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アイオワ大OCフェレンツ氏の新契約内容・・・【オフシーズン便り#11】

アイオワ大OCフェレンツ氏の新契約内容・・・【オフシーズン便り#11】

Big Tenカンファレンス所属のアイオワ大は2022年度は途中3連敗を含む開幕後6試合で3勝3敗と大きく出遅れました。その後、4連勝してなんとか持ち直し、結果8勝5敗でシーズンを終えました。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

低調だったアイオワ大のオフェンス

先シーズンのアイオワ大はオフェンスが大苦戦。スコアリングオフェンスは131チーム中123位(1試合平均17.7点)、パスオフェンスも123位(1試合平均156.7ヤード)、ランオフェンスは124位(1試合平均96.7ヤード)と散々でした。

そのアイオワ大のオフェンスを任されていたのがブライアン・フェレンツ(Brian Ferentz)氏。昨シーズンでアイオワ大6年目を迎えたフェレンツ氏は、同大学のHCであるカーク・フェレンツ(Kirk Ferentz)監督の実の息子さんでもあります。

そのブライアン・フェレンツ氏の体たらくなプレーコーリングには批判が殺到。普通なら解雇されて重かしくないのですが、大学側は解雇しないで再契約を結びますが、その際契約内容というのが少し変わっています。

  • 5万ドル(1ドル100円計算で約500万円)のサラリー減額
  • 以下の条件を満たさなければ解雇
    • 平均得点25点以上
    • 総合勝利数7勝以上

これが満たされれば、通常の2年契約に戻るという事らしいのですが、もしだめなら解雇ということになるようです。

ちなみに最低ラインである25点は総得点ということで、仮にオフェンスがスコアできなくてもディフェンスがスコアすることで25点を超えてもいいということのようですが、アイオワ大はしょぼいオフェンスの割に強力なディフェンス力のおかげで過去2年間18勝を挙げることに成功しており、たとえオフェンスが今のままでもディフェンスが頑張ればブライアン氏の腕に関わらず彼の解雇処分は間逃れることができる可能性もあるわけです。

もっとも、2020年にはスコアリングオフェンスでBig Ten内で2位(31.8点)だったこともあり、ブライアン氏がオフェンシブコーディネーターとしてまったくダメというわけではなさそうなのですが・・・。


ファミリービジネスの代償

しかしながらこの契約内容が選手たちに正しいメッセージを送っていることになるのかと言う疑問を感じずにはいられません。

まずは昨年までのようなオフェンスを見せられてもまだ居座っていることに対する疑問が挙げられると思います。そして「もし7勝できなかったら・・・」というフレーズからも分かるように勝つことだけを見ていないという節がありますよね。

まるで選手たちはブライアン・フェレンツ氏を生かす(もしくは殺す)ためにプレーしなければならないと言う風にも取れてしまうのは否めません。

それもこれもブライアン氏がHCであるカーク・フェレンツ監督の息子だからに他ありません。

うまくいっていれば良いが、そうでなければ大鉈の改革を振るうことが困難になります。家族の一員(しかも彼らに彼ら自身の家族がいればなおさら)を無職にすると言う決断はしづらいのは当然。それが息子であれば尚更です。

こういったことからも「ファミリービジネス」は諸刃の剣と言わざるを得ません。

朗報なのは、オフにミシガン大からQBケイド・マクナマラ(Cade McNamara)が加入したことでしょうか。マクナマラは2021年にミシガン大がBig Tenタイトルをとって初めてCFP(カレッジフットボールプレーオフ)に進出した際のQBでした。

ただ、2022年度は後輩のJ.J.マッカーシー(J.J. McCarthey)に先発の座を奪われてしまい、オフシーズンに出場機会を求めてアイオワ大へと転校してきました。もともとディフェンスが強力なアイオワ大はなかなかプレーメーカー的なQBを擁することができずにいましたので、マクナマラのようなQBが加入することはコーチ陣にしてみれば嬉しいニュースだったに違いありません。

いずれにせよ、ブライアン・フェレンツ氏ならびにカーク・フェレンツ監督の勝負の年となることは確かのようです。

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