着実に進化を遂げ続けるノートルダム大
ノートルダム大 49、サザンカリフォルニア大 14
大陸をまたいで長年しのぎを削ってきたサザンカリフォルニア大(カリフォルニア州)とノートルダム大(インディアナ州)のライバリー対決。サザンカリフォルニア大(USC)が全米11位、ノートルダム大が13位と近年稀に見る拮抗した試合になると思われましたが、結果的に49対14でノートルダム大の大勝という結果に終わりました。
ノートルダム大はこの日ランオフェンスが非常にさえ、足の怪我から復帰したQBブランドン・ウィンブッシュ(Brandon Wimbush)がその怪我のブランクを全く見せずに2TDを含む106ランヤード、さらにはRBジョシュ・アダムス(Josh Adams)は191ランヤードに3TDを獲得するなどしチームトータルで377ランヤードをUSCディフェンスから奪ったのです。
そして今年昨年からグレードアップしたディフェンス陣も健闘。USCオフェンスから3つのターンオーバーを奪い、そのいずれもTDに結びつくという好結果をもたらしました。
USCはかつてハイズマントロフィー最有力候補、さらには来年のNFLでドライチ候補にも挙げられいてたサム・ダーノルド(Sam Darnold)が苦戦。数字上は229パスヤードに2TDと決して悪いものではありませんでしたが、試合を通してノートルダム大フロントセブンからのプレッシャーを受け続け本領を発揮することができませんでした。さらにRBロナルド・ジョーンズ(Ronald Jones II)がトータルで32ヤードしか走れなかったこともUSCのオフェンスを単調にさせた要因にもなりました。
これでノートルダム大は6勝1敗。すでに発表された最新ランキングでは9位に入りいよいよトップ10入りを果たしました。USCという名門をこのような形で一刀両断したことは今後プレーオフ進出に向けていい流れとなるでしょう。また次戦でのノースカロライナ州立大(16位)戦に勝つことができればそれはさらに現実へと近づいていくことになります。
一方USCはこれで2敗目となり、プレーオフ進出への夢は十中八九消え去ってしまいました。プレーオフ制度が施行されて以来2敗チームが選ばれたことは未だかつてないからです。また彼らが負けたことでPac-12カンファレンスが大きな痛手を負ったとも言えます。すでにカンファレンス内に無敗チームはなく、現在1敗を守っているワシントン大とワシントン州立大は最終戦で対戦するために、最高でも1敗チームが1つしか残らないからです。これは同カンファレンスからプレーオフ進出チームを輩出するためには絶対的に不利となるでしょう。
リベンジ達成!
ペンシルバニア州立大 42、ミシガン大 13
全米2位のペンシルバニア州立大は本拠地である「ビーバースタジアム」を観客が真っ白に染め上げる「ホワイトアウト」で全米19位のミシガン大を迎えた大一番。結果はペンシルバニア州立大(ペンステート)のオフェンスが強固なミシガン大ディフェンスを凌駕して42対13という大差で勝利。昨年のリベンジを果たしました。
試合は開始2プレー目で今期ハイズマントロフィー最有力候補と言われるRBセイクワン・バークリー(Saquon Barkley)が直接スナップを受け取ってそのまま69ヤードのTDを決めるとその次の攻撃でもバークレーが14ヤードのランTDを決め、試合開始後たったの5分間で2つもTDを奪うというこれ以上ない出だしを演出しました。
Well that was quick.
Saquon Barkley already doing his thing for the Nittany Lions. pic.twitter.com/AsdRTuoDib
— ESPN (@espn) October 21, 2017
No. 26 isn’t fair either. Another Saquon Barkley touchdown. Penn State leads 14-0. pic.twitter.com/AFsnLVFJQA
— Dr. Saturday (@YahooDrSaturday) October 21, 2017
ミシガン大も負けじと2つのランTDを奪い返し14対13と点差を縮めますが(PATを外したため)、彼らオフェンス陣がペンステートに対して対抗できたのはここまで。あとはただペンステートの攻撃を指をくわえて見ることしかできませんでした。
バークレーはこの日2つのランTDと1つのレシーブTD(しかもジャグリングしながらという余興付きで)の合わせて3つのTDを奪いハイズマントロフィーレースにおいても強力なパフォーマンスを披露。さらにこの日は後半QBトレース・マクソーリー(Trace McSorley)の機動力が非常に冴え、バークレーに負けじとランTDを3つ獲得。ミシガン大ディフェンスは全米9位の失点数、6位のランディフェンスを誇る強固なユニットでしたが、彼らを相手にトータル506ヤードも奪う快挙を成し遂げたのでした。
Another week, another Saquon highlight 😯 pic.twitter.com/8wMrrPEvVi
— Bleacher Report (@BleacherReport) October 22, 2017
ミシガン大の強みであるディフェンス陣がペンステートオフェンスに手も足も出なかったことはショッキングでしたが、彼らのオフェンス力の無さにも驚かされました。確かにペンステートディフェンスも怒涛のプレッシャーをかけ続けましたが、ミシガン大QBジョン・オコーン(John O’Korn)は実に7つものQBサックを受け、ファンブルロストも犯すなどし前半の13点以外は何一つ答えを見つけ出すことができませんでした。オコーンは時折素晴らしいパスを披露することもありましたが、彼らのトップRBであるカラン・ヒグドン(Karan Higdon)が45ヤードしか走れなければ彼らに勝機はありません。
これでペンステートは7勝無敗。レギュラーシーズンの連勝記録もこれで14と伸ばしました。棚ぼた式に2位に上がってきたことにより彼らの実力を疑問視する人たちも多くいましたが、このミシガン大戦での圧倒的に強さにペンステートが真の2位であることを裏付けたことになります。来週はいよいよ6位のオハイオ州立大戦。カンファレンスだけでなくプレーオフの行方を占う上で大変重要な試合となります。
着実に成長するテキサス大もオクラホマ州立大には及ばず
オクラホマ州立大 13、テキサス大 10
Big 12カンファレンスで重要な試合となったこのマッチアップはテキサス大ディフェンスがハイパワーオフェンスが売りのオクラホマ州立大を見事に押さえ込みオーバータイムまでもつれ込む接戦になりましたが、オーバータイムにてFGで先制したオクラホマ州立大に対しテキサス大はQBサム・エリンガー(Sam Ehlinger)が痛恨のパスインターセプションを犯して試合終了。オクラホマ州立大が辛くも逃げ切って1敗を守りました。
テキサス大は前述の通りディフェンス陣が奮闘。ハイズマントロフィー候補にも挙げられるQBメイソン・ルドルフ(Mason Rudolph)率いる相手オフェンスにトータルで13点しか与えませんでした。しかし彼らのオフェンスがディフェンスについてこれませんでした。オフェンシブラインはエリンガーを守りきれず、またランオフェンスでは1プレーの平均ランヤードがたったの1.3ヤードとオクラホマ州立大フロントセブンにやられっぱなし。3rdダウンも17回中たったの3度しかコンバートできず、せっかくディフェンスが踏ん張ってくれているところ彼らの努力に報いることはできませんでした。
オクラホマ州立大にしてみればテキサス大の敵地でこのような接戦を制することができたという事実は大きいのではないでしょうか。Big 12カンファレンスにはテキサスクリスチャン大しか無敗チームは存在しておりませんので、1敗を守りきればオクラホマ州立大にもチャンスはまだまだ巡ってくるはずです。
まだまだチーム立て直していう面でテキサス大は現在進行形ですが、それでもそのプロセスは着実に前に進んでいるといえそうです。彼らが今年カンファレンスのタイトルを取るということはなさそうですが、それでも彼らが今後後半にカンファレンスの勢力図を変えてしまうような勝ち星を上位チームから奪うことは十分あり得そうです。
アイオワ州立大がまたしでかした!
アイオワ州立大 31、テキサス工科大 13
2週間前オクラホマ大からまさかの白星を奪ったアイオワ州立大はこの試合でも24位のテキサス工科大に17点差をつけて余裕の勝利を挙げました。
アイオワ州立大のQBは引き続き3番手のカイル・ケンプ(Kyle Kempt)が怪我で戦線離脱中の兄貴衆に代わってこの日も先発を勤めましたが、オクラホマ大戦で見せたシャープさはこの日も健在で3TDを奪う活躍を見せました。これでケンプは最近3試合で7TDに1INTという数字を残し、確実に先発QBの座を確保することになったことでしょう。
この勝利でアイオワ州立大は5勝2敗とし、2002年以来のベストレコード(当時は6勝1敗)を更新中。彼らは次戦でテキサスクリスチャン大(全米4位)との対戦を控えており、今シーズン2季目のマット・キャンベル(Matt Campbell)監督としてはこの試合に勝利してBig 12カンファレンスレースに名乗りをあげたいところです。
マイアミ大、なんとか無敗を守る
マイアミ大 27、シラキュース大 19
全米8位のマイアミ大は先々週クレムソン大から大金星を奪って波に乗るシラキュース大と対戦。この試合でもシラキュース大はマイアミ大に点差を離されることなく最後まで食らいつきましたが、20対19で迎えた第4Q残り時間2分48秒、RBトラヴィス・ホーマー(Travis Homer)の33ヤードランでTDを奪い最後の最後でシラキュース大にトドメを刺すことができたマイアミ大が6勝目をゲット。ランク外チームであるシラキュース大に苦しめられながらも無敗を守りました。
これでアトランティックコーストカンファレンス(ACC)のリーグレコードで無敗なのはマイアミ大とノースカロライナ州立大のみとなり、海岸地区でトップを走るマイアミ大はこのままいけば11月4日のバージニア工科大戦が地区優勝を決める上で重要な試合となりそうです。またその後には今シーズン好調を維持しているノートルダム大との試合も残されており、これらの試合を勝ち抜いてカンファレンスタイトルを獲得できればプレーオフ進出に有利な展開となりそうです。
ジョーンズ監督、風前の灯火?
アラバマ大 45、テネシー大 7
アラバマ大とテネシー大との伝統の一戦「10月第3土曜日(3rd Saturday in October)」は予想通りアラバマ大が圧勝。45対7でこの同一カード11連勝めを挙げました。
アラバマ大は得意のランアタックで序盤からテネシー大ディフェンスを翻弄。RBダミアン・ハリス(Damien Harris)とボ・スカーボロー(Bo Scarbrough)に加えQBジャレン・ハーツ(Jalen Hurts)が足でかき回せば、ハーツのパスもヤード的には特筆すべきものでもありませんが(199ヤード)、非常に安定し効果的なパスでテネシー大を苦しめるのには十分過ぎるプレーを見せてくれました。あまりにも力の差がありすぎて第3Qに28-0となったところでニック・セイバン(Nick Saban)監督はバックアップQBのトゥア・タガヴァイロア(Tua Tagovailoa)を早々に投入するほどでした。
テネシー大が唯一スコアできたのはそのタガヴァイロアのパスをインターセプトして決めたリターンTDだけ。ちなみにテネシー大にとってこのTDは約一ヶ月ぶりのものだったそうです。とにかくテネシー大はひどい。ひどすぎてブッチ・ジョーンズ(Butch Jones)監督が哀れにすら映りますが、どうやらチームは今年彼と心中する腹積もりらしいのでテネシー大の低迷は今後も続いていくのでしょう。