をくすぐる、何とも粋な発言です。
彼はこうも続けます。
「オフェンシブプレーを組み立てるのは誰でも出来る事です。皆それにとらわれ過ぎています。勝つ為のに必要なのはそれを遂行出来る選手なのです。私たちはコーチングを通してチームの中からベストプレーヤーを育て上げます。また皆数字や記録にもとらわれ過ぎています。自分たちが負け続けている時に数字や記録の事を口にするのは容易い事です。しかし一度フィールドに出てしまえば、気にしなければいけない数字は自分たちが稼ぎ出すスコアのみ。相手より多くスコアを叩き出した方が勝つゲームなのです。それが大差であろうが、10対7であろうが、相手よりも多く点を取る。そして勝つ。それだけです。」
なかなか裏表のなさそうな人物ですが、彼はこれまでインディアナ大、ウィスコンシン大、ノースカロライナ州立大、そしてピッツバーグ大でコーチ業を営んできました。しかし今年1年間はカナダ氏にとっては嵐のような年でした。今年の1月3日にノースカロライナ州立大から解雇を言い渡され、3日後にはピッツバーグ大に合流。そして今回1年経たない間にルイジアナ州立大に移ってきたのです。1年以内に3チームを股にかけた放浪人です。
数々の勝利をチームにもたらしながらも近年単調になってしまっていたレス・マイルズ(Les Miles)および当時のOCカム・キャメロン(Cam Cameron)両氏をシーズン途中であるにも関わらず解雇したルイジアナ州立大。そしてシーズン終了間際には臨時監督を務めていたエド・オルジェロン(Ed Orgeron)氏を正式にヘッドコーチとして昇格させました。さらに先日新しいディフェンシブコーディネーターにデイヴ・アランダ(Dave Aranda)氏をウィスコンシン大からヘッドハンティングし、そして今回カナダ氏が新OCに就任。マイルズ氏体制からオルジェロン体制に本格的に移行するこのボウルシーズンからオフシーズンにかけて、ルイジアナ州立大は栄光の日々に舞い戻る為に大きなリフォームを施行することになるでしょう。
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SEC西地区ライバル・アラバマ大の牙城をカナダ氏の新オフェンスをもって崩すことが出来るでしょうか?