テキサス大のQBは誰に?
第1週目にメリーランド大に敗れ開幕前から膨れ上がっていたファンの期待を一気に潰したテキサス大ですが、この試合で肩の怪我を負ったシェーン・ビューシェル(Shane Buechele)が先週のサンノゼ州立大戦に欠場。その代わりに将来の星として期待されテキサス大にリクルートされてきたサム・エリンガー(Sam Ehlinger)がカレッジデビューを果たしました。
昨年1年生だったビューシェルも当時開幕戦だったノートルダム大との「ビッグゲーム」でデビューした過去がありますが、エリンガーの場合はノートルダム大戦ほどの大きな試合ではなかったものの、このサンノゼ州立大戦でその出場チャンスを最大限に活かす活躍を見せました。この日エリンガーは27投中15回のパスを成功させ合計222ヤードのパスと1TDを奪いましたが、その数字以上に効果的にオフェンスを指揮していました。また窮地を自らの足で脱することができる能力も垣間見え、テキサス大オフェンスのドライブを何度か救う場面も見せてくれました。
エリンガーの指揮下テキサス大はサンノゼ州立大から623ヤードを獲得。56対0という大勝に貢献しました。元々の先発QBであるビューシェルが肩の怪我で欠場したとはいえ、エリンガーがこのサンノゼ州立大戦で示した「可能性」は無視できるものではありません。トム・ハーマン(Tom Herman)監督は今の所QBの変更には名言していませんが、何が何でも名門テキサス大を復活させる大役を任されたハーマン監督はビューシェルとエリンガーどちらにチームのオフェンスを託すか難しい決断をくださなけらばならなくなるのかもしれません。
ベイラー大また負ける
前監督アート・ブライルス(Art Briles)体制下で起きたスキャンダル(選手のレイプ疑惑事件)を払拭すべく元テンプル大HCマット・ルール(Matt Rhule)監督を据えて迎えた2017年度シーズンのベイラー大は、開幕戦で今年からFBCに昇格したばかりの格下リバティー大に48対45で敗れると第2週目には同じく格下とされるテキサス大サンアントニオ校(UTSA)にも17対10で敗北し2連敗するという無様なスタートを切ることになってしまいました。
スコアを見れば1TD差で大差なかったと一見思われますが、内容を見ればUTSAがベイラー大を凌駕していたのは明らか。獲得ヤードはUTSAが375ヤードだったのに対しベイラー大は274ヤード、ファーストダウンの数はUTSAが20に対しベイラー大は14。攻撃時間もUTSAが60分間の半分以上である38分52秒とベイラー大を数字の上でもことごとく上回っていたのです。
スキャンダルのせいでベイラー大は現役選手の流出に加え、新しいリクルートも入部を拒む状況が続いています。ブライルス氏が数年で築いた強豪ベイラー大はその片鱗すら見せることなく急降下を続けています。このままテコ入れされなければひょっとしたら全敗というシナリオもありえるかもしれません。
赤に染まったノートルダムスタジアム
先週カレッジフットボールの「聖地」ノートルダム大へ乗り込んだジョージア大。彼らは接戦を制し見事に勝利を納めましたが、それを後押ししたのはひょっとしたら彼らのファンだったのかもしれません。というのもノートルダムスタジアムの客席にはかなりの数のジョージア大が押し寄せていたからです。
There is a lottttttttttttt of red & black at Notre Dame tonight. pic.twitter.com/VmKErovRcE
— SB Nation (@SBNation) September 9, 2017
ジョージア州からノートルダム大が所在するインディアナ州まではかなりの距離がありますが、それでもこれだけの数のファンが応援に訪れたとなれば、アウェーのジョージア大選手たちにとっても心強かったことでしょう。
オハイオ州立大のパスディフェンス、苦戦
オクラホマ大との決戦に敗れたオハイオ州立大ですが、オフェンスのリーダー、QB J.T.バレット(J.T. Barrett)の不調は顕著です。アーバン・マイヤー(Urban Meyer)監督はバレットが先発QBであることに変わりはないと言っていますが、一方で彼らのパスオフェンスを修正する必要性があることは明言しており、「We got to get the damn thing fixed」とまで話しています。
しかしそれよりもさらに重症なのは彼らのパスディフェンスです。
開幕後2試合で彼らがディフェンスしたパスは合計103つですがこれはFBSチーム全体で4番目に多い数字です。そのうち約7割のパスは相手に通され合計で806ヤードを奪われたという結果になっています。この806ヤードという数字はFBSチームで最多の数字。つまりオハイオ州立大は他の誰よりも相手にパスを通されているという事になります。さらにこの2試合で奪われたパスTDは6つですが、これは全FBSで7番目に多くパスTDを奪われたという計算になります。
これらを踏まえたこれまでのパスディフェンスレーティングではオハイオ州立大は全米110位と下から数えた方が早い位です。昨年はこの分野で3位だったことを考えればたった2試合だけとはいえ雲泥の差であると言わざるを得ません。マイヤー監督及びディフェンシブコーディネーターのグレッグ・シアーノ(Greg Schiano)も頭を悩ませるところでしょう。
オクラホマ大、連勝記録を12に
そのオハイオ州立大から白星を奪ったオクラホマ大ですが、この勝利で連勝記録を12に伸ばしました。12連勝というこの記録は現在も続いている連勝記録としてはFBSで最長のものになっています。ちなみにNCAA史上最も長く続いた連勝記録は47連勝。このとんでもない記録を樹立したのは何を隠そうオクラホマ大。1953年から1957年まで5年弱負け知らずだったという事になります。
メイフィールドのフラッグ事件
全米2位のオハイオ州立大と5位のオクラホマ大との試合は第2週目において最も注目された試合でしたが、昨年の同一カードでホームで敗戦を味わったオクラホマ大としてはリベンジを果たすべくこの試合への思い入れは格別だった事でしょう。オハイオ州立大のホームでランキングで格上チームを破った彼らの喜びはひとしおだったのは想像に容易いですが、QBベーカー・メイフィールド(Baker Mayfield)はその喜びを表現すべくオクラホマ大の旗をフィールドど真ん中に描かれているオハイオ州立大のロゴに突き刺すというパフォーマンスを見せてしまいました。
試合直後の興奮からしでかした行動だったのでしょうが、これがオハイオ州立大ファン並びチーム関係者の逆鱗に触れしまったのです。
オクラホマ大は彼らのライバルであるテキサス大とのライバリーゲームでも試合に勝つと同じことをするのですが、このライバリーは中立地で行われるためこの行為が相手を侮辱するという意味合いは薄いのですが、これをメイフィールドら選手たちはオハイオ州立大のホームでやってしまったから大変。
結局週が明けた月曜日にメイフィールドはオハイオ州立大関係者に向け謝罪するコメントを発表しました。
USCダーノルドの凄さ?
先週サザンカリフォルニア大に敗れたスタンフォード大ですが、敗因はQBサム・ダーノルド(Sam Darnold)をスタンフォード大ディフェンスが攻略できなかったことが一因だと思います。彼はこの日316パスヤードに4TDをスタンフォード大ディフェンスから奪い勝利に貢献。ハイズマントロフィー候補として噂通りの働きを見せました。
そのダーノルドにやられたスタンフォード大のデヴィッド・ショウ(David Shaw)監督ですが、試合後の会見でダーノルドのことを聞かれた彼はこうダーノルドを評価しました。
We got to him as much as anyone gets to him. We got a sack. He’s that good.
つまりスタンフォード大ディフェンスはダーノルドにプレッシャーをかける事には成功したがそれにもかかわらず上記のような数字を叩き出した彼は凄い、と言っているわけですね。開幕戦のウエスタンミシガン大戦では苦戦したダーノルドでしたが、スタンフォード大戦で彼が今季トップレベルのQBであることを証明してくれました。そしてそれをショウ監督は身をもって実感したというわけです。
第2週目に起きた珍プレー
テキサス州立大と対戦したコロラド大は第1Q終了間際にパントリターンからTDを奪ったのですが、その経過はおそらくこれまで彼らが練習してきたものとは全く異なるものだったに違いありません。
ミシシッピ州立大とルイジアナ工科大の試合、第4Qでのルイジアナ工科大の攻撃で彼らはミシシッピ州立大陣内6ヤードラインまで進撃しましたが、セカンドダウンでルイジアナ工科大のセンターのスナップがQBの手をかすめ後方に。死してそのボールがあれよあれよというまに自陣7ヤードラインまで転がり運よくボールをリカバーしたものの87ヤードも後退するという大珍事。そして迎えたのはなんと3rd & 93ヤード!!
This play resulted in a loss of almost 90 yards.
HOW IS THIS EVEN REAL? pic.twitter.com/gsD9GulNaF
— CBS Sports (@CBSSports) September 10, 2017
もちろんこれをコンバートすることは叶わず、ルイジアナ工科大はパントを余儀なくされたのでした。