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コロラド大ハンターがハイズマントロフィー獲得

コロラド大ハンターがハイズマントロフィー獲得

年間最優秀選手賞=MVPというアワードはどのスポーツにもあります。しかしカレッジフットボールには似たようなアワードがいくつも有るのですが、その中でも個人賞として最高峰のアワードがハイズマントロフィーです。

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ベースボール・マガジン社 (編集)

アメリカでフットボールをする選手なら誰もが憧れるこのトロフィーは1935年度からその年の最も優れた選手に贈られてきた歴史あるアワード。ただ単純にMVPと呼ぶには崇高すぎるこのトロフィー。アメリカのスポーツ全般で言っても最も価値のある賞であると認識されています。

参考記事ハイズマントロフィー

そんなハイズマントロフィーの授賞式が12月14日夜にニューヨークで行われました。今年ファイナリストに選ばれたのは以下の4選手です。

トラヴィス・ハンター(コロラド大WR/CB)
アシュトン・ジーンティ(ボイジー州立大RB)
ディロン・ガブリエル(オレゴン大QB)
キャム・ワード(マイアミ大QB)

今年は4人のうち3人が転校生(トランスファー)という、セカンドチャンスをガッチリとものにした選手たちでした(ハンター:ジャクソン州立大→コロラド大、ガブリエル:セントラルフロリダ→オクラホマ大→オレゴン大、ワード:ワシントン州立大→マイアミ大)

参考記事ハイズマントロフィーは誰の手に

今年のハイズマンレースは開幕前にはジョージア大のQBカーソン・ベック(Carson Beck)やテキサス大のQBクウィン・ユワーズ(Quinn Ewers)が最有力候補として挙げられていました。ただベックは今季パスINTを量産し思ったほどの輝きを見せることができず、またユワーズも怪我で出遅れるなど本領発揮とまでいきませんでした。

そんな中台頭してきたのはWRとCBを兼任する「二刀流」トラヴィス・ハンターと、元オクラホマ州立大のレジェンドRB、バリー・サンダース(Barry Sanders)が保持している、NCAAの1シーズン最多ランヤード記録(2628ヤード)に迫る勢いで数字を伸ばしたRBアシュトン・ジーンティでした。

NCAA1部のトップレベルで両面選手を先発選手としてこなし、しかもしっかりと数字を残したハンター(1152レシーブヤードに14TD、4つのパスINT)と、長年破られてこなかったラン記録に肉薄したジーンティの一騎打ちとされたこのレース。どちらがトロフィーを獲得するかに注目が集まっていました。

そして栄えある第89代目のハイズマントロフィーを手にしたのは・・・。

コロラド大のトラヴィス・ハンターでした!

以下が投票結果です。

獲得pt1位票2位票3位票
T・ハンター(COL)223155226153
A・ジーンティ(BOIS)201730951756
D・ガブリエル(ORE)5162452340
C・ワード(MIA)229624163
C・スカテブ(AZST)170318125
B・デイリー(ARMY)693746
T・ワレン(PSU)521735
S・サンダース(COL)471730
K・ローク(IU)222310
K・マッコード(SYR)9017

ハンターとジーンティのポイント差(Margin of victory)は214点と僅差。これは2009年にマーク・イングラム(Mark Ingram、元アラバマ大RB)がトビー・ガーハート(Toby Gerhart、元スタンフォード大RB)に競り勝った時以来(28点)の接戦でした。

また「二刀流」選手としては、1997年にトロフィーを獲得したチャールズ・ウッドソン(Charles Woodson、元ミシガン大)氏以来の快挙。ただ、ウッドソン氏はCB権リターナー。リターナーとしての登場回数はオフェンス・ディフェンス選手としてのプレー回数と比べると極端に少ないことを考えれば、攻守で試合に出まくっていたハンターの凄さは異次元です。

そしてコロラド大出身選手としては1994年のラシャーン・サラーム(Rashaan Salaam)以来2人目の受賞者となります。。

参考記事故サラーム氏のハイズマトロフィーが競売に

ハンターの出身はフロリダ州。4歳の頃にはおばあちゃんの勧めでフットボールを始めたそうですが、小さい頃は近所の治安が悪く子供を育てる環境としては悪すぎると、無理を押して母親や弟たちと共にジョージア州に移住。ここでメキメキと頭角を表し、高校時には全米を代表する有名リクルートに成長していました。

数々のリクルート誌によって5つ星の評価を得ていたハンターは2022年度クラスのリクルート界隈では全米1位評価を受けたブルーチップの超注目選手でした。当然彼をリクルートしたい大学は引く手数多でしたが、そんな彼が当初進学をコミットしていたのはフロリダ州立大でした。しかし、サイニングデーで実際に彼が進学を決めたのはそのフロリダ州立大ではなく、FCS(フットボールチャンピオンシップサブディビジョン)所属のジャクソン州立大。これには全米中が度肝を抜かれました。

将来が約束された超一流リクルートならば、名だたるFBS(フットボールボウルサブディビジョン)のチームでプレーしてNFLを目指すのが定石ですから、わざわざレベルの低いFCSに行くことは普通なら考えられません。しかしハンターがこの決断に至ったのは、彼が子供の頃から目指していた元フロリダ州立大のスター、ディオン・サンダース(Deion Sanders)監督がジャクソン州立大の監督だったからです。

2022年のジャクソン州立大でのシーズンはサンダース監督の実子であるQBシェドゥア・サンダース(Shedeur Sanders)と共に活躍。ただ1年生として試合に出場するも怪我で5試合欠場という不運にも見舞われます。

そしてこのシーズン後にサンダース監督がジャクソン州立大からコロラド大へ移籍を果たすと、彼を追うようにハンターはシェドゥアと共にコロラド大へ転校。FCSからFBSにやってきた元5つ星選手がどれくらいやれるのかに注目が集まりました。途中コロラド州立大戦で負った怪我のせいで3試合欠場を余儀なくされましたが、出た試合では全て先発級のスナップ数を数え、チームは4勝8敗と低迷するもハンター自身はオールアメリカンに選出されるなどしました。

そして2024年度は攻守ともに主力として縦横無尽にフィールドを駆け抜け、攻守合わせて1400スナップ以上のプレーを記録。両面選手はカレッジフットボールの創成期には多く見られましたが、ロースターが増えたことでそういった選手はほぼ絶滅状態にありました。そんな中でトップレベルでそれをこなしたことがハンターにトロフィーが授与された大きな一因だと思われます。

また彼はハイズマントロフィーだけでなく、ウォルター・キャンプ賞(年間最優秀選手賞)、AP年間最優秀賞ベドナリク賞(最優秀守備選手賞)、ビレントニコフ賞(最優秀WR賞)などを総なめ。ちなみにベドナリク賞とビレントニコフ賞を同時に受賞したのは後にも先にもハンターが唯一の選手です。

===

ハンターは大学でのプレー資格をあと1年残していますが、すでに今シーズン後にNFLドラフトにアーリーエントリーすることを公表しています。プロの世界でも二刀流が通用するのかはわかりません。スカウトに言わせれば、WRだけで見れば彼よりも上の選手はいくらでもいるし、CBとしてでもナンバーワンのシャットダウンDBという訳ではないということらしいですが、彼自身はプロでも二刀流を続けてみたいようですから、ファンとしては是非挑戦するところを見てみたいですよね。

ちなみに2位だったジーンティですが、所属するボイジー州立大CFP(カレッジフットボールプレーオフ)に進出が決まっており、12月31日のフィエスタボウルにてペンシルバニア州立大サザンメソディスト大の試合の勝者と戦うことになっています。前述の通りバリー・サンダース氏が持っているシーズントータルランヤードのNCAA記録まで131ヤード。少なくともジーンティには最低1回はこの記録を抜くチャンスが与えられています。これが達成されるかどうかも期待したいですね。

【当ツイッターアカウントでの投票結果】

【トラヴィス・ハンターの受賞スピーチ動画】

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