カレッジフットボール界において現役選手として最高峰のアワードがハイズマントロフィーであるならば、引退後に贈られる最高峰のアワードがカレッジフットボール殿堂入り(College Football Hall of Fame)でしょう。毎年中数名ずつ世代を超えて選ばれていきますが、選手だけでなくコーチも殿堂入りできます(さらに今年はとんでもないモノも殿堂入りを果たしました→後述)。
カレッジフットボールに関わった全ての人の中でも0.02%の人しか与えられないという殿堂入り。後世にも語り継がれていくという意味ではおそらくハイズマントロフィーに次ぐ栄誉だと思います。
College Football Hall of Fameのウェブサイトによると殿堂入りする資格は5項目あるようです。
- 選手の場合はファーストチームオールアメリカンに選ばれたことがあること。
- 大学で最後の試合をしてから10年以上経っていること。
- 現役時代に目覚ましい活躍をしたこと。そして選手として以外でも模範となるような人物でありつづけ、フットボール選手の模範となるような人物であること。そして学業でも秀でていること(学位を取ったかどうかは問わない)。
- 過去50年以内にカレッジフットボール選手として最後のプレーを終えたこと。例えば2019年に殿堂入りできる選手は1969年以降にカレッジキャリアを終えていなければならない。また現在プロ選手として現役でプレーしている選手には殿堂入りする資格は与えられない。
- コーチの場合は引退してから3年後以降に殿堂入りできる資格を得ることができる。そして最低でも70歳以上でなければならない。75歳以上であれば現役でコーチをしていても殿堂入りできる資格を得ることができる。最低でも10年は監督を務め、最低100試合をこなし、勝率は6割以上でなければならない。
そんな条件を満たした15人が2019年度の殿堂入りを果たしました。下がそのリストです。
テレル・バックリー(Terrell Buckley)
1989年から1991年までフロリダ州立大でDBとして活躍。
リッキー・ディクソン(Rickey Dixon)
1984年なら1987年までオクラホマ大のDBとしてプレー。
ロンドン・フレッチャー(London Fletcher)
1995年から1997年にジョンキャロル大(NCAA3部)でLBとして活躍。
ジェイコブ・グリーン(Jacob Green)
1977年から1979年までテキサスA&M大でDLとしてプレー。
トーリー・ホルト(Torry Holt)
1995年から1998年までノースカロライナ州立大でWRとして活躍。
ラヒーブ・イスマイール(Raghib Ismail)
1988年から1990年までノートルダム大でWRおよびキックリターナーとしてプレー。「ロケット」の愛称でも知られています。
ダレン・マクファデン(Darren McFadden)
2005年から2007年までアーカンソー大RBとして活躍。ワイルドキャットフォーメーションを蘇らせた男。
【参考記事】ワイルドキャットフォーメーション
ジェイク・プラマー(Jake Plummer)
1993年から1996年までアリゾナ州立大QBを務めた選手。
トロイ・ポラマル(Troy Polamalu)
1999年から2002年までサザンカリフォルニア大でDBとしてプレー。NFLでもピッツバーグスティーラーズでその存在感を発揮。
ジョー・トーマス(Joe Thomas)
2003年から2006年までウィスコンシン大OLとして活躍。昨年までクリーブランドブラウンズでプレーして引退したばかり。
ロレンゾ・ホワイト(Lorenzo White)
ミシガン州立大で1984年から1987までRBとしてプレー。
パトリック・ウィリス(Patrick Willis)
2003年から2006年までミシシッピ大でLBとして活躍。
ヴィンス・ヤング(Vince Young)
2003年から2005年までテキサス大でQBを務めた名手。あのサザンカリフォルニア大とのローズボウルの激戦は記憶にあたらしいところ。
デニス・エリクソン(Dennis Erickson)
アイダホ大、ワイオミング大、ワシントン州立大、マイアミ大、オレゴン州立大、アリゾナ州立大を歴任。マイアミ大で1989年度1991年に2度もナショナルチャンピオンに輝いています。
ジョー・テイラー(Joe Taylor)
フットボールチャンピオンシップサブディビジョン(FCS、旧NCAA-IAA)の大学チームを複数校歴任。生涯成績は232勝97敗4分けという素晴らしい記録を残しました。
以上15人が今年新たに殿堂入りを果たした人物ですが、今年は史上初めて選手でもなくコーチでもない「オブジェクト」が名誉殿堂入りすることになっています。それがこれ。
タイヤメーカーである「グッドイヤー(Goodyear)」が所有する飛行船。通称「グッドイヤー・ブリンプ(Goodyear Blimp)」と呼ばれるこの存在感バッチリの飛行船は1955年に行われたローズボウルで登場して以来、カレッジフットボールの試合だけでなく様々なスポーツのイベントに登場して遥か上空から試合の様子をお茶の間にお送りしていたのです。
この「グッドイヤー・ブリンプ」がカレッジフットボールの普及に大いに貢献したということでこの度人間でもない飛行船が名誉殿堂入りを果たしたのです。
15人の授賞式は今年12月10日にニューヨークで行われる予定です。
目次
- テレル・バックリー(Terrell Buckley)
- リッキー・ディクソン(Rickey Dixon)
- ロンドン・フレッチャー(London Fletcher)
- ジェイコブ・グリーン(Jacob Green)
- トーリー・ホルト(Torry Holt)
- ラヒーブ・イスマイール(Raghib Ismail)
- ダレン・マクファデン(Darren McFadden)
- ジェイク・プラマー(Jake Plummer)
- トロイ・ポラマル(Troy Polamalu)
- ジョー・トーマス(Joe Thomas)
- ロレンゾ・ホワイト(Lorenzo White)
- パトリック・ウィリス(Patrick Willis)
- ヴィンス・ヤング(Vince Young)
- デニス・エリクソン(Dennis Erickson)
- ジョー・テイラー(Joe Taylor)