サイドノート
超高額チケット!!
皆が待ち望んでいる今季の決勝戦ですが、月曜日の時点でチケットの価格は2300ドル(約25万円)まで高騰しているということです。これまでの最高平均チケット価格は2013年のBCSナショナルチャンピオンシップ、アラバマ大vsノートルダム大と言われ、この時は約1640ドルだったということですから、今回のチケットの価値はさらにそれを上回ることであると言えます。
ここまで高騰した理由としては、全米中が注目する対戦カードである以外に、開催地がジョージア州アトランタ市とジョージア大キャンパスから車で1時間ほど、さらに多くのジョージア大卒業生やそのファンたちがアトランタ市近辺に在住しており、ジョージア大を応援しようという多くの観客が見込まれるために需要が上がったからだと思われます。
ちなみにメルセデスベンツスタジアムのスイートボックスでの観戦で駐車場と食事付きで9万4千ドル(約1000万円!)というパッケージも売れたというから驚きです。
ただ平均価格ではなく小売価格で最高となったのは2011年度のBCSナショナルチャンピオンシップのオレゴン大vsアーバン大戦で、最安値が4000ドル(40万円以上)だったそうです。
リドリー兄弟の兄弟対決
アラバマ大のトップWRであるカルヴィン・リドリー(Calvin Ridley)ですが、実は彼の弟がジョージア大にいます。ライリー・リドリー(Riley Ridley)です。今年2年生のライリーは今季トータル8回の捕球で136ヤードに2TDで数字的にはジョージア大で5番手のWR。兄のカルヴィンは今季59回の捕球で935ヤードに4TDとヤードの面では兄の貫禄を保っています。普段は仲のいいリドリー兄弟ですが、今週は未だに電話もテキストメッセージも交わしていないとのこと。兄弟とはいえ試合が終わるまでは敵同士ということでしょうか。
準備期間が少なすぎ?
今回で4回目を迎えるプレーオフですが、年を追うごとに準決勝戦から決勝戦の間の日にちが短くなっています。昨年度は9日あったところ今年度は7日まで減ってしまいました。これに苦言を呈しているのはアラバマ大のニック・セイバン(Nick Saban)監督。チームの移動時間や準備期間を含めて日数が少なすぎると主張しています。
しかしアラバマ大よりもきついのはジョージア大です。アラバマ大の準決勝戦だったシュガーボウルはルイジアナ州ニューオーリンズ市だったのでアラバマ大からはそこまで遠くはありませんが、ジョージア大は準決勝戦をローズボウルで戦いました。ご存知の通りローズボウルは遠く西海岸のカリフォルニア州で行われ、しかも試合はオーバータイムとなったため終了時間も押し、時差も3時間あるため彼らの方が移動や準備に負担がかかったことでしょう。ただタイトルゲームが行われるアトランタ市はジョージア大のキャンパスがあるアセンズ市から車で1時間ほどしか離れていないことはラッキーです。
天覧試合
全米中が注目するナショナルタイトルゲームですが、注目しているのは何もカレッジフットボールファンだけではないようです。というのも今年の頂上決戦には現職のアメリカ大統領、ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏も観戦に訪れるとのこと。そのためアトランタ市は市警察やシークレットサービスと連携を密に取り周辺の安全確保に余念がないようです。しかしこのせいで観戦者たちはスタジアムに入る際にいつも以上のセキュリティーチェックを受けなければならなくなる可能性もあり、混乱を巻き起こしかねないため、開催者側は大きな迷惑と感じてるとかいないとか・・・。
フィッツパトリックの怪我の具合
アラバマ大ディフェンス陣のリーダーであり、最優秀ディフェンダー賞のベドナリク賞と最優秀DB賞のジム・ソープ賞を受賞したミンカー・フィッツパトリック(Minkah Fitzpatrick)ですが、先日のシュガーボウルでのクレムソン大戦で腎臓にマイナーな怪我(打撲傷)を負っていたことが判明。この個人情報が漏洩したことに遺憾の意を表明していましたが、体調は万全ということで月曜日のタイトルマッチには問題なく出場できるということです。もし彼が出場できなかったとしたらアラバマ大にとっては死活問題ですから、大事に至らなくてよかったというところでしょうか。
史上最高の監督?
アラバマ大の監督に就任して以来王国を築き上げてきたニック・セイバン監督。すでに現役コーチで彼に勝る人物は見当たりませんが、今シーズンのナショナルタイトルゲームに勝つといよいよ彼が現役だけでなくカレッジフットボールの歴史上もっとも優れた監督であるという結論に達する可能性も出てきます。
現在66歳のセイバン監督はこれまで5度全米王者に輝いていますが(ルイジアナ州立大で1度、アラバマ大で4度)、もし今週末の試合に勝てば6つ目の栄冠となり、アラバマ大のレジェンドで現在の全米最多ナショナルタイトル数を誇るポール・ベアー・ブライアント(Paul “Bear” Bryant)氏に並ぶことになります。
しかも最初のナショナルタイトルが2003年度であることを考えるともし今回勝てば14年間で6つというハイスピードでこの数字に追いつくことになります。ブライアント監督は1961年から1979年までの18年間で達成した記録ですので、たとえ今回優勝を逃しても最短で6つのタイトル獲得するチャンスはまだ残されているということです。
そしてブライアント監督を超える7勝目を挙げる可能性も、セイバン監督の年齢を考えれば十分にあると思います。そうなればもう誰も彼がカレッジフットボール界で後にも先にも最高の監督であることを否定るすことはできないでしょう。
強すぎることは得てして多くの人たちから嫌われるものです。アラバマ大に関していえばここ最近では3年連続タイトルゲームに出場していますし、2011年と2012年には連覇も果たしました。「いつもアラバマ大ばかりでつまらない!」と思うのも解りますが、もしセイバン監督が7勝以上を挙げてカレッジフットボール史に永遠に名を残すようなことになれば、それを現在進行形で目撃できている今の状況は後々非常に貴重な経験となるのかもしれません。