2028年度の夏季オリンピックはアメリカ・ロサンゼルスで開催されることになっていますが、そのメイン会場になると思われるのがロサンゼルスメモリアルコロシアム(LA Memorial Coliseum)。1932年と1984年にもオリンピックの開催地となったロサンゼルスでもLAコロシアムは使用されました。1923年に開場となったこのスタジアムはこれまで何度かマイナーな改修工事を続けてきましたが、2028年度のオリンピックに向けて現在大規模なリノベーションが行われているところです。
総工費2億7000万ドル(約300億ドル)とも言われる今回の改修工事が行われているLAコロシアムですが、このスタジアムはカレッジフットボール界ではサザンカリフォルニア大のホームスタジアムとしても使用されていることで知られています。また2016年度シーズンからフランチャイズをセントルイス市からロサンゼルス市に移したNFLのロサンゼルスラムズのホームスタジアムとしても使われており(現在工事中のLAスタジアムが完成する2020年までの仮使用)、ロサンゼルスのスポーツシーンと切っても切れない間柄な訳です。
USCのホームスタジアム、LAメモリアルコロシアム
そんな歴史がありロサンゼルス市民ならびに多くのアメリカ国民に親しまれてきたLAコロシアムですが、所有者はサザンカリフォルニア大およびロサンゼルス市であります。そのサザンカリフォルニア大はコロシアムの命名権を売却するという大きな決断を下していました。
スタジアムの名前をスポンサーに売るというケースはこれまでもありました。このサイトでもかつて紹介したケンタッキー大のクローガーフィールド(スーパーマーケット)、ワシントン大のアラスカエアーラインフィールド(航空会社)、ヒューストン大のTDECUスタジアム(銀行)、ミネソタ大のTCFバンクスタジアム(銀行)、セントラルフロリダ大のスペクトラムスタジアム(通信会社)など・・・。
【関連記事】ケンタッキー大、スタジアムを改名
そして今回LAメモリアルコロシアムの命名権を獲得したのは大手航空会社、ユナイテッドエアーラインです。
その売却価格は15年契約で約7000万ドル(約70億円、1年470万ドル)で、スタジアムの命名権で言えば最高額となります。ちなみに2位は前述のアラスカエアーラインフィールドで10年契約で4100万ドル(1年410万ドル)です。
ただ、やはり90年以上の歴史を誇る由緒あるスタジアムであり、「LAコロシアム」という名で長い間愛されてきたスタジアムでしたから、命名の条件に「コロシアム」という言葉を残すことが条件とされました。ということで正式名称は「ユナイテッドエアーラインメモリアルスタジアム」で落ち着くようです。ただこの名称は2019年から使用されるようですが。
もっともLAコロシアムという呼び名に慣れてきたファンたちの反応はマチマチのようですが、フルネームでこのスタジアム名を使用することは普段の会話ではないでしょうから、今後とも世間一般の間では「コロシアム」と呼ばれ続けるのでしょうね。