フロリダアトランティック大(FAU)がアラバマ大オフェンシブコーディネーターのレーン・キフィン(Lane Kiffin)氏を次期監督に狙っているというニュースをつい先日紹介しましたが、早くもこれが現実のものとなりました。
【関連記事】フロリダアトランティック大がキフィン氏に接触か
ヒューストン大とは縁がなかったもののキフィン氏はFAUにて再びヘッドコーチのポジションに復帰することになります。彼はこれまでテネシー大、サザンカリフォルニア大でヘッドコーチを務めた経験があります。さらに遡れば若干32歳の若さでNFLオークランドレイダースの監督に就任したこともありました。
【関連記事】キフィン氏がヒューストン大に指名されなかった理由
キフィン氏は「パワーファイブ」の一員であるアラバマ大から「グループオブファイブ」と呼ばれる中堅カンファレンス群の一つであるカンファレンスUSAに所属するFAUに移ることになりました。一見格下げのような感じもしますが、キフィン氏にしてみればそれでもヘッドコーチに固執したということでしょうか。
FAUが全米全体で見ても特にインパクトを与えるチームでないことからキフィン氏のようなビッグネームコーチが監督として就任するのはいささか腑に落ちない点もあります。唯一考えられるとすればこのFAUでのヘッドコーチ業を足がかりに数年後に大御所チームに乗り換えようと企んでいることぐらいです。FAUもキフィン氏ほどのコーチが長期的に自チームに留まるとは思っていないでしょうから、それでもといいからとキフィン氏にアプローチをかけたのでしょう。もしくはヒューストン大のメジャー・アップルホワイト(Major Applewhite)監督の契約のように巨額のバイアウト費が契約に盛り込まれるとか。出て行かれるのがほぼ確実ならそれと同時に巨額の契約違反金をせしめてやろうと(考えすぎでしょうか笑)。
【関連記事】ヒューストン大新監督にアップルホワイト氏
現時点で未だアラバマ大オフェンシブコーディネーターであるキフィン氏はプレーオフが終了するまでアラバマ大にとどまる意向のようです。できれば3年間で2つ目となる優勝リングを引っさげてFAUに乗り込んで行きたいでしょう。そうなればリクルーティングでも強力なセールスポイントになるはずです。
アラバマ大にしてみればキフィン氏のような有能なオフェンシブコーディネーターを失うのは痛手となりそうですが、現在チームには元ワシントン大、サザンカリフォルニア大ヘッドコーチでキフィン氏とツーカーの仲と言われるスティーブ・サーキジアン(Steve Sarkisian)氏がオフェンスのアナリストとしてアラバマ大に帯同していますので、仮にサーキジアン氏がそのままOCに格上げされればキフィン氏が抜けた後もアラバマ大攻撃陣のトランジッションはスムースに行くと思われます。
一番心配なのはこのことでプレーオフに臨むアラバマ大にとって雑音とならないかどうかです。アラバマ大はプレーオフ準決勝戦であるピーチボウルでワシントン大との対決を控えています。