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マット・マミー氏がネバダ大のOCに

マット・マミー氏がネバダ大のOCに

皆さんはハル・マミー(Hal Mumme)という人物をご存知でしょうか?マミー氏は1997年から2000年にケンタッキー大のヘッドコーチだったことで一番知られています。私はちょうどこの頃にカレッジフットボールにハマりだしたので、マミー氏のことはまだ強烈に覚えています。SECではフロリダ大スティーブ・スパリアー(Steve Spurrier)氏と並び、超パス重視の指揮官として知られ、数々のNCAAレコードを更新。1997年には1922年以来倒したことがなかったアラバマ大(当時22位)を倒す快挙を成し遂げると、翌年の1998年度には後にNFLドラフトで第一巡目一番目にクリーブランドブラウンズに選択されたQBティム・カウチ(Tim Couch)を擁して7勝5敗という、勝ち越すこと自体が珍しかった当時のケンタッキー大にとって驚きのシーズンを送ることができました。

ハル・マミー監督とティム・カウチ

しかしそれよりも個人的にはとにかく普通ではやりそうもないプレーコーリングを迷うことなく選んでいたマミー氏に衝撃を受けたものでした。一番覚えているのは4thダウンで1stダウンまで10ヤード以上あってもパントを選ばず果敢に1stダウンを奪いに行ったり、それが自陣深いところであってもときにチャレンジしていった、ある意味勇気ある、別の言い方をすれば無茶なプレーコーリングをしていたところでした。またサンバイザーがトレードマークだったスパリアー氏に対してマミー氏は常にタオルを首にざっくりかけているところも印象に残っています。

ハル・マミー氏の息子、マット氏がネバダ大OCに

そんなパス重視のオフェンスを重用したマミー氏はしばしば近代カレッジフットボールの父とも称されることもありますが、彼が本当の意味で「カレッジフットボールの父」となる時がやってきました。彼の実子であるマット・マミー(Matt Mumme)氏がネバダ大のオフェンシブコーディネーターに就任することになったのです。

NCAA3部のラグランジェカレッジ(ジョージア州)で監督を3期務めていたマミー氏はこれまで通算12勝20敗と振るわず、おそらくは監督としての価値が下がりきる前に別のコーチングポジションに就いて仕切り直そうと考えての今回の動きなのでしょう。

マミー氏はパパマミー氏がケンタッキー大の監督のときに前述のカウチのバックアップQBとしてチームに帯同。その後はコーチングの世界に足を踏み入れました。彼のコーチングスタイルはお父さんのフットボールDNAを受け継ぎパス重視でオフェンスを組み立てていくスタイルを継承。ネバダ大は今回新コーチ、ジェイ・ノーヴェル(Jay Norvell)監督を迎え体勢を立て直そうとしていますが、彼の前任であるブライアン・ポリアン(Brian Polian)氏はピストルオフェンスの支持者であり、このシステムとマミー氏の超エアーアタックは対を成すものです。今回マミー氏をOCに起用したということはここ10年間使用してきたピストルオフェンスを破棄するという意味でもあります(マミー氏がピストルオフェンスを採用すれば別の話ですが)。これは例えば現在パス重視のテキサス工科大がトリプルオプションを採用するくらいのインパクトがある動きであります。

ネバダ大ではこれまでピストルオフェンスを遂行できるタレントをリクルートし続けてきたことでしょうから、ここで一気にオフェンス哲学が変わってしまうと、それに対応しきれず成績がガタ落ちするかもしれませんし、マミー氏のオフェンスを遂行できるリクルートが揃うまではネバダ大が低迷する可能性も十分あります。

ただ、昨年ネバダ大オフェンスはスコアリングオフェンスで全米92位、1プレー平均ヤードで79位、ラッシュヤードで68位、パスエフィシエンシーで70位と振るわなかったことを考えれば、現行のピストルオフェンスに何らかのテコ入れは不可欠であると考えるのが妥当です。変化には痛みが伴うものです。ネバダ大が結果を出すまでに彼らがその痛みに耐えることができるか・・・。

(ピストルオフェンス:2005年にネバダ大のクリス・アルト氏によって考案されたオフェンス。QBとRBが一列に並び、QBがディフェンスを読みやすく、なおかつパスを投げるのにも適した位置に配置されるフォーメーション。ショットガンオフェンスとIフォーメーションの中間のような存在 – 参考

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