今年の2月、サザンカリフォルニア大(USC)の体育局長(AD)であるパット・ヘイデン(Pat Haden)氏が6月いっぱいで引退すると表明していましたが、この度ヘイデン氏の後釜に彼と同じく元USCのプレーヤーでNFLでも活躍したリン・スワン(Lynn Swann)氏が就任することが明らかになりました。
スワン氏は1974年にUSCを卒業した後、ピッツバーグスティーラーズに第1巡でドラフトされ、3度のプロボウル選出に4つのスーパーボウルタイトルを獲得。1982年に引退するまでスティーラーズ一筋を通した名WRでした。
現役引退後はオリンピック、NFL、カレッジフットボールなどのリポーターなどをつとめ、2006年にはペンシルバニア州の州知事に立候補したりもしました(惜しくも落選)。
この様にフットボール以外にもスポーツに精通し、顔の広いUSC卒業生であるスワン氏に白羽の矢がたったのは分かる話です。しかし今回の人選を不安視する声も聞こえます。というのはスワン氏はADの経験など皆無であるからです。
そもそもヘイデン氏もUSCの卒業生なのですが、体育局での経験が全くないまま、ただ単に彼がUSCの卒業生だからと言う安易な理由でADに就任したという過去があります。そのヘイデン氏がUSCのトップとして体育局を率いた2010年から今年までの6年間、チームのヘッドコーチが3人も入れ替わるという状況に陥ったのです。これは異常です。これではヘイデン氏の見る目が無かったといわれても言い訳出来ないと思います。
そしてスワン氏もまたAD経験のないまま、有名卒業生というだけで今回凱旋したわけです。これには「USCは体育局のことなど何も考えていないのだ」とか「(ヘイデン氏のことで)USCは何も学んでいない」などと厳しい声も聞かれます。
「私と私の家族はこの度ADとして母校に戻って来れたことを大変嬉しく思っています。私のADとしての目標は学生アスリート達をしっかりと卒業させ、試合に勝ち、大学生活でよい経験を積ませることにあります。」とスワン氏は誓っています。
スワン氏がUSCを再び全米の檜舞台に戻れるよう手綱を取れるかお手並み拝見といたしましょう。